群像2024年6月号

【第67回群像新人文学賞発表】豊永浩平 白鳥 一


【新連載】ブレイディみかこ 武塙麻衣子


【創作】高橋源一郎 【論点】太田啓子 松浦寿夫


【本の名刺】須藤輝彦 百瀬 文 【書評短歌】青松 輝


【最終回】伊藤春奈 小川洋子 永井玲衣

群像2024年6月号5月7日発売)
特別定価1550円:A5版

【第67回群像新人文学賞発表】豊永浩平 白鳥 一

4月5日、今年も群像新人文学賞の選考会が行われました。昨年に引き続き、柴崎友香さん、島田雅彦さん、古川日出男さん、町田康さん、松浦理英子さんに選考委員をお願いしました。討議の末、豊永浩平さん(応募時は馬熊英一名義)「月ぬ走いや、馬ぬ走い」が当選作に、白鳥一さん「遠くから来ました」が優秀作として選出されました。豊永さんは、2003年沖縄県生まれの21歳。琉球大学に通う現役の大学生です。白鳥さんは1982年宮城県生まれの41歳。15年間新人賞への応募を続けて、今回の優秀作受賞となりました。毛色のまったく異なるお二人のデビュー作(偶然にもどちらも「群像劇」です)、ぜひお読みください。

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豊永浩平さん「月ぬ走いや、馬ぬ走い」

熱を帯びて迫り上がる語りが時間を超えて接続されるとき、すべての歴史が現在へと流れこむ。型破りなスケールで沖縄を描いた圧巻のデビュー作。

白鳥 一さん「遠くから来ました」

東北のとある喫茶店に居合わせたのは人間と、どこからともなくやってきたAからEの〝遭難者〟――。整列した時空を歪ませて、浮かびあがるそのあわい。

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【新連載】ブレイディみかこ 武塙麻衣子

新連載がふたつ始まります。まずはブレイディみかこさんの「世界は誤訳でまわってる」。小説としておもしろいのはもちろん、思いもよらなかった「誤訳」に、「そうだったのか」とビックリ。英語の〝実践風〟学習にもなりそうです。もうひとつは、5月号の短篇特集にも登場した武塙麻衣子さんによる「西高東低マンション」。自身で出版している「酒場の君」シリーズや日記ZINEに親しんできた方も、未読の方もぜひこの機会に武塙さんの文章にふれてみてください。

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ブレイディみかこさん「世界は誤訳でまわってる 明日にジャムをつけろ」

「Have a nice day」と「Have a nice life」。一語の違いが運命の分かれ道。言葉と人生をめぐる、ブレイディみかこ版「感情教育」が連載開始!

武塙麻衣子さん「西高東低マンション」

私のまわりに起こるすべては、あいまいに始まってあいまいに終わり、不意に立ち現れてはふたたび出会う。ひと、もの、ことの巡りあいを柔らかな筆致で描く。

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【創作】高橋源一郎 【論点】太田啓子 松浦寿夫

薄暗いコベヤにあるタイプライタアにはさまれた書きかけの紙には、「翠の……コベヤの。」と文字が打たれていた――創作は高橋源一郎さん「オオカミの」。「論点」が2本。太田啓子さんに「子育てとジェンダー」を、松浦寿夫さんに「国立西洋美術館抗議活動」について論じていただきました。

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高橋源一郎さん「オオカミの」〔4〕

「トショカン」をずんずん歩いていった先のコベヤにあった本を手に取ったわたしは、口にしたことのない言葉を呟いてみる。――「カミサマ。」

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太田啓子さん「「男の子らしさ」の呪縛 ――子育てとジェンダーを考える」

子どもは生まれた瞬間から、ジェンダーバイアスに満ちたメッセージを浴びながら育つ。社会の性差別構造を変えるために、私たちは何ができるだろう。

松浦寿夫さん「組織化された自律性 Autonomia Organizzata」

三月一一日、国立西洋美術館で、参加アーティストらによる、イスラエルのパレスティナ侵攻への抗議が行われた。自律性に依拠した連繫の可能性を。

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【本の名刺】須藤輝彦 百瀬 文 【書評短歌】青松 輝

「本の名刺」は、須藤輝彦さん『たまたま、この世界に生まれて ミラン・クンデラと運命』、百瀬文さん『なめらかな人』です。青松輝さんに『休むヒント。』についての「書評短歌」を作っていただきました。

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須藤輝彦さん「本の名刺」/『たまたま、この世界に生まれて ミラン・クンデラと運命』

百瀬文さん「本の名刺」/『なめらかな人』

青松輝さん「書評短歌」/『休むヒント。』

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【最終回】伊藤春奈 小川洋子 永井玲衣

伊藤春奈さん「ふたり暮らしの〈女性〉史」、小川洋子さんのVRアニメーション『耳に棲むもの』から生まれた連作小説、永井玲衣さん「世界の適切な保存」が最終回をむかえています。大澤聡さん「国家と批評」は第Ⅱ部を楽しみにお待ちください。

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伊藤春奈さん「ふたり暮らしの〈女性〉史」

日本初の女性騎手・斎藤すみと、すみを敬愛した〝芳江〟の物語―小説『繫がれた夢』。作者である吉永みち子さんへの取材をもとに、道なき道を切り拓いた〈彼女〉たちの人生を辿る。

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小川洋子さん「選鉱場とラッパ」

少年が胸を焦がすほど欲した金に輝くラッパは、手に入れた瞬間に色褪せはじめる―VRアニメーション『耳に棲むもの』から生まれた物語の最終章。

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永井玲衣さん「世界の適切な保存」

生の断片、世界の欠片は、きかれることを待っている。わたしたちは、それらを適切に保存することができるのだろうか。

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