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第166回芥川賞受賞!

第166回芥川賞受賞!

砂川文次さんの「ブラックボックス」(「群像」2021年8月号掲載)が、第166回芥川賞を受賞しました!

『ブラックボックス』 (講談社2022年1月刊)

ずっと遠くに行きたかった。今も行きたいと思っている。

自分の中の怒りの暴発を、なぜ止められないのだろう。自衛隊を辞め、いまは自転車メッセンジャーの仕事に就いているサクマは、都内を今日もひた走る。

気鋭の実力派作家、新境地の傑作。


第166回芥川賞受賞!

砂川文次(すなかわ・ぶんじ)

1990年、大阪府生まれ。神奈川大学卒業。元自衛官。現在、地方公務員。2016年、「市街戦」で第121回文學界新人賞を受賞。他の著書に『戦場のレビヤタン』『臆病な都市』『小隊』がある。


第74回野間文芸賞受賞!

第74回野間文芸賞受賞!

リービ英雄さんの『天路』が第74回野間文芸賞を受賞しました!

『天路』(講談社2021年9月刊)

国と国、言葉と言葉の〈間〉を旅する作家がたどりついた、世界の臨界点。世界の声が響きあう越境文学の達成!

アメリカを捨て日本に移り住んだ作家は、故国に残した母の死を抱えて中国の最果て、チベット高原へと赴く。
一千年の祈りの地でたどる、死と再生の旅。

30年前から日本に暮らすアメリカ国籍の「かれ」は、故国の母の死を受けいれられぬまま、漢民族の友人とともにチベット高原を旅する。「世界の屋上」と呼ばれるその土地は、一千年来、ひたすら生と死に思いをめぐらせてきた人々の文化が息づく場所だった。異質な言葉との出会いを通して死と再生の旅を描く、読売文学賞作家の新たな代表作。


第74回野間文芸賞受賞!

リービ英雄(りーび・ひでお)

作家、日本文学研究者。1950年、カリフォルニア生まれ。少年時代を台湾、香港で過ごす。プリンストン大学とスタンフォード大学で日本文学の教鞭を執り、『万葉集』の英訳により全米図書賞を受賞。1989年から日本に定住。1987年、「群像」に「星条旗の聞こえない部屋」を発表し小説家としてデビュー。1992年に作品集『星条旗の聞こえない部屋』で野間文芸新人賞を受賞し、西洋人で初の日本文学作家として注目を浴びる。2005年『千々にくだけて』で大佛次郎賞、2009年『仮の水』で伊藤整文学賞、2016年『模範郷』で読売文学賞を受賞。法政大学名誉教授。


第43回野間文芸新人賞受賞!

第43回野間文芸新人賞受賞!

井戸川射子さんの『ここはとても速い川』が第43回野間文芸新人賞を受賞しました!

『ここはとても速い川』(講談社2021年6月刊)

第一詩集で中原中也賞を受賞した注目詩人による、初めての小説集。

児童養護施設に暮らす小学5年生の集(しゅう)。園での年下の親友・ひじりとの楽しみは、近くの淀川にいる亀たちを見に行くことだった。温もりが伝わる繊細な言葉で子どもたちの日々を描いた表題作と、小説第一作「膨張」を収録。


第43回野間文芸新人賞受賞!

井戸川射子(いどがわ・いこ)

1987年生まれ。関西学院大学社会学部卒業。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。2019年、同詩集にて第24回中原中也賞を受賞。著書に『する、されるユートピア』(青土社)。本書が初の小説集となる。