群像2023年1月号(12月7日発売)
特別定価1550円
【創作】木村紅美 井戸川射子 草野理恵子 沼田真佑 | |
巻頭は、先日『あなたに安全な人』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞した木村紅美さんによる「夜のだれかの岸辺」一挙掲載。十九の春、私はあたらしい仕事を始めた。毎晩、添い寝してほしい、ついでにごはんもいっしょに食べてほしい、一回三千円あげる――。それが雇い主ソヨミさんの条件だった。
短篇は3本です。先月詩をご寄稿いただいた井戸川射子さん「共に明るい」。バスにいる全員に向けたような言い方だった。前から三列目に座っていた女が、中央の通路に立って話している。
2022年11月号のエッセイ「美しい元素」が話題になった草野理恵子さん「島と君と犬そして兄」。〈僕は舟に乗って逃げる 大きな魚と小さな魚を連れて〉。ゆるやかに波うち、毒針を隠し持つ言葉を丸ごとのみこんで。
木山シリーズ最新作、沼田真佑さん「カタリナ」。頭の奥深いところにできた染みをちらすために、作家の木山は音楽を鼓膜へ流しこむ。 |
【小特集・山田詠美】山田詠美 石戸 諭 清水良典 長瀬 海 【小特集・多和田葉子】多和田葉子 小澤英実 松永美穂 | |
今月はふたつの豪華な小特集を企図。自伝小説『私のことだま漂流記』の刊行にあわせた「小特集・山田詠美」。石戸 諭さんが聞き手となった山田詠美さんインタビュー「「小説家」という異形の生き物」と、清水良典さん「「ふるさと」からの旅路」、長瀬海さん「愛に生きて行く小説家」の書評二本です。
三部作完結篇『太陽諸島』刊行にあわせた「小特集・多和田葉子」。小澤英実さんが聞き手の多和田葉子さんインタビュー「歴史の詰まった海、喚起される記憶」と、松永美穂さんの書評「国境なき船旅、幻の故郷と饒舌な旅人たち」。 |
【短期集中新連載】高原 到 【対談】斎藤幸平×竹田ダニエル 【評論】若松英輔 | |
戦争の本質にある「憎しみの連鎖」が日本で断ち切られたのはなぜか。ベストセラー小説を導きの糸にして、日本の戦後を問う短期集中新連載がスタート。(高原 到「二つの戦争のはざまで――『同志少女よ、敵を撃て』とウクライナ戦争」)
経済思想家の斎藤幸平さんと、本誌連載「世界と私のAtoZ」が単行本化された竹田ダニエルさんによる「Z世代」をめぐる対談「「Z世代」の革命のかたち」。ネットとリアルの狭間で、絶望の時代を破り抜いて生きていく、Z世代の向かう先は。
感情と情念、「利」の概念を通じて「怒り」について考える。私たちはどのように向き合うことができるのか。(若松英輔「怒りについて」) |
【野間文芸賞/野間文芸新人賞】松浦理英子 町屋良平 【論点】戸谷洋志 福永 信 | |
75回野間文芸賞は松浦理英子さん『ヒカリ文集』に、第44回野間文芸新人賞は町屋良平さん『ほんのこども』に決定しました。受賞のことばと選評を掲載しています。
論点は戸谷洋志さんによる「「退席する自由」の尊重――哲学対話再考」と福永 信さんによる「ファーレ立川の岡﨑乾二郎作品撤去とパブリックアートの未来」。 |
【エッセイ】水戸部功 【レビュー】藤井仁子 | |
故・菊地信義さんの講談社文芸文庫でのお仕事をまとめた『装幀百花 菊地信義のデザイン』が刊行されます。編集した水戸部功さんの巻末解説「グーテンベルクの夢」を転載しています。
今号から不定期で始める「レビュー」。今回は藤井仁子さんによる「ゴングなき戦い――『ケイコ 目を澄ませて』讃」。 |
〈中篇一挙掲載〉
〈創作〉
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〈随筆〉
〈書評〉
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