群像2022年9月号(8月5日発売)
特別定価1550円
【特集】松浦寿輝 高山羽根子 工藤庸子 石沢麻依 松永美穂 大川史織 庭田杏珠 | |
毎年戦争について考えている9月号の、今年の特集は「戦争の記憶、現在」です。
戦争が勃発し、きな臭い予感が立ちこめていた災厄の時代の始まり。だれもがそれに気づかないふりをし、安逸と享楽に溺れていたあの頃―戦争の時代に文学は何ができるのか。(松浦寿輝「香港陥落――Side B」)
祖父の死をきっかけに台湾の葬儀に出ることになった私は、生者と死者のあわいを見つめ直す旅に出る。(高山羽根子「パレードのシステム」)
大江作品のリ・リーディングから導かれた、一九四五年の「敗戦」を「文学」によりそい思考する試み。(工藤庸子「文学ノート・大江健三郎 Ⅰ敗戦と小説について――大岡昇平×大江健三郎」)
破壊された痕跡が奥深く残るイェーナの街が戦争の記憶を呼び起こす。(石沢麻依「蝶と蝶捕り人の変奏するイメージ」)
空襲の記憶を言葉に、文学にとどめることはできなかったのだろうか。『空襲と文学』から戦後の立ち位置を模索する。(松永美穂「ゼーバルトと戦争の記憶」)
戦争、核実験、ミサイル、気候変動……。大日本帝国の統治下にあったマーシャル諸島。この島に堆積した幾層もの記憶が掘りかえされるとき、世界は核戦争に突入しているのだろうか。(大川史織「Tの家があるところ」)
広島に生まれた者の使命として、被爆者の「想い・記憶」を受け継ぎ伝えていきたい。「記憶の解凍」プロジェクトを軸に、平和教育の教育空間への探究をつづける著者が未来につなぐバトン。(庭田杏珠「「記憶の解凍」でつながる未来」) |
【創作】川上弘美 長島有里枝 町田 康 | |
庭に大きな桜の木があるユリアと杉生の家に、朝見と中野は新しい壺を見に行くことになった。(川上弘美「水でぬらすと甘い匂いがする」)
PBの死からしばらくして、玄関灯が消えた家に帰るようになると、睦は小さな疎外感を覚える。(長島有里枝「灯台と羽虫」)
兄と弟、どっちが可愛い? 帝位をめぐって再び争いが始まる。(町田 康「応神天皇」) |
【芥川賞受賞記念エッセイ】高瀬隼子 【小特集】今村夏子 江南亜美子 辛島デイヴィッド 瀧井朝世 平松洋子 | |
『おいしいごはんが食べられますように』で第167回芥川龍之介賞を受賞した高瀬隼子さんに、特別エッセイ「失われたおいしいごはん」をご寄稿いただきました。
本試連載を単行本化した今村夏子さんの『とんこつQ&A』刊行を記念して、小特集を組んでいます。今村さんのエッセイ「サクランボの家」と、江南亜美子さん、辛島デイヴィッドさん、瀧井朝世さん、平松洋子さんによる書評豪華4本立てです。 |
【刊行記念】藤原辰史×関口涼子 沼野恭子 | |
関口涼子さんの『ベイルート961時間(とそれに伴う321皿)』の刊行を記念して小特集を組んでいます。食を通して新たな社会の姿を探る、藤原辰史さんとの対談「「食を書く」こと」。沼野恭子さんに、書評「光に満ちたベイルートをめぐる魂の住まうテキスト」をご寄稿いただいています。 |
【ノンフィクション】稲泉 連 【最終回】小川公代 星野 太 | |
「サーカス」という共同体は、華やかな芸と人々の色濃い生活が同居する世界、いわば夢と現が混ざり合った場所だった――。かつて「サーカスの子供」だった著者が描く、失われた風景とその時代。(稲泉 連「ぼくらは大天幕を見ていた」)
小川公代さん「ケアする惑星」、星野 太さん「食客論」が最終回を迎えました。 |
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〈『とんこつQ&A』刊行記念小特集・今村夏子〉
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〈『ベイルート961時間(とそれに伴う321皿の料理)』刊行記念〉
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