群像2021年11月号(10月7日発売)
特別定価1450円
創刊75周年記念号②【短篇】筒井康隆「コロナ追分」 | |
3ヵ月連続でお届けしている「創刊75周年記念号」第2弾です。 第2弾の巻頭は、筒井康隆さんの短篇「コロナ追分」です。お前はどっちへお行きやる、ここはコロナの別れ道。生真面目を反骨精神で笑い飛ばす不謹慎文学! |
【新連作】柴崎友香「帰れない探偵」【中篇】舞城王太郎 須賀ケイ | |
柴崎友香さんの新連作小説がスタート! 「帰れない探偵」が通しタイトルで、3ヵ月おきの掲載予定です。 今年でデビュー20周年を迎えた舞城王太郎さんの中篇「ドアドアドアド」は、舞城ワールドの新境地。タイトル扉の文字や中の図は舞城さん直筆です。 須賀ケイさんの中篇「木の匙」は、「食」を通して人間を見つめる問題作です。 |
【短篇饗宴】上田岳弘 片岡義男 川上弘美 皆川博子 | |
影響力を有する者だけが人間に戻れる。ロボット未満の人間さん、君はどうかな?(上田岳弘「Automata」) 啓子が初めて訪れたバーには、姫百合が活けられ、カウンターの中にひとりの女性が座っていた。(片岡義男「花街のまんなか」) 「住所録だったんだよね」。十年ぶりに会ったマーヤは、前置きなしに語り始めた。(川上弘美「二番めに大切なものを賭ける」) 時間は死なない。死んだのはわたし。《わたし》は時間で形成されている。わたしはサンルームの籐椅子に凭れている。(皆川博子「針」) |
【批評】梶谷 懐 片岡大右 平石貴樹 森山 恵 | |
権威主義的国家の台頭は、民主主義の敗北をもたらすのか? 対話への試み。(梶谷 懐「政治制度と「文化」――新型コロナウィルスへの対応をめぐって」) 『鬼滅の刃』をケア、マザリング、エンパシーを通して見つめるとき、人間本性の核心が浮かび上がる。(片岡大右「『鬼滅の刃』とエンパシーの帝国」) ヨクナパトーファ・サーガ第一作を書きながら、若きフォークナーは何を発見したのか。(平石貴樹「愛することは学ぶことだから――『土にまみれた旗』を読む」) 90年前に誕生したウルフの傑作『波』が纏う水のイメージ、詩性とは。新訳版の訳者による詩的論考。(森山 恵「水のことば、詩のことば――ヴァージニア・ウルフ『波』を翻訳して」) |
【インタビュー】吉田修一 【シンポジウム】京都文学レジデンシー | |
作品集『オリンピックにふれる』を刊行した吉田修一さんのインタビュー「不定形な時代を描く」。過去を振り返ることで見えてくる「いま」の姿。聞き手は陣野俊史さんです。 藤野可織さん、谷崎由依さん、カルドネル佐枝さん、吉田恭子さん、澤西祐典さん(司会)で行われたシンポジウムの模様を掲載。「京都レジデンシー」の意義とヴィジョンとは。構成は江南亜美子さんです。 |
創刊75周年記念号②〈巻頭創作〉コロナ追分 筒井康隆〈創作〉〈新連載〉帰れない探偵 雨に歌えば 柴崎友香〈中篇一挙〉ドアドアドアド 舞城王太郎木の匙 須賀ケイ〈短篇饗宴〉Automata 上田岳弘花街のまんなか 片岡義男二番めに大切なものを賭ける 川上弘美針 皆川博子〈批評〉政治制度と「文化」――新型コロナウィルスへの対応をめぐって 梶谷 懐『鬼滅の刃』とエンパシーの帝国 片岡大右愛することは学ぶことだから――『土にまみれた旗』を読む 平石貴樹水のことば、詩のことば――ヴァージニア・ウルフ『波』を翻訳して 森山 恵〈インタビュー〉不定形な時代を描く――『オリンピックにふれる』刊行記念インタビュー 吉田修一 聞き手・陣野俊史〈シンポジウム〉京都文学レジデンシーとは何か 藤野可織 谷崎由依 カルドネル佐枝 吉田恭子 澤西祐典(司会) 江南亜美子(構成)〈論点〉ニュースとリテラシー 石戸 諭誰でもよいあなたへ――ジャン=リュック・ナンシーからの投壜通信 伊藤潤一郎署名をアップデートする――Change.orgのケースを通して 武村若葉〈追悼・色川大吉〉「民衆史」とそのゆくえ 大門正克〈コラボ連載〉DIG 現代新書クラシックス〔11〕創造の共同体 水越 伸 | 〈連載〉太陽諸島〔2〕 多和田葉子 新「古事記」an impossible story〔3〕 村田喜代子 はぐれんぼう〔16〕 青山七恵 ゴッホの犬と耳とひまわり〔22〕 長野まゆみ 鉄の胡蝶は記憶は夢に歳月に彫るか〔39〕 保坂和志 地図とその分身たち〔2〕 東辻賢治郎 ケアする惑星〔4〕 小川公代 食客論〔4〕 星野 太 世界と私のA to Z〔7〕 竹田ダニエル 言葉の展望台〔7〕 三木那由他 スマートな悪 技術と暴力について〔8〕 戸谷洋志 こんな日もある 競馬徒然草〔9〕 古井由吉 旋回する人類学〔9〕 松村圭一郎 ポエトリー・ドッグス〔10〕 斉藤 倫 マルクスる思考〔13〕 斎藤幸平 現代短歌ノート二冊目〔14〕 穂村 弘 日日是目分量〔15〕 くどうれいん Nの廻廊〔9〕 保阪正康 薄れゆく境界線 現代アメリカ小説探訪〔17〕 諏訪部浩一 歴史の屑拾い〔19〕 藤原辰史 「近過去」としての平成〔20〕 武田砂鉄 「ヤッター」の雰囲気〔20〕 星野概念 星占い的思考〔20〕 石井ゆかり 〈世界史〉の哲学〔137〕 大澤真幸 文芸文庫の風景〔11〕 大山 海 〈随筆〉引退 金子茂樹 在宅と在宅の狭間にて 杉本裕孝 残土と土壌 能作文徳 はまぐりの話 山家 望 〈書評〉『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』川本 直 山﨑修平 『カミュ伝』中条省平 田中未来 『ハロー、ユーラシア 21世紀「中華」圏の政治思想』福嶋亮大 木澤佐登志 〈創作合評〉「オオカミの」高橋源一郎 「皆のあらばしり」乗代雄介 「盗森のよる」早助よう子 高山羽根子×倉本さおり×矢野利裕 |