群像2020年7月号(6月5日発売)
1300円
創作 今村夏子「とんこつQ&A」 | |
大将とぼっちゃんが切り盛りする中華料理店とんこつで働き始めた「わたし」。「いらっしゃいませ」を言えるようになり、居場所を見つけたはずだった。あの女が新たに雇われるまでは――。今村夏子の創作「とんこつQ&A」 |
批評総特集 「論」の遠近法 東浩紀 安藤礼二 江南亜美子 大澤信亮 小田原のどか 樫村晴香 柄谷行人 高原到 福尾匠 古川日出男 星野太 町屋良平 綿野恵太 | |
「危機の時代」の先にある、(いくつかの)バニシング・ポイントを見つめる。群像批評総特集「「論」の遠近法」。東浩紀「考えることを守る」、安藤礼二「井筒俊彦 ディオニュソス的人間の肖像」、江南亜美子「ふたたび世界へと戻ってくるために――崔実『pray human』論」、大澤信亮「非人間」、小田原のどか「彫刻の問題――加藤典洋、吉本隆明、高村光太郎から回路をひらく」、樫村晴香「自分が死ぬとはどういうことか?――の変遷」、柄谷行人「コロナウイルスと古井由吉」、高原到「戦争の「現在形」――七〇年代生まれの作家たちの戦争小説」、福尾匠「ポシブル、パサブル――ある空間とその言葉」、古川日出男「ばば抜きのゴッサム・シティ」、星野太「パラサイト――やがて来る食客論のために」、町屋良平「ぶかぶかの風景――乗代雄介「最高の任務」」、綿野恵太「ピンカーさん、ところで、幸せってなんですか?」を掲載。 |
第63回 群像新人文学賞発表 優秀作 湯浅真尋「四月の岸辺」 | |
三月が終われば四月になって、だからこれはつづきの物語――。中学生になった「私」は、みずからを「森のこども」と呼ぶ少女と出会う。「境界」を軽やかに超える清新なデビュー作。湯浅真尋「四月の岸辺」 |
創作 井戸川射子「膨張」 | |
よく建物なんて作って、持っているな――アドレスホッパーのあいりがたゆたう街と人。情景を鮮やかに映し出す、中原中也賞受賞詩人の初小説。井戸川射子の創作「膨張」 |
追悼 井波律子 | |
5月13日、「三国志演義」「水滸伝」などの翻訳でも知られる、中国文学者の井波律子が亡くなった。三浦雅士による追悼文「破壊と創造の女神」 |
〈創作〉とんこつQ&A 今村夏子膨張 井戸川射子〈第63回群像新人文学賞発表〉〈優秀作〉四月の岸辺 湯浅真尋受賞の言葉 選評 柴崎友香、高橋源一郎、多和田葉子、野崎歓、松浦理英子 〈批評総特集〉「論」の遠近法考えることを守る 東浩紀井筒俊彦――ディオニュソス的人間の肖像 安藤礼二ふたたび世界へと戻ってくるために――崔実『pray human』論 江南亜美子非人間 大澤信亮彫刻の問題――加藤典洋、吉本隆明、高村光太郎から回路をひらく 小田原のどか自分が死ぬとはどういうことか?――の変遷 樫村晴香コロナウイルスと古井由吉 柄谷行人戦争の「現在形」――七〇年代生まれの作家たちの戦争小説 高原到ポシブル、パサブル――ある空間とその言葉 福尾匠ばば抜きのゴッサム・シティ 古川日出男パラサイト――やがて来る食客論のために 星野太ぶかぶかの風景――乗代雄介「最高の任務」 町屋良平ピンカーさん、ところで、幸せってなんですか? 綿野恵太〈連載評論〉ショットとは何か〈2〉 蓮實重彦〈ノンフィクション〉2011―2021 視えない線の上で 石戸諭〈短期集中ルポ〉ガザ・西岸地区・アンマン⑤「国境なき医師団」を見に行く いとうせいこう | 〈追悼 井波律子〉破壊と創造の女神 三浦雅士〈連載〉ゴッホの犬と耳とひまわり〔7〕 長野まゆみ 鉄の胡蝶は夢に記憶に歳月に彫るか〔23〕 保坂和志 二月のつぎに七月が〔28〕 堀江敏幸 ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain〔29〕 ブレイディみかこ ハロー、ユーラシア〔2〕 福嶋亮大 薄れゆく境界線 現代アメリカ小説探訪〔2〕 諏訪部浩一 「近過去」としての平成〔4〕 武田砂鉄 「ヤッター」の雰囲気〔4〕 星野概念 星占い的思考〔4〕 石井ゆかり 所有について〔5〕 鷲田清一 辺境図書館〔5〕 皆川博子 国家と批評〔5〕 大澤聡 LA・フード・ダイアリー〔10〕 三浦哲哉 現代短歌ノート〔122〕 穂村 弘 私の文芸文庫〔7〕 綿矢りさ 極私的雑誌デザイン考〔6〕 川名潤 〈随筆〉変なTシャツを着ている imdkm 腰田低男氏の人生 上野誠 さよりとこより 長田杏奈 彼女の本も旅にでる 清水チナツ 確率を上げる(鷺ノ山) 長谷川新 かさぶたは、時おり剥がれる 堀江栞 〈書評〉このパパを見よ!(『パパいや、めろん』海猫沢めろん 6月22日頃刊行) 野崎歓 異人に向かう優しい眼差し(『よそ者たちの愛』テレツィア・モーラ) 池田信雄 知と戯れる「物理の聖典」(『帝国』花村萬月) 豊﨑由美 |