群像2024年3月号

【創作】長野まゆみ 【連作】柴崎友香 【中篇一挙】松永K三蔵


【新連載】鹿島茂 武田砂鉄 宮内悠介


【小特集・蓮實重彥】【インタビュー】【批評】蓮實重彥


【特別寄稿】平野啓一郎 劉争+片岡大右


【New Manual】朝吹真理子 【解説】吉川浩満 【article】林央子 【本の名刺】小砂川チト 町田康 【最終回】東辻賢治郎

群像2024年3月号2月7日発売)
特別定価1500円:A5版

【創作】長野まゆみ 【連作】柴崎友香 【中篇一挙】松永K三蔵

巻頭の、長野まゆみさんの創作「ルカとチカ」はルカチカ姉妹》として出店するふたりのお話。連作になっていく予定です。柴崎友香さんの連作「帰れない探偵」は第9回「空港にて」。群像新人文学賞優秀作受賞第一作となる松永K三蔵さんの中篇「バリ山行」にもご注目ください。

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長野まゆみさん「ルカとチカ」

《ルカチカ姉妹》としてクラフト系のイベントに参加したぼくたちは、テントをシェアする隣人から声をかけられる。「つぎは家のトイレへ案内するわ」――。

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柴崎友香さん「帰れない探偵 空港にて」

帰れない場所だけが、増えていく――探偵は空港で内部調査を命じられる。

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松永K三蔵さん「バリ山行」

道とは言えない山道をひとりゆくその人の思いはどこにあるのだろう。やり過ごす毎日に追われながら、波多はふと妻鹿さんのことを考える。群像新人文学賞優秀作受賞第一作。

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【新連載】鹿島茂 武田砂鉄 宮内悠介

三つの連載、鹿島茂さん「第ゼロ次世界大戦」、武田砂鉄さん「誰もわかってくれない――なぜ書くのか」、宮内悠介さん「デビュー前の日記たち」が新たに始まります。それぞれの、「過去/歴史」や「書くこと」についての文章たちをお楽しみください。

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鹿島茂さん「第ゼロ次世界大戦」

現在に続く世界史の決定的なターニング・ポイントにして、忘れられた世界戦争――七年戦争。激動の18世紀をかつてない視野で描き出す、壮大なグローバル・ヒストリーの開幕。

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武田砂鉄さん「誰もわかってくれない――なぜ書くのか」

この10年、ずっと書いている。「書くこと」をめぐる現在地を指し示すものとなることを目指して、書き始めてみる。

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宮内悠介さん「デビュー前の日記たち」

なぜかまとめて取ってあった、10年以上前に書いていたブログや日記のバックアップ。「いま」と「あの頃」を往還することで浮かびあがってくる「時代の精神」。

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【小特集・蓮實重彥】【インタビュー】【批評】蓮實重彥

蓮實重彥さんの小特集は、「ミシェル・フーコー『The Japan Lecturesをめぐるインタビュー」と「散文は生まれたばかりのものである――『ボヴァリー夫人』のテクストに挿入された「余白」についての考察」の二本立てでお届けします。お見逃しなく。

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蓮實重彥さん「ミシェル・フーコー『The Japan Lectures』をめぐるインタビュー」

70年代の日本知識人との対話などをまとめた『The Japan Lectures』が刊行された。フーコーは日本といかに出会ったのか。

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蓮實重彥さん「散文は生まれたばかりのものである――『ボヴァリー夫人』のテクストに挿入された「余白」についての考察」

小説と呼ばれる散文のテクストの孤児性、そして『ボヴァリー夫人』の「多数の余白」の謎に迫る。フローベール生誕200年を迎えての記念国際シンポジウムの講演を初活字化。

