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第47回野間文芸新人賞受賞!

第47回野間文芸新人賞受賞!

鳥山まことさん「時の家」が(講談社「群像」2025年8月号掲載)が第47回野間文芸新人賞を受賞しました

『時の家』(講談社2025年10月刊)

第47回野間文芸新人賞受賞作!

ここで暮らしていた人々の存在の証を、ただ、描きとめておきたい。
三田文學新人賞でデビューした注目の小説家が、傑出した完成度で紡いだあたらしい建築文学。

青年は描く。その家の床を、柱を、天井を、タイルを、壁を、そこに刻まれた記憶を。
目を凝らせば無数の細部が浮かび、手をかざせば塗り重ねられた厚みが胸を突く。
幾層にも重なる存在の名残りを愛おしむように編み上げた、新鋭による飛躍作。


第47回野間文芸新人賞受賞!

鳥山まこと(とりやま・まこと)

1992年兵庫県宝塚市生まれ。2023年「あるもの」で第29回三田文學新人賞を受賞。建築士でありながら、作家として執筆活動をしている。2025年、『時の家』(「群像」2025年8月号掲載、講談社)で第47回野間文芸新人賞を受賞。ほかの作品に「欲求アレルギー」(「三田文學」2024年春季号掲載)、「アウトライン」(「群像」2024年11月号掲載)などがある。

(写真=渡辺充俊)


ひょうご本大賞2025受賞!

ひょうご本大賞2025受賞!

松永K三蔵さん『カメオ』がひょうご本大賞2025を受賞しました!

『カメオ』(講談社2024年12月刊)

第171回芥川賞受賞「バリ山行」に先行する著者デビュー作。第64回群像新人文学賞・優秀作が待望の単行本刊行。
本社からの命令で何としても期日までに倉庫を建てなければならないのに、犬を連れた隣地の男・カメオがたちはだかる。不条理な可笑しみに彩られたデビュー作。


ひょうご本大賞2025受賞!

松永K三蔵(まつなが・けー・さんぞう)

1980年茨城県生まれ。兵庫県西宮市在住。関西学院大学文学部卒。2021年「カメオ」が群像新人文学賞優秀作となる。2024年「群像」にて発表の第二作「バリ山行」で第171回芥川龍之介賞を受賞。著書に『バリ山行』がある。


第1回永井荷風文学賞受賞!

第1回永井荷風文学賞受賞!

田中純さん『磯崎新論(シン・イソザキろん)』(講談社2024年11月刊)が第1回永井荷風文学賞を受賞しました!

『磯崎新論(シン・イソザキろん)』(講談社2024年11月刊)

2022年12月28日に91歳で亡くなった世界的建築家・磯崎新。

「デミウルゴスの化身」たらんとした「アーティスト/アーキテクト/アーバンデザイナー」が求めた〈見えない建築〉とは何か?

群像連載の前人未到/正面突破の決定版「磯崎新論(シン・イソザキろん)」がついに単行本化!

「それゆえわたしはここで、たとえ無謀ではあっても、アーティスト/アーキテクト/アーバンデザイナーの全領域の総体をテクストとしてまるごと扱い、自分なりの磯崎新(ルビ:デミウルゴス)像をくっきりとした輪郭で描くことを選ぶ。「シン・イソザキ論」という、庵野秀明の『シン・ゴジラ』や『シン・エヴァンゲリオン』をもじったような別名の併記は、磯崎最初期のSF的マニフェスト「都市破壊業KK」における「SIN/ARATA」という二体の分身への自己分裂に対応している。それをルビで表わすこともまた、この種の分裂状態を象徴する磯崎特有の書体の擬態(ルビ:もどき)である。「シン」は間違っても「真」ではなく、「磯崎新論(ルビ:シン・イソザキろん)」という表記はむしろ、みずから「新(ルビ:SIN)」なるもの─他者─であろうとする自覚の表現なのだ。」(本文より)


第1回永井荷風文学賞受賞!

田中純(たなか・じゅん)

1960年生。芸術論・思想史。東京大学名誉教授。博士(学術)。2002年『アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮』(青土社)でサントリー学芸賞(思想・歴史部門)、2008年『都市の詩学』(東京大学出版会)で芸術選奨文部科学大臣新人賞、2009年『政治の美学』(東京大学出版会)で毎日出版文化賞、2010年フィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞を受賞。著書に『残像のなかの建築』(未來社)『都市表象分析 I』(LIXIL出版)『ミース・ファン・デル・ローエの戦場』(彰国社)『冥府の建築家』(みすず書房)『過去に触れる』(羽鳥書店)『歴史の地震計』(東京大学出版会)『デヴィッド・ボウイ』(岩波書店)『イメージの記憶(かげ)』(東京大学出版会)など。