群像2021年9月号(8月6日発売)
特別定価1550円
【新連載】村田喜代子【中篇】李 龍徳【連作完結】松浦理英子 | |
巻頭は村田喜代子さんによる新連載「新「古事記」an impossible story」です。第二次大戦下のアメリカ、どの州にも属さない「Y地」と呼ばれる研究所がある街で物語が始まります。 李龍徳さんの中篇一挙掲載「石を黙らせて」は、野間文芸新人賞受賞後第一作。許されざる罪を犯した男を描く問題作です。 一昨年から不定期で掲載されてきた松浦理英子さんの連作「ヒカリ文集」がついに完結。劇団員6人が恋をしたヒカリとの日々を振り返る文集が、完成の時を迎えます。 |
【小特集「翻訳と」】ジョン・フリーマン 柴田元幸 阿部大樹 辛島デイヴィッド 斎藤真理子 関口涼子 築地正明 古市真由美 古屋美登里 行方昭夫 平石貴樹 | |
小特集「翻訳と」は、「群像」で論点やエッセイを発表してきたジョン・フリーマンさんの詩集『公園』から5篇を、柴田元幸さんが翻訳・解説した創作に始まり、阿部大樹さん、辛島デイヴィッドさん、斎藤真理子さん、関口涼子さん、築地正明さん、古市真由美さん、古屋美登里さんに翻訳にまつわる批評/エッセイを、結びは6月にヘンリー・ジェイムズ『ロデリック・ハドソン』を文芸文庫で新訳刊行した、翻訳歴60年の行方昭夫さんの、平石貴樹さん聞き手によるインタビューという充実のラインナップです。 |
【小特集「戦争の」】川崎 徹 木村朗子 久保田智子 諏訪部浩一 保阪正康 井上 亮 | |
小特集「戦争の」は、映画『日本のいちばん長い日』を軸にした川崎徹さんの創作「光の帝国」に、木村朗子さん、久保田智子さん、諏訪部浩一さんによる批評/エッセイが続きます。井上亮さん聞き手による保阪正康さんインタビューでは、「戦争」を中心に、半藤一利さんと立花隆さんについてお話しいただきました。 |
【芥川賞受賞記念】石沢麻依 | |
第64回群像新人文学賞の当選作となった石沢麻依さんの『貝に続く場所にて』が、第165回芥川龍之介賞を受賞しました。受賞を記念して石沢さんに「15の問い」についてお答えいただきました。 |
【ノンフィクション】石戸 諭【批評】樫村晴香 三浦哲哉 | |
ノンフィクションは、石戸諭さん「2011-2021視えない線の上で 長いエピローグ」。これまで掲載されてきたものを集めた単行本は2021年秋に刊行予定です。 批評は樫村晴香さんの読み切り「タルコフスキーの〈奇跡〉」と、三浦哲哉さんによる「『ドライブ・マイ・カー』の奇跡的なドライブ感について」。『ドライブ・マイ・カー』は、カンヌ映画祭で脚本賞を受賞しました。 |
〈新連載〉新「古事記」an impossible story 村田喜代子〈中篇〉石を黙らせて 李 龍徳〈連作完結〉ヒカリ文集〔5〕 松浦理英子〈芥川賞受賞記念〉石沢麻依への15の問い〈翻訳と〉〈詩〉『公園』より五篇 犠牲/元バスケットボール選手たち/終夜営業/冬の日記/世界の果てのディナー ジョン・フリーマン 柴田元幸 訳〈批評/エッセイ〉アメリカと祖父のシベリア 阿部大樹川上弘美と七人の英訳者たち 辛島デイヴィッド物語の足場を探る 斎藤真理子料理の物語を聞かせて 関口涼子言葉の韻律に耳を澄ます――古井由吉と翻訳 築地正明マイナーと呼ばれて 古市真由美フィクションとノンフィクションを翻訳する 古屋美登里〈文芸文庫通信拡大版/インタビュー〉読みやすい翻訳で「作家らしさ」を伝える 行方昭夫 聞き手・平石貴樹〈戦争の〉〈創作〉光の帝国 川崎 徹〈批評/エッセイ〉現在完了形の近未来――津島佑子『あまりに野蛮な』を読む 木村朗子1945ひろしまタイムラインから考えたこと 久保田智子Thank You for Your Service――アメリカ戦争小説の系譜 諏訪部浩一〈インタビュー〉戦争体験の継承とノンフィクションの地平――半藤一利さんと立花隆さんの残したもの 保阪正康 聞き手・井上 亮〈ノンフィクション〉2011-2021 視えない線の上で 長いエピローグ 石戸 諭〈批評〉タルコフスキーの〈奇跡〉 樫村晴香『ドライブ・マイ・カー』の奇跡的なドライブ感について 三浦哲哉〈article〉2021年前半戦 MLB、NPB観戦日記 高山羽根子〈最終回〉戒厳〔10〕 四方田犬彦〈コラボ連載〉DIG 現代新書クラシックス〔9〕「教養書を読む」とはどういうことか? 山野弘樹 | 〈連載〉水納島再訪〔2〕 橋本倫史 はぐれんぼう〔14〕 青山七恵 ゴッホの犬と耳とひまわり〔20〕 長野まゆみ 鉄の胡蝶は記憶は夢に歳月に彫るか〔37〕 保坂和志 二月のつぎに七月が〔38〕 堀江敏幸 ケアする惑星〔2〕 小川公代 食客論〔3〕 星野 太 世界と私のA to Z〔5〕 竹田ダニエル 言葉の展望台〔5〕 三木那由他 スマートな悪 技術と暴力について〔6〕 戸谷洋志 こんな日もある 競馬徒然草〔7〕 古井由吉 旋回する人類学〔7〕 松村圭一郎 ポエトリー・ドッグス〔8〕 斉藤 倫 マルクスる思考〔11〕 斎藤幸平 現代短歌ノート二冊目〔12〕 穂村 弘 日常の横顔〔11〕 松田青子 日日是目分量〔13〕 くどうれいん 歴史の屑拾い〔17〕 藤原辰史 「近過去」としての平成〔18〕 武田砂鉄 「ヤッター」の雰囲気〔18〕 星野概念 星占い的思考〔18〕 石井ゆかり 辺境図書館〔19〕 皆川博子 国家と批評〔17〕 大澤 聡 〈世界史〉の哲学〔135〕 大澤真幸 文芸文庫の風景〔9〕 大山 海 極私的雑誌デザイン考〔20〕 川名 潤 〈随筆〉俺が殺してきた奴らの群像 東 千茅 三十一センチ 平岡直子 〈書評〉『アンソーシャル ディスタンス』金原ひとみ 郷原佳以 『最後の挨拶 His Last Bow』小林エリカ 小竹由美子 『マチズモを削り取れ』武田砂鉄 西口 想 『植物忌』星野智幸 長瀬 海 『枝の家』黒井千次 三浦雅士 〈創作合評〉「教育」遠野 遥 「ブラックボックス」砂川文次 「祈りの痕」中西智佐乃 高山羽根子×倉本さおり×矢野利裕 |