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【特別寄稿】平野啓一郎 劉争+片岡大右

特別寄稿を二本いただいています。まずは、平野啓一郎さん「記憶への声記憶からの声――大江健三郎、瀬戸内寂聴、東アジア文学交流とAI時代の文学」。平野さんによるふたりの先達への想いと、中日(日中)青年作家会議における基調講演も必読です。特別寄稿の二つ目、劉争さんと片岡大右さん「坂本龍一と中国の時間――成都での回顧展を機に」は、中国での坂本龍一の受容や軌跡に焦点があてられています。

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平野啓一郎さん「記憶への声、記憶からの声――大江健三郎、瀬戸内寂聴、東アジア文学交流とAI時代の文学」

中日(日中)青年作家会議で中国を訪れた著者は、ふたりの先達を思い起こす。「AIと文学」を考えるうえでも必読の基調講演「読者はそれでも、人間が書いた小説を読み続ける」も収録。

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劉争さん+片岡大右さん「坂本龍一と中国の時間――成都での回顧展を機に」

文革後の1980年代に成長した少女の耳に、YMOの楽曲はいかに響いたのか。活動の初期から中国に惹きつけられた坂本龍一の軌跡。

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【New Manual】朝吹真理子 【解説】吉川浩満 【article】林央子 【本の名刺】小砂川チト 町田康 【最終回】東辻賢治郎

New Manualに朝吹真理子さんが登場。加藤典洋さん『人類が永遠に続くのではないとしたら』の講談社文芸文庫化に際して、吉川浩満さんによる解説「特別な一冊」を転載しています。林央子さんの「拡張するファッション」レポートを「article」で。「レビュー」では桜木紫乃さんに、まもなく公開される三島有紀子監督の映画「一月の声に歓びを刻め」を取り上げていただきました。東辻賢治郎さん「地図とその分身たち」が最終回を迎えています。今月の「本の名刺」は、小砂川チトさん『猿の戴冠式』、町田康さん『入門 山頭火』。

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朝吹真理子さん「ぼろ」

あたるが気に入って穿いているジーンズは擦り切れていて、繕ったあとがある。そうやって手当をしながら、15年以上ずっと持っている。

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吉川浩満さん「特別な一冊」

いま、読んでほしい。「君と世界の戦い」に参入するために。文芸文庫化する、加藤典洋『人類が永遠に続くのではないとしたら』解説を転載。

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林央子さん「拡張するファッション 2024」

ファッションの主体性はどこにあるのか? ルールからはみ出して、実践を重ねてきた著者による「拡張するファッション」のレポート。

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小砂川チトさん「本の名刺」/『猿の戴冠式

町田康さん「本の名刺」/『入門 山頭火』

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東辻賢治郎さん「地図とその分身たち」

主題が名前を失うときにふと私たちの視界を覆うもの。それは紙や布地や壁面の手触り、テクスチュア、肌理などといわれるものに似ている。私はそんなものに惹かれてきた――。地図をめぐる思考、最終章。

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川上弘美さんの「恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ」(「群像」連載)が、第76回野間文芸賞を受賞しました!

『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』(講談社2023年8月刊)

あ、また時間に捕まえられる、と思った。
捕まえられるままに、しておいた。

小説家のわたし、離婚と手術を経たアン、そして作詞家のカズ。
カリフォルニアのアパートメンツで子ども時代を過ごした友人たちは、
半世紀ほどの後、東京で再会した。
積み重なった時間、経験、恋の思い出。
それぞれの人生が、あらたに交わり、移ろっていく。

じわり、たゆたうように心に届く大人の愛の物語。

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川上弘美(かわかみ・ひろみ)

