群像2023年3月号(2月7日発売)
特別定価1590円
【新連載】羽田圭介 小川公代 【芥川賞受賞記念】井戸川射子 | |
マスコミの過剰な配慮、SNSでの誹謗中傷、敬語を使う暴力男。彼らはなぜ自分の「正しさ」を疑わないのか。抑制された筆致で現代の〝タブー〟に切りこむ渾身作。(羽田圭介「タブー・トラック」)
好奇心のおもむくまま、心が躍動するままなにかに夢中になることの素晴らしさ。野上弥生子と彼女の文学作品を手がかりに、これまでの、そしてこれからの「女たち」が辿る道を照らしだす。生の輝ける瞬間を言祝ぐ、新連載評論。(小川公代「翔ぶ女たち」)
『この世の喜びよ』で第168回芥川賞を受賞した著者の小特集。受賞第一作となる詩と短篇をお届けする。(井戸川射子「それは永遠でない、もっとすごい」)
出会わなかったはずのふたりが出会う、ひとり言のように出ていく声が交わる。四方八方の鳴き声、しんと静かな家、ヘッドホンに響くエレクトーンの音―ここに世界が立ち上がる。(井戸川射子「野鳥園」) |
【創作】川上弘美 くどうれいん 畠山丑雄 【批評】小峰ひずみ 高原到 | |
シルバーシートに並んで座ることを断られたので、わたしとカズは向かい合わせで電車に揺られている。今日はカズの、捨てにくいけれど捨てたいものを、一緒に捨てに行くのだ。(川上弘美「山羊は、いなかった」)
「いってくるね」「あ、春奈」「ん」「きょう、迎えに行こうか」「え、どうしたの」今夜がどうなってしまうのか、ぼくにはわからない。(くどうれいん「湯気」)
惟喬親王が隠棲していたとされる山あいの町に配属された私は、いつしか町の夢に取りこまれていく。(畠山丑雄「改元」)
お笑い芸人の闘いは、日本語内部でのポピュリズムとして描かれていた――。前衛的コミュニケーションの基盤にあるべき〈快楽〉について問う、自己批評的試論。群像新人評論賞受賞第一作。(小峰ひずみ「大阪(弁)の反逆 お笑いとポピュリズム)
戦後文化史のなかで日本人の復讐心はどのように描かれてきたのか。小説、漫画、アニメを軸に、彼ら/彼女らの軌跡を追う。(高原到「「半人間」たちの復讐 巨人たちは屍の街を進撃するか?) |
【ノンフィクション】稲泉連 【対談】國分功一郎×宇野常寛 とあるアラ子×藤野可織 | |
大天幕の中に入ると、そこは夢の世界だった―。丸盆の上で繰り広げられる煌びやかな舞台、旅を日常とする芸人たち。失われた「サーカスの世界」を甦らせる、私的ノンフィクション。(稲泉連「サーカスの子」)
いや応なく生じてしまう目的をどう解毒するか。解毒されたその先にあるものとは。(國分功一郎×宇野常寛「目的とゲームの「外部」へ」)
たいしたことないわけがない!「小さな攻撃」が生み出す傷。私たちが漫画や小説から掬いとったものとは、なんだったのか。『青木きららのちょっとした冒険』刊行記念対談。(とあるアラ子×藤野可織「ルッキズムが溶け込んだ「まあまあ最悪なこの世界」を考える」) |
【追悼】【磯崎新】田中純 【吉田喜重】舩橋淳 【渡辺京二】池澤夏樹 田尻久子 | |
磯崎新さん、吉田喜重さん、渡辺京二さんが逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げます。追悼文を4本お寄せいただきました。田中純さん「見えない建築へ」、舩橋淳さん「吉田喜重、映像のエティカ」、池澤夏樹さん「渡辺京二さんを見送る」と田尻久子さん「旅の仲間」です。 |
【論点】岩川ありさ 河南瑠莉 【article】田口幹人 【コラボ連載】松田智裕 | |
論点は2本。岩川ありささん「養生する言葉」、河南瑠莉さん「空っぽの「正義」の彼方で、どのような「連帯」が可能なのか」。
articleは、元書店員で今は未来読書研究所代表をつとめる田口幹人さんに「これからの読者のために」をお書きいただきました。
現代新書編集部とのコラボ連載「SEEDS」、今月は松田智裕さん「読むことのリアリティ」です。 |
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