群像2020年6月号(5月7日発売)
1300円
創作 小林エリカ「脱皮」 リービ英雄「文字の高原」 | |
不妊治療に励む理科教師。死を待つ老人。何かを手放したい少女たち。災厄のなかで、生への希望が試される。時代の危機にこたえる、新たな小説が誕生した。小林エリカの創作「脱皮」。 チベットの高原にある寺院にたどり着いた「かれ」は、奇妙な体験をする。言語と言語、大陸と大陸、国と国、そして人と人の狭間から生まれる、文学の現在地。リービ英雄の創作「文字の高原」。 |
新連載 福嶋亮大「ハロー、ユーラシア」 諏訪部浩一「薄れゆく境界線――現代アメリカ小説探訪」 | |
世界の秩序が変わりつつあるいま、「ユーラシア」の存在がふたたび浮上している。来たるべき世界を幻視する、批評の冒険。福嶋亮大の「ハロー、ユーラシア」。グローバル化で「アメリカ」自体の輪郭がぼやけていくなか、近代の産物たる「小説」はどう時代に応接してきたのか――「アメリカ」の新しい「見取り図」。諏訪部浩一の「薄れゆく境界線――現代アメリカ小説探訪」。 |
特集 翻訳小説 | |
特集・翻訳小説! アンケート「2019-2020 70の世界地図「最新翻訳小説地図」」では、阿部公彦/磯上竜也/伊東順子/今福龍太/上野千鶴子/大空ゆうひ/大竹昭子/大塚真祐子/大森望/岡真理/小川公代/小川哲/小川洋子/小国貴司/長田杏奈/長田育恵/小山田浩子/温又柔/鎌田裕樹/岸本佐知子/北田博充/木原善彦/木村朗子/久野量一/くぼたのぞみ/倉本さおり/栗原康/小島秀夫/小林エリカ/小山太一/斎藤真理子/酒寄進一/佐藤究/柴崎友香/下平尾直/瀧井朝世/武田将明/堂場瞬一/都甲幸治/豊﨑由美/鳥澤光/中島京子/中野善夫/名久井直子/西加奈子/根本宗子/野崎歓/野谷文昭/乗代雄介/橋本陽介/東山彰良/日野原慶/平松洋子/ひらりさ/深緑野分/藤井太洋/藤野可織/古川耕/古屋美登里/前田隆紀/松家仁之/松岡千恵/松田青子/松永美穂/三浦直之/水野衛子/宮下遼/山崎まどか/陸秋槎/若菜晃子が寄稿! 小論では、7人の翻訳者たちへの取材を通して探る、現代世界文学の最前線。辛島デイヴィッド「文芸ピープル+ ――英語圏で読まれる現代日本文学」。ヴァージニア・ウルフの末裔と呼びうる現代日本の作家は枚挙に暇がない。ウルフの影響は作品にどう顕れ、それは何を意味しているのか。鴻巣友季子「ウルフをめぐる静かな「ささやき」」。『カタストロフ前夜』が話題、フランス在住の著者による、翻訳=世界論。関口涼子「あらゆる行為が翻訳になる時」。固定観念を打ち捨てよう。世界文学を読み、自分はどこにいるのか探さねばならない。中村和恵「自分ごととしての動く世界文学」。翻訳とはどんなプロセスなのか、小説がある言語で書かれるとはどういう意味なのか。新たな問題系に光を当てる序論。沼野充義「この人は何語で話しているのですか?――小説内翻訳論序説」を掲載! |
小特集 多和田葉子 | |
ある境界(ボーダー)を超えて小説を発表してきた多和田葉子。分断と連帯が同時進行するなか、母語の外に出る人々が見る景色とは。新刊インタビュー、小論、全作品解説で解体する。多和田葉子インタビュー「離れていても、孤独ではない人間たちの闘争」(聞き手・構成:小澤英実)。岩川ありさの評論 多和田葉子の「星座小説」――『星に仄めかされて』をめぐってそして谷口幸代による保存版多和田葉子全作品解題。 |
論点 「コロナ禍」「視覚と音声」「境界線」 斎藤幸平 長谷正人 望月優大 | |
