群像2024年1月号

【新連載】阿部和重 原武史



【コラボ連載 往復書簡】釈徹宗×若松英輔 【『なれのはて』『列』 W刊行記念対談】加藤シゲアキ×中村文則


【野間文芸賞・野間文芸新人賞発表】川上弘美 朝比奈秋 九段理江 【特別対談】川上弘美×宮田毬栄


【ロングインタビュー】東浩紀


【創作】草野理恵子 【批評】安藤礼二 【論点】波戸岡景太


【最終回】宇野常寛

群像2024年1月号12月7日発売)
特別定価1500円:A5版

【新連載】阿部和重 原武史


阿部和重さんの新連載「Wet Affairs Leaking」。まさに「戦時下のいま」を映し出す長篇連載のスタートです。原武史さんの新連載が「日吉アカデミア一九七六」。「慶應義塾」についてあらためて考えていたことがこの連載に結実しました。

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阿部和重さん「Wet Affairs Leaking」

あのことを隠しながら作戦を成功できるのか……。特別準軍事作戦に当たるロシア人工作員ワジム・オルロフの思考は加速していく。混迷する現代世界を映し出す、待望の長篇新連載。

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原武史さん「日吉アカデミア一九七六」

「慶應義塾との最初の出会いがここにあった」。連載から一七年、あの『滝山コミューン一九七四』の続篇が始まる。

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【コラボ連載 往復書簡】釈徹宗×若松英輔 【『なれのはて』『列』 W刊行記念対談】加藤シゲアキ×中村文則

講談社現代新書編集部とのコラボ連載が始まります。「現代新書Web」での釈徹宗さんと若松英輔による往復書簡「『宗教の本質』とは?」が、「群像」にお引越ししました。本誌初登場となる加藤シゲアキさんの最新作『なれのはて』と、中村文則さんの最新作『列』、2冊の力作をめぐって、旧知のふたりが小説について存分に語りつくすW刊行記念対談です。

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釈徹宗さん×若松英輔さん「『宗教の本質』とは? 1 新たな自分が誕生する『名づけ』」

「ちょっとウダウダしながら、かつ深く、かつ真摯に」ふたりが語り合う、講談社現代新書編集部とのコラボ連載。

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加藤シゲアキさん×中村文則さん「いま小説を書くこと」

小説は時代性を帯びる。現代において、書くことにまっすぐ向き合う。

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【野間文芸賞・野間文芸新人賞発表】川上弘美 朝比奈秋 九段理江 【特別対談】川上弘美×宮田毬栄

第76回野間文芸賞は川上弘美さん『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』に、第45回野間文芸新人賞は朝比奈秋さん『あなたの燃える左手で』九段理江さん「しをかくうま」に決定しました。おめでとうございます。本年の野間文芸賞を受賞された川上弘美さんと最初の担当編集者である宮田毬栄さんの特別対談もぜひご覧ください。

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川上弘美さん×宮田毬栄さん「小説、この不確かなもの」

小説はその時々のすべてを投げ入れなければ書けない。川上弘美が読み/書き、変容し続けてきた三〇年を最初の担当編集者と語る。

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【ロングインタビュー】東浩紀

『訂正可能性の哲学』を刊行した東浩紀さんに、本誌連載「国家と批評」でもおなじみの大澤聡さんが聞き手として迫った、充実のロングインタビュー。

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東浩紀さん(聞き手:大澤聡さん)「批評=楽しさをもとめて。東浩紀の二十五年」

読むのが楽しい、考えるのが楽しい、書くのが楽しい。『存在論的、郵便的』から四半世紀、過去の著作を重層的に読み替え、次作へとつなぎ、体系化していく仕事の根底にあるもの。

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【創作】草野理恵子 【批評】安藤礼二 【論点】波戸岡景太

創作は草野理恵子さん「名前を呼ぶ」、批評は安藤礼二さん「空海」、「論点」は波戸岡景太さんにお願いしました。高山羽根子さんの不定期エッセイ「いま、球場にいます」。日本だけではない野球のおもしろさを伝えていただいています。

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草野理恵子さん「名前を呼ぶ」

亡くなった父の日記帳には、僕の行く末、僕の伴侶についての悩みが書いてあった。「人間」じゃないんだよ、お父さん。小さく焼け残った彼女を、僕はひと時も離さないと決めたんだ。

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安藤礼二さん「空海」

空海はなぜ「高野」を終焉の地に選んだのか。「入定留身」信仰の核に迫る。

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波戸岡景太さん「ナラティブと言う勿れ——戦時下にスーザン・ソンタグと久能整を想うこと」

