群像2022年7月号(6月7日発売)
特別定価1500円
【創作】井戸川射子 尾久守侑 | |
幼い娘たちと過ごすために通ったショッピングセンター。そこの喪服売り場で働くあなたは、フードコートにずっと座っている少女が気になっている。(井戸川射子「この世の喜びよ」)
空想という世界線にワープして、わたしはいまを生き延びる。本当のわたしはどこにいるのだろう。(尾久守侑「天気予報士エミリ」) |
「論」の遠近法2022 | |
今年の「批評総特集」も様々な批評文が集まりました。宇野常寛の新連載「庭の話」。新著『力と交換様式』を書き終えた、柄谷行人によるエッセイ「社会科学から社会化学へ」ほか、入江哲朗「爽やかな人間中心主義 批評とポストヒューマニズム的思潮」、片岡大右「アジアの複数性をめぐる問い 加藤周一、ホー・ツーニェン、ユク・ホイの仕事をめぐって」、倉本さおり「「かれ」と「私」の彼岸 町屋良平『ほんのこども』論」、住本麻子「「とり乱し」の先、「出会い」がつくる条件 田中美津『いのちの女たちへ』論」、新田啓子「命のやすさ 依存者の詩学と不確かな生」、廣瀬純「Name Is Johnny…,Guitar. 蓮實重彦『ショットとは何か』論」、ベンジャミン・クリッツァー「「感情」と「理性」:けっきょくどちらが大切なのか? 」、水上文「我ら拷問者 松浦理英子論・試論」など力作批評、瀬戸夏子のエッセイ「我々は既にエミリー・ディキンソンではない」、そして『国家と批評』第Ⅰ部が完結した大澤聡のインタビュー(聞き手:宮田文久)「国家と批評と生活と」を掲載。 |
【対談】千葉雅也×三浦哲哉 | |
『現代思想入門』刊行記念対談。沙漠の時代に「現代思想」をいかに受け継ぐのか。(千葉雅也×三浦哲哉「人生のリゾーム的展開をめぐって」) |
【最終回】多和田葉子 | |
Hirukoが生まれ育った島国は、消えてしまったのか。バルト海の船旅の末に六人がたどり着いた答えとは――多和田葉子さんの連載小説「太陽諸島」がついに最終回。 |
【追悼】菊地信義 中山俊宏 | |
菊地信義さん、中山俊宏さんが逝去されました。水戸部功さん、池内恵さんに追悼文をいただいております。謹んでお悔やみを申し上げます。 |
〈創作〉
この世の喜びよ 井戸川射子
〈批評総特集 「論」の遠近法2022〉
〈新連載〉
庭の話 宇野常寛
〈批評〉
爽やかな人間中心主義 批評とポストヒューマニズム的思潮 入江哲朗
「感情」と「理性」:けっきょくどちらが大切なのか? ベンジャミン・クリッツァー
我ら拷問者 松浦理英子論・試論 水上 文
〈「国家と批評」第一部完結インタビュー〉
国家と批評と生活と 大澤 聡 聞き手:宮田文久
〈『現代思想入門』刊行記念対談〉
人生のリゾーム的展開をめぐって 千葉雅也×三浦哲哉
〈追悼・菊地信義〉
言葉と物 水戸部 功
〈追悼・中山俊宏〉
微かな響き合いの中に 池内 恵
〈論点〉
「正しい日本語」を越えて 「パートナーの呼び方」を自分で選ぶ 中村桃子
〈批評連作〉
空海 〔7〕 安藤礼二
(最終回〉
太陽諸島 〔10〕 多和田葉子
〈コラボ連載〉
SEEDS 現代新書のタネ〔6〕眠りの起源に迫る 金谷啓之
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〈連載〉
の、すべて〔6〕 古川日出男 事務に狂う人々〔2〕 阿部公彦
〈随筆〉
「コジモール?」 大川史織
〈書評〉
『無月の譜』松浦寿輝 中田健太郎
〈創作合評〉
「祝宴」温又柔
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