1958年生まれ。94年「神様」で第1回パスカル短篇文学新人賞を受賞。96年「蛇を踏む」で第115回芥川龍之介賞、99年『神様』(中央公論新社)で第9回紫式部文学賞と第9回Bunkamuraドゥマゴ文学賞、2000年『溺レる』(文藝春秋)で第11回伊藤整文学賞と第39回女流文学賞、01年『センセイの鞄』(平凡社)で第37回谷崎潤一郎賞、07年『真鶴』(文藝春秋)で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『水声』(文藝春秋)で第66回読売文学賞、16年『大きな鳥にさらわれないよう』(講談社)で第44回泉鏡花文学賞を受賞。
他の著書に『ニシノユキヒコの恋と冒険』(新潮社)、『ハヅキさんのこと』(講談社)、『風花』(集英社)、『どこから行っても遠い町』(新潮社)、『神様 2011』(講談社)、『七夜物語』(朝日新聞出版)、『なめらかで熱くて甘苦しくて』(新潮社)、『森へ行きましょう』(日本経済新聞出版社)、『某』(幻冬舎)、『三度目の恋』(中央公論新社)などがある。

(写真=森 清)

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多和田葉子さんの『太陽諸島』(「群像」連載)が第77回毎日出版文化賞<文学・芸術部門>を受賞しました!

『太陽諸島』(講談社2022年10月刊)
世界文学の旗手が紡ぐ、初の連作長篇三部作、完結!
響きあう言葉とともに地球を旅する仲間たちの行方は――。国境を越えて人と人をつなぐ、新しい時代の神話

ヨーロッパで移民として生きるため、自家製の言語「パンスカ」をつくり出したHirukoは、消えてしまった故郷の島国を探して、仲間たちと共に船の旅に出る。一行を乗せた船はコペンハーゲンからバルト海を東へ進むが、沿岸の港町では次々と謎めいた人物が乗り込んできて――。

言葉で結びついた仲間たちの、時空を超えた出会いと冒険を描く、多和田葉子の新たな代表作。

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多和田葉子(たわだ・ようこ)

小説家、詩人。1960年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ハンブルク大学大学院修士課程修了。文学博士(チューリッヒ大学)。1982年よりドイツに在住し、日本語とドイツ語で作品を手がける。1991年『かかとを失くして』で群像新人文学賞、1993年『犬婿入り』で芥川賞、2000年『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花文学賞、2002年『球形時間』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、2003年『容疑者の夜行列車』で伊藤整文学賞、谷崎潤一郎賞、2005年にゲーテ・メダル、2009年に早稲田大学坪内逍遙大賞、2011年『尼僧とキューピッドの弓』で紫式部文学賞、『雪の練習生』で野間文芸賞、2013年『雲をつかむ話』で読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。2016年にドイツのクライスト賞を日本人で初めて受賞し、2018年『献灯使』で全米図書賞翻訳文学部門、2020年朝日賞など受賞多数。著書に『ゴットハルト鉄道』『飛魂』『エクソフォニー 母語の外へ出る旅』『旅をする裸の眼』『ボルドーの義兄』『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』などがある。2023年11月、『太陽諸島』(講談社)で第77回毎日出版文化賞を受賞。

(写真=Elena Giannoulis)

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井戸川射子さんの「この世の喜びよ(「群像」2022年7月号掲載)が、第168回芥川賞を受賞しました!

『この世の喜びよ』(講談社2022年11月刊)

思い出すことは、世界に出会い直すこと。静かな感動を呼ぶ傑作小説集。

娘たちが幼い頃、よく一緒に過ごした近所のショッピングセンター。その喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼びさましていく芥川賞受賞作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。

ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。

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井戸川射子(いどがわ・いこ)

1987年生まれ。関西学院大学社会学部卒業。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。2019年、同詩集にて第24回中原中也賞を受賞。2021年、小説集『ここはとても速い川』で第43回野間文芸新人賞受賞。著書に『する、されるユートピア』(青土社)、『ここはとても速い川』(講談社)、詩集『遠景』(思潮社)がある。2023年、『この世の喜びよ』(講談社)で第168回芥川賞を受賞。

書籍書影
レンマ学
中沢新一
2019年
8月8日発売
書籍書影
窓の外を見てください
片岡義男
2019年
7月24日発売
書籍書影
掃除婦のための手引き書
ルシア・ベルリン 岸本佐知子・訳
2019年
7月10日発売
書籍書影
川っぺりムコリッタ
荻上直子
2019年
6月27日発売