群像2022年6月号(5月7日発売)
特別定価1550円
第65回群像新人文学賞発表【当選作】小砂川チト 平沢 逸 | |
第65回群像新人文学賞は、2072篇の応募の中から小砂川チトさん「家庭用安心坑夫」、平沢逸さん「点滅するものの革命」の2作が当選作に選ばれました。お二人のデビュー作を、受賞の言葉、選評(柴崎友香・島田雅彦・古川日出男・町田康・松浦理英子)と合わせてぜひお読み下さい。 |
【創作】鴻上尚史 島口大樹 長島有里枝 【新連載】阿部公彦 | |
自分の部屋から眺めた屋上、受験勉強の合間の台所、仲間と集まった応接室――。父親が建てた緑の家がなくなる。僕はこの家の、僕たち家族の物語を書かなければならない。(鴻上尚史「愛媛県新居浜市上原一丁目三番地」) 「ねえ、覚えてる?」忘れていたことを思い出したときの、思い出そうとするときの、あの感覚。記憶をめぐる、愛をめぐる冒険。(島口大樹「遠い指先が触れて」) PBがいなくなってから、母の涙を見ない日は一日もない。樹木は母の悲しみに寄り添う方法を考えている。(長島有里枝「フィービーちゃんと僕」) これほど奇妙で、これほど私たちの生活と深くかかわるものがあるだろうか。「事務」の真相/深層に迫る連載がスタート。(阿部公彦「事務に狂う人々」) |
【対談】中島京子×川和田恵真 宇田智子×橋本倫史 | |
日本における難民受け入れ問題を扱った映画「マイスモールランド」を監督し、同タイトルの小説『マイスモールランド』を刊行した川和田恵真さんと、『やさしい猫』で吉川英治文学賞を受賞した中島京子さん。社会の不条理を「家族の物語」として紡ぐふたりの対話「見えない現実をフィクションで描く」。 『水納島再訪』を発表した橋本倫史さんと、「市場の古本屋ウララ」の宇田智子さんによる、風景や時間についての語らい「『水納島再訪』をめぐって」。2本の対談をお楽しみ下さい。 |
【批評】野崎 歓 【エッセイ】奈倉有里 【論点】奥野 斐 | |
野崎歓さんに、工藤庸子さん『大江健三郎と「晩年の仕事(レイト・ワーク)」』についての批評文をご寄稿いただきました。時代と社会の変動のなかで、今また新しい相貌を見せる大江文学とそのリーディングに迫ります。 『夕暮れに夜明けの歌を』が話題の奈倉有里さんに、エッセイ「クルミ世界の住人」をお書きいただきました。 今月の論点は、東京新聞の記者・奥野斐さんに、「家族観」の現在について論じていただいています。 |
【追悼】青山真治 【最終回】長野まゆみ | |
青山真治さんが逝去されました。阿部和重さんに追悼文をいただいております。謹んでお悔やみを申し上げます。 長野まゆみさん「ゴッホの犬と耳とひまわり」が最終回を迎えました。 |
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