[ポスト資本主義への「跳躍」に向けた扉こそが、今開かれている。今月の「群像」の論点――「コロナ禍」「視覚と音声」「境界線」。斎藤幸平の【緊急寄稿】「コロナ・ショックドクトリンに抗するために」。長谷正人「津波映像と『アナ雪』――視覚文化における「音声化」の諸問題」。望月優大「「複雑さ」と「私たち」」 |
〈創作〉脱皮 小林エリカ文字の高原 リービ英雄〈新連載〉ハロー、ユーラシア 福嶋亮大薄れゆく境界線――現代アメリカ小説探訪 諏訪部浩一〈特集翻訳小説〉最新翻訳小説地図阿部公彦/磯上竜也/伊東順子/今福龍太/上野千鶴子/大空ゆうひ/大竹昭子/大塚真祐子/大森望/岡真理/小川公代/小川哲/小川洋子/小国貴司/長田杏奈/長田育恵/小山田浩子/温又柔/鎌田裕樹/岸本佐知子/北田博充/木原善彦/木村朗子/久野量一/くぼたのぞみ/倉本さおり/栗原康/小島秀夫/小林エリカ/小山太一/斎藤真理子/酒寄進一/佐藤究/柴崎友香/下平尾直/瀧井朝世/武田将明/堂場瞬一/都甲幸治/豊﨑由美/鳥澤光/中島京子/中野善夫/名久井直子/西加奈子/根本宗子/野崎歓/野谷文昭/乗代雄介/橋本陽介/東山彰良/日野原慶/平松洋子/ひらりさ/深緑野分/藤井太洋/藤野可織/古川耕/古屋美登里/前田隆紀/松家仁之/松岡千恵/松田青子/松永美穂/三浦直之/水野衛子/宮下遼/山崎まどか/陸秋槎/若菜晃子 文芸ピープル+ ――英語圏で読まれる現代日本文学 辛島デイヴィッドウルフをめぐる静かな「ささやき」 鴻巣友季子あらゆる行為が翻訳になる時 関口涼子自分ごととしての動く世界文学 中村和恵この人は何語で話しているのですか?――小説内翻訳論序説 沼野充義〈小特集 多和田葉子〉多和田葉子インタビュー「離れていても、孤独ではない人間たちの闘争」 聞き手・構成:小澤英実多和田葉子の「星座小説」――『星に仄めかされて』をめぐって 岩川ありさ多和田葉子全作品解題 谷口幸代〈批評〉歴史と実験 長﨑健吾〈短期集中完結〉ギー兄さんとは誰か――大江健三郎と柳田国男 尾崎真理子〈論点〉【緊急寄稿】 コロナ・ショックドクトリンに抗するために 斎藤幸平津波映像と『アナ雪』――視覚文化における「音声化」の諸問題 長谷正人「複雑さ」と「私たち」 望月優大 | 〈短期集中ルポ〉ガザ・西岸地区・アンマン④「国境なき医師団」を見に行く いとうせいこう〈連続対談〉近代日本150年を読み解く 昭和前期篇 富岡幸一郎×佐藤優〈連載完結〉チームオベリベリ 乃南アサ〈連載〉ゴッホの犬と耳とひまわり〔6〕 長野まゆみ 鉄の胡蝶は記憶を夢に歳月に彫るか〔22〕 保坂和志 二月のつぎに七月が〔27〕 堀江敏幸 ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain〔28〕 ブレイディみかこ 「近過去」としての平成〔3〕 武田砂鉄 「ヤッター」の雰囲気〔3〕 星野概念 星占い的思考〔3〕 石井ゆかり 所有について〔4〕 鷲田清一 辺境図書館〔4〕 皆川博子 国家と批評〔4〕 大澤聡 LA・フード・ダイアリー〔9〕 三浦哲哉 現代短歌ノート〔121〕 穂村 弘 私の文芸文庫〔6〕 三浦雅士 極私的雑誌デザイン考〔5〕 川名潤 〈随筆〉どうしようもできないのか、京都で。 杉原邦生 記憶 遠野遥 ごろごろ、神戸X 平民金子 場を閉ざされないために 田尻久子 〈書評〉(『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』李龍徳) 陣野俊史 (『踏み跡にたたずんで』小野正嗣) 水原涼 (『アイロニーはなぜ伝わるのか?』木原善彦) 小川公代 (『地に這うものの記録』田中慎弥) 清水良典 (『近代のはずみ、ひずみ 深田康算と中井正一』長濱一眞) 山城むつみ |