群像2024年3月号(2月7日発売)
特別定価1500円
【創作】長野まゆみ 【連作】柴崎友香 【中篇一挙】松永K三蔵 | |
巻頭の、長野まゆみさんの創作「ルカとチカ」は《ルカチカ姉妹》として出店するふたりのお話。連作になっていく予定です。柴崎友香さんの連作「帰れない探偵」は第9回「空港にて」。群像新人文学賞優秀作受賞第一作となる松永K三蔵さんの中篇「バリ山行」にもご注目ください。 *** 長野まゆみさん「ルカとチカ」 《ルカチカ姉妹》としてクラフト系のイベントに参加したぼくたちは、テントをシェアする隣人から声をかけられる。「つぎは家のトイレへ案内するわ」――。 *** 柴崎友香さん「帰れない探偵 空港にて」 帰れない場所だけが、増えていく――探偵は空港で内部調査を命じられる。 *** 松永K三蔵さん「バリ山行」 道とは言えない山道をひとりゆくその人の思いはどこにあるのだろう。やり過ごす毎日に追われながら、波多はふと妻鹿さんのことを考える。群像新人文学賞優秀作受賞第一作。 *** |
【新連載】鹿島茂 武田砂鉄 宮内悠介 | |
三つの連載、鹿島茂さん「第ゼロ次世界大戦」、武田砂鉄さん「誰もわかってくれない――なぜ書くのか」、宮内悠介さん「デビュー前の日記たち」が新たに始まります。それぞれの、「過去/歴史」や「書くこと」についての文章たちをお楽しみください。 *** 鹿島茂さん「第ゼロ次世界大戦」 現在に続く世界史の決定的なターニング・ポイントにして、忘れられた世界戦争――七年戦争。激動の18世紀をかつてない視野で描き出す、壮大なグローバル・ヒストリーの開幕。 *** 武田砂鉄さん「誰もわかってくれない――なぜ書くのか」 この10年、ずっと書いている。「書くこと」をめぐる現在地を指し示すものとなることを目指して、書き始めてみる。 *** 宮内悠介さん「デビュー前の日記たち」 なぜかまとめて取ってあった、10年以上前に書いていたブログや日記のバックアップ。「いま」と「あの頃」を往還することで浮かびあがってくる「時代の精神」。 *** |
【小特集・蓮實重彥】【インタビュー】【批評】蓮實重彥 | |
蓮實重彥さんの小特集は、「ミシェル・フーコー『The Japan Lectures』をめぐるインタビュー」と「散文は生まれたばかりのものである――『ボヴァリー夫人』のテクストに挿入された「余白」についての考察」の二本立てでお届けします。お見逃しなく。 *** 蓮實重彥さん「ミシェル・フーコー『The Japan Lectures』をめぐるインタビュー」 70年代の日本知識人との対話などをまとめた『The Japan Lectures』が刊行された。フーコーは日本といかに出会ったのか。 *** 蓮實重彥さん「散文は生まれたばかりのものである――『ボヴァリー夫人』のテクストに挿入された「余白」についての考察」 小説と呼ばれる散文のテクストの孤児性、そして『ボヴァリー夫人』の「多数の余白」の謎に迫る。フローベール生誕200年を迎えての記念国際シンポジウムの講演を初活字化。 *** |
【特別寄稿】平野啓一郎 劉争+片岡大右 | |
特別寄稿を二本いただいています。まずは、平野啓一郎さん「記憶への声、記憶からの声――大江健三郎、瀬戸内寂聴、東アジア文学交流とAI時代の文学」。平野さんによるふたりの先達への想いと、中日(日中)青年作家会議における基調講演も必読です。特別寄稿の二つ目、劉争さんと片岡大右さん「坂本龍一と中国の時間――成都での回顧展を機に」は、中国での坂本龍一の受容や軌跡に焦点があてられています。 *** 平野啓一郎さん「記憶への声、記憶からの声――大江健三郎、瀬戸内寂聴、東アジア文学交流とAI時代の文学」 中日(日中)青年作家会議で中国を訪れた著者は、ふたりの先達を思い起こす。「AIと文学」を考えるうえでも必読の基調講演「読者はそれでも、人間が書いた小説を読み続ける」も収録。 *** 劉争さん+片岡大右さん「坂本龍一と中国の時間――成都での回顧展を機に」 文革後の1980年代に成長した少女の耳に、YMOの楽曲はいかに響いたのか。活動の初期から中国に惹きつけられた坂本龍一の軌跡。 *** |
【New Manual】朝吹真理子 【解説】吉川浩満 【article】林央子 【本の名刺】小砂川チト 町田康 【最終回】東辻賢治郎 | |
New Manualに朝吹真理子さんが登場。加藤典洋さん『人類が永遠に続くのではないとしたら』の講談社文芸文庫化に際して、吉川浩満さんによる解説「特別な一冊」を転載しています。林央子さんの「拡張するファッション」レポートを「article」で。「レビュー」では桜木紫乃さんに、まもなく公開される三島有紀子監督の映画「一月の声に歓びを刻め」を取り上げていただきました。東辻賢治郎さん「地図とその分身たち」が最終回を迎えています。今月の「本の名刺」は、小砂川チトさん『猿の戴冠式』、町田康さん『入門 山頭火』。 *** 朝吹真理子さん「ぼろ」 あたるが気に入って穿いているジーンズは擦り切れていて、繕ったあとがある。そうやって手当をしながら、15年以上ずっと持っている。 *** 吉川浩満さん「特別な一冊」 いま、読んでほしい。「君と世界の戦い」に参入するために。文芸文庫化する、加藤典洋『人類が永遠に続くのではないとしたら』解説を転載。 *** 林央子さん「拡張するファッション 2024」 ファッションの主体性はどこにあるのか? ルールからはみ出して、実践を重ねてきた著者による「拡張するファッション」のレポート。 *** 小砂川チトさん「本の名刺」/『猿の戴冠式』 町田康さん「本の名刺」/『入門 山頭火』 *** 東辻賢治郎さん「地図とその分身たち」 主題が名前を失うときにふと私たちの視界を覆うもの。それは紙や布地や壁面の手触り、テクスチュア、肌理などといわれるものに似ている。私はそんなものに惹かれてきた――。地図をめぐる思考、最終章。 *** |
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