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第49回川端康成文学賞受賞!

第49回川端康成文学賞受賞!

奥泉光さん『虚傳集』(講談社)に収録されている「清心館小伝」(「新潮」2024年6月号)が、第49回川端康成文学賞を受賞しました!

『虚傳集』(講談社2025年1月刊)

虚も語れば実となる。
稀代の名手が贈る偽書歴史小説集!

凄面白くて唸らせる……数々の名巨編を放ってきた著者初めての短編集!

【収録作品】
「清心館小伝」 「兵は詭道なり」と説き異彩を放った江戸の道場
「印地打ち」 真田氏の下、投石の奇襲で名を馳せた山の三兄弟
「寳井俊慶」 出奔した天才仏師の数奇な生涯
「江戸の錬金術師」 猫屋敷の蘭方医にしてからくり興行の山師
「桂跳ね」 幕末の世、将棋で結ばれた若者二人の友情と運命


第49回川端康成文学賞受賞!

奥泉光(おくいずみ・ひかる)

1956年山形県生まれ。1986年「地の鳥 天の魚群」でデビュー。1993年『ノヴァーリスの引用』(新潮社)で野間文芸新人賞、瞠目反文学賞、1994年『石の来歴』(文芸春秋)で芥川賞、2009年『神器 軍艦「橿原」殺人事件』(新潮社)で野間文芸賞、2014年『東京自叙伝』(集英社)で谷崎潤一郎賞、2018年『雪の階』(中央公論新社)で柴田錬三郎賞、毎日出版文化賞、2025年『虚史のリズム』(集英社)で毎日芸術賞を受賞。同年「清心館小伝」で第49回川端康成文学賞を受賞。『バナールな現象』(集英社)、『『吾輩は猫である』殺人事件』(新潮社)、『グランド・ミステリー』(角川書店)、『シューマンの指』(講談社)、『死神の棋譜』(新潮社)など著書多数。


第75回芸術選奨新人賞受賞!

第75回芸術選奨新人賞受賞!

井戸川射子さんの『無形』(「群像」連載)が、第75回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞しました!

『無形』(講談社2024年10月刊)

確かにそこにあった生活を、形には残らない喜びを、悲しみを、少しずつ取りこぼしながらも生きていく。

気鋭の芥川賞作家・井戸川射子、待望の初長編。

過ぎゆく歳月の中で、変わらないものは何と呼ばれるのだろう――。
立ち退き勧告が進む団地を舞台に、ほころびと希望、息づく日々を描き切る傑作群像劇。

年老い病を患う祖父と、彼の面倒を見る孫娘。
親が失踪した姉弟。
夫に先立たれ、近所の犬の世話をする老女。
友情以上の感情を育む少女たち。
守りたい兄と、それを疎ましがる弟。
海辺の団地に集う人々に流れる、季節と記憶――。


第75回芸術選奨新人賞受賞!

井戸川射子(いどがわ・いこ)

1987年生まれ。関西学院大学社会学部卒業。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。2019 年、同詩集にて第24回中原中也賞を受賞。2021年に小説集『ここはとても速い川』(講談社)で第43回野間文芸新人賞を、2023年に『この世の喜びよ』(講談社)で第168回芥川龍之介賞を受賞。2025年、『無形』(講談社)で第75回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。他の著作として、詩集に『遠景』(思潮社)、小説に『共に明るい』(講談社)、『移動そのもの』(筑摩書房)、『曇りなく常に良く』(中央公論新社)がある。


第76回読売文学賞(随筆・紀行賞)受賞!

第76回読売文学賞(随筆・紀行賞)受賞!

奈倉有里さん『文化の脱走兵』(「群像」連載)が、第76回読売文学賞(随筆・紀行賞)を受賞しました!

『文化の脱走兵』(講談社2024年7月刊)

第76回読売文学賞(随筆・紀行賞)受賞作!

本を片手に、戦う勇気ではなく逃げる勇気を。
いま、本読みたちにもっとも注目されているエッセイ集。

「国でいちばんの脱走兵」になった100年前のロシアの詩人、ゲーム内チャットで心通わせる戦火のなかの人々、悪い人間たちを化かす狸のような祖父母たち──あたたかい記憶と非暴力への希求を、文学がつないでゆく。

「もし本が好きになったら──私たちがその人たちを見つけて、めいっぱい大切にしよう。世界中のたくさんの本を翻訳して、朗読して、笑ったり泣いたりしよう。」(「クルミ世界の住人」より)

紫式部文学賞を受賞したロングセラー『夕暮れに夜明けの歌を』の著者が、言葉を愛する仲間たちに贈る、待望のエッセイ集。


第76回読売文学賞(随筆・紀行賞)受賞!

奈倉有里(なぐら・ゆり)

1982年、東京都生まれ。ロシア文学研究者、翻訳者。2008年、ロシア国立ゴーリキー文学大学を日本人として初めて卒業する。東京大学大学院修士課程を経て博士課程満期退学。博士(文学)。2022年、『夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く』(イースト・プレス)で第32回紫式部文学賞、『アレクサンドル・ブローク 詩学と生涯』(未知谷)などで第44回サントリー学芸賞(芸術・文学部門)受賞。2025年、『文化の脱走兵』(講談社)で第76回読売文学賞(随筆・紀行賞)受賞。主な訳書に、ミハイル・シーシキン『手紙』(新潮クレスト・ブックス)、サーシャ・フィリペンコ『理不尽ゲーム』『赤い十字』(集英社)、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版』(岩波書店)ほか多数。近著に『ロシア文学の教室』(文春新書)。