群像2023年5月号(4月7日発売)
特別定価1590円
【新連載】松浦寿輝 青葉市子 【特集】川上未映子 【追悼】大江健三郎 | |
新連載が2本始まります。退屈な議題が粛々と進行する会議の間中、わたしの脳裡にはどこかの河川敷の光景がちらちらと明滅しつづけていた――。(松浦寿輝「B」)
時空を超えたあらゆる瞬間のなかで、小さな生命のまたたきを言祝ぐ。悠久をたたえる世界にふれた指先のゆくえ。(青葉市子「星沙たち、」)
最新作『黄色い家』を軸に川上未映子の文学世界を内/外から解剖する、特集・川上未映子を組んでいます。ロングインタビュー「エクストリームで個人的なものとしての文学」、聞き手は大澤聡さん。書評は小澤英実さん「間違える生の彩り――川上未映子『黄色い家』について」。「ニューヨーカー」と「ニューヨークタイムズマガジン」に掲載された記事、メルヴェ・エムレ「実社会という学校 いじめとニーチェの物語『ヘヴン』」を上田麻由子さんに、ジョシュア・ハント「『Breasts and Eggs』でフェミニスト・アイコンとなった川上未映子。彼女にはさらなる野望がある。」を小澤身和子さんに、それぞれ翻訳していただきました。
大江健三郎さんが逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げます。以下15名の方に追悼文を、奥山紗英さんには追悼詩をご寄稿いただきました。いずれも大江さんや大江作品を通した自画像ともとれるようなすばらしい文章です。ありがとうございます。
|
【創作】川上弘美 石田夏穂 【批評】安藤礼二 【対談】SIRUP×竹田ダニエル | |
退院してまもないカズの家に、手羽先と野菜のスープを作りに行った。ワンルームに漂う匂い、春の微睡み。本作を含めた作品集は、今年単行本化予定です。(川上弘美「栃木に飛んでいく」)
溶接工のエースだった伊東は、工場でのミスがもとで解体現場に飛ばされる。著者の新たな地平を拓く職人小説。中篇一挙掲載です。(石田夏穂「我が手の太陽」)
最澄と徳一の論争をふまえ、空海は「無限」の存在を有限の存在のなかに内在化させていく。(安藤礼二「空海」)
代弁者ではなく、ひとりのひととして発した声(世界にさわって、感じて、考えること)が、ゆっくりと世界の輪郭を伝って震わす、等身大の語らい。シンガーソングライターのSIRUPさんと、単行本『世界と私のAtoZ』が話題の竹田ダニエルさんによる対談「私たちにとっての音楽、言葉、世界」。 |
【刊行記念】松村圭一郎 【article】浅田智穂 | |
松村圭一郎さん『旋回する人類学』の単行本化にあわせて、松村さんのエッセイ「人類学の現在地」と猪瀬浩平さんのロング書評「右往左往する人類学、ダンスする人類学」をお送りします。
articleは浅田智穂さんの「安心で安全な撮影のためにできること インティマシーコーディネーターの役割」。 |
【本の名刺】稲泉連 木村紅美 鴻上尚史 千葉一幹 【レポ漫画】増村十七 | |
本の名刺は稲泉連さん『サーカスの子』、木村紅美さん『夜のだれかの岸辺』、鴻上尚史さん『愛媛県新居浜市上原一丁目三番地』、千葉一幹さん『失格でもいいじゃないの 太宰治の罪と愛』。
NHK Eテレ「100分de名著」とのコラボ企画、増村十七さんのレポ漫画「100分de名言を求めて」が久々に戻ってきました。今月は若松英輔さんによる、キリスト者ではない人にこそ読んでほしい『新約聖書 福音書』。本誌連載を単行本化した『藍色の福音』とあわせてぜひ。 |
【最終回】阿部公彦 高原到 皆川博子 二◯世紀鼎談 | |
以下4本の連載が最終回を迎えました。
常に失敗や後悔がつきまとい、絶対的で、じつに手強くうっとうしい。それでも私たちが事務を愛してやまないのはなぜなのか。(阿部公彦「事務に狂う人々」)
敗戦によるねじれから行き場を失った日本人の「復讐心」は、新たな希望を見出せるのだろうか。(高原到「復讐戦のかなたへ――安倍元首相銃殺事件と戦後日本の陥穽」)
皆川館長が耽読した本を集めた「図書館」は休館し、読者の皆さんの中にいったん場所を移します。(皆川博子「辺境図書館」)
圧倒的な膨大さと多様さ/地理的・言語的、ジェンダー的な越境性/脱中心化/商品性……世界文学をめぐるさまざまな問いを検討する。連続討議が堂々完結。(松浦寿輝×沼野充義×田中純「二〇世紀の思想・文学・芸術〔12〕〈世界文学〉のために」) |
〈新連載〉
〈創作〉
〈特集・川上未映子〉〈ロングインタビュー〉
〈書評〉
〈翻訳記事〉
〈追悼・大江健三郎〉
〈中篇一挙〉
〈批評〉
〈対談〉
〈刊行記念〉〈特別エッセイ〉
〈書評〉
〈article〉
〈本の名刺〉
〈レポ漫画〉
〈最終回〉
|
〈連載〉
〈随筆〉
〈書評〉
|