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高山羽根子さん「いま、球場にいます」

大の野球ファンである著者が訪れたのは、アジア競技大会が開催された中国であった。球場と野球をとりまく風土と景色に思いを馳せ、今年の野球のことを振り返る。

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【最終回】宇野常寛

宇野常寛さん「庭の話」が最終回を迎えています。「本の名刺」は、最相葉月さん、鈴木涼美さん、沼田真佑さん、森合正範さんです。

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宇野常寛さん「庭の話18」

人間には「家」だけではなく「庭」も必要なのだ。孤独に世界に触れられる回路をつくる「庭プロジェクト」の全貌があきらかになる。

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最相葉月さん「本の名刺」/『中井久夫 人と仕事』

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鈴木涼美さん「本の名刺」/『トラディション』

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沼田真佑さん「本の名刺」/『幻日/木山の話』

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森合正範さん「本の名刺」/『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』

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Whats New

井戸川射子さんの「この世の喜びよ(「群像」2022年7月号掲載)が、第168回芥川賞を受賞しました!

『この世の喜びよ』(講談社2022年11月刊)

思い出すことは、世界に出会い直すこと。静かな感動を呼ぶ傑作小説集。

娘たちが幼い頃、よく一緒に過ごした近所のショッピングセンター。その喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼びさましていく芥川賞受賞作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。

ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。

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井戸川射子(いどがわ・いこ)

1987年生まれ。関西学院大学社会学部卒業。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。2019年、同詩集にて第24回中原中也賞を受賞。2021年、小説集『ここはとても速い川』で第43回野間文芸新人賞受賞。著書に『する、されるユートピア』(青土社)、『ここはとても速い川』(講談社)、詩集『遠景』(思潮社)がある。2023年、『この世の喜びよ』(講談社)で第168回芥川賞を受賞。

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松浦理英子さんの『ヒカリ文集』が第75回野間文芸賞を受賞しました!

『ヒカリ文集』(講談社2022年2月刊)

二年前、東北で横死した劇作家兼演出家の破月悠高。妻の久代がその未完成の遺作を発見した。学生時代に夫妻も所属していた劇団NTRをモデルにしたその戯曲を読んだ久代は、同じく劇団員だった鷹野裕に声を掛ける。「裕、あの戯曲の続き書かない?」
相談の結果、元劇団員たちがそれぞれ好きな形式で文章を寄せることになった。作品集のタイトルは「ヒカリ文集」。劇団のマドンナであり、あるとき姿を消してしまった不思議な魅力を持った女性、賀集ヒカリの思い出が描かれてゆく。
『親指Pの修業時代』『犬身』『最愛の子ども』……そして新たな傑作が誕生!

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松浦理英子(まつうら・りえこ)

作家。1958年、愛媛県松山市生まれ。青山学院大学文学部卒業。1978年「葬儀の日」で第47回文學界新人賞を受賞しデビュー。94年『親指Pの修業時代』で第33回女流文学賞、2008年『犬身』で第59回読売文学賞、17年『最愛の子ども』で第45回泉鏡花文学賞を受賞。他の著書に『セバスチャン』(文藝春秋)、『ナチュラル・ウーマン』(トレヴィル)、『裏ヴァージョン』(筑摩書房)、『奇貨』(新潮社)などがある。

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町屋良平さんの『ほんのこども』が第44回野間文芸新人賞を受賞しました!

『ほんのこども』(講談社2021年11月刊)

横溢する暴力と身体、無垢なる魂の軌跡。「やさしく恋するみたいに他の人体を壊す」
元同級生あべくんからのメールにあった文章から着想したシーンをつないで、商業作家はあべくん自身の人生を小説にしようとする。父による母殺傷事件、両親がころしころされていたあべくんはやさしく恋するみたいに他の人体を壊す。殴られても反発するようによろこぶ身体。やさしさや暴力で愛撫し合い痛みをこらえるようによろこぶ身体。物語にかえろうとするから人生はつらく、日常が重すぎてひとをころしたくなる。恋人をころして自分も死んだところで折り返し、あべくんの物語は無限に再生を繰り返す。小説家があべくんなのかあべくんがかれなのか、やがてふたりの境界は曖昧になり、問い自体が意味を失う。

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町屋良平(まちや・りょうへい)

1983年、東京都生まれ。2016年、『青が破れる』で第53回文藝賞を受賞。2019年、『1R1分34秒』で第160回芥川龍之介賞を受賞。

書籍書影
レンマ学
中沢新一
2019年
8月8日発売
書籍書影
窓の外を見てください
片岡義男
2019年
7月24日発売
書籍書影
掃除婦のための手引き書
ルシア・ベルリン 岸本佐知子・訳
2019年
7月10日発売
書籍書影
川っぺりムコリッタ
荻上直子
2019年
6月27日発売