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第46回野間文芸新人賞受賞!

第46回野間文芸新人賞受賞!

豊永浩平さんの『月ぬ走いや、馬ぬ走い』(「群像」2024年6月号掲載)が、第46回野間文芸新人賞を受賞しました!

『月ぬ走いや、馬ぬ走い』(講談社2024年7月刊)

第67回群像新人文学賞受賞!新たな戦争の時代に現れた圧倒的才能!21歳の現役大学生、衝撃のデビュー作。
先祖の魂が還ってくる盆の中日、幼い少年と少女の前に、78年前に死んだ日本兵の亡霊が現れる――。時空を超えて紡がれる圧巻の「語り」が、歴史と現在を接続する!

「読んだものを茫然とさせ、彼のいままでを氷づけにし、そのうえで、読むことをとおしてあたらしい魂を宿らせる、そんな小説でありたい……テクストでの魂込め(まぶいぐみ)とでも呼ぶべきところが、ぼくの目標です。」豊永浩平(受賞のことば)

ぼくがここにいて、そしてここはどんな場所で、なによりここでぼくはこうして生きてきた、ってことを歌って欲しいんだ、ほとばしるバースはライク・ア・黄金言葉(くがにくとぅば)、おれらは敗者なんかじゃねえぞ刻まれてんのさこの胸に命こそ宝(ぬちどぅたから)のことばが、月ぬ走いや、馬ぬ走いさ!


第46回野間文芸新人賞受賞!

豊永浩平(とよなが・こうへい)

2003年、沖縄県生まれ。2024 年、「月ぬ走いや、馬ぬ走い」で第67 回群像新人文学賞を受賞。

(写真=森 清)


第77回野間文芸賞受賞!

第77回野間文芸賞受賞!

中村文則さんの『列』(「群像」2023年7月号掲載)が、第77回野間文芸賞を受賞しました!

『列』(講談社2023年10月刊)

男はいつの間にか、奇妙な列に並んでいた。
先が見えず、最後尾も見えない。そして誰もが、自分がなぜ並んでいるのかわからない。
男は、ある動物の研究者のはずだった。

現代に生きる人間の姿を、深く、深く見通す――。

競い合い、比べ合う社会の中で、私達はどう生きればいいのか。
この奇妙な列から、出ることはできるのだろうか。
ページをめくる手が徐々に止まらなくなる、最高傑作の呼び声も高い、著者渾身の一作。


第77回野間文芸賞受賞!

中村文則(なかむら・ふみのり)

1977年愛知県生まれ。福島大学卒業。2002年「銃」で第34回新潮新人賞を受賞しデビュー。04年『遮光』(新潮社)で第26回野間文芸新人賞、05年「土の中の子供」で第133回芥川龍之介賞、10年『掏摸スリ』(河出書房新社)で第4回大江健三郎賞を受賞。『掏摸スリ』の英訳版『THE THIEF』が米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」で2012年の年間ベスト10小説に選ばれる。『悪と仮面のルール』(講談社)の英訳版『EVIL AND THE MASK』が同紙で2013年の年間ベスト10ミステリーに選ばれる。14年、米国のDavid L. Goodis賞を受賞。16年『私の消滅』(文藝春秋)で第26回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞など。
他の著書に『何もかも憂鬱な夜に』(集英社)、『去年の冬、きみと別れ』(幻冬社)、『教団X』(集英社)、『あなたが消えた夜に』(毎日新聞出版)、『R帝国』(中央公論新社)、『カード師』(朝日新聞出版)など多数。エッセイ集に『自由思考』(河出書房新社)、対談集に『自由対談』(河出書房新社)がある。
(写真=森 清)


第171回芥川賞受賞!

第171回芥川賞受賞!

松永K三蔵さんの「バリ山行(「群像」2024年3月号掲載)が、第171回芥川賞を受賞しました!

『バリ山行』(講談社2024年7月刊)

古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で職場で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。

「山は遊びですよ。遊びで死んだら意味ないじゃないですか! 本物の危機は山じゃないですよ。街ですよ! 生活ですよ。妻鹿さんはそれから逃げてるだけじゃないですか!」(本文より抜粋)

会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。


第171回芥川賞受賞!

松永K三蔵(まつなが・けー・さんぞう)

1980年茨城県生まれ。兵庫県西宮市在住。関西学院大学文学部卒。2021年「カメオ」が群像新人文学賞優秀作となる。