群像2020年5月号(4月7日発売)
1300円
創作 津村記久子「レコーダー定置網漁」 牧田真有子「使者の夜」 | |
疲れ果てた私は、休暇をもらっても録りだめたドラマを見るしかない。日常の中のささやかな希望を描いた、津村記久子の好短篇「レコーダー定置網漁」。「罪悪感のシェアっていうのはどうでしょうか」――牧田真有子の中篇「使者の夜」。 |
新連載 蓮實重彦「ショットとは何か」 藤原辰史「歴史の屑拾い」 | |
蓮實批評の特権的概念である「ショット」とは何か? 映画と世界をめぐる思考のはじまりを探究する巨大連載始動、蓮實重彦「ショットとは何か」。「打ち捨てられたもの」の知から始まる、歴史叙述の新たなる試み。藤原辰史「歴史の屑拾い」。 |
追悼 古井由吉 | |
個人の内面を徹底して見つめた作家・古井由吉が亡くなってから約二ヵ月。奥泉光、角田光代、黒井千次、中村文則、蓮實重彦、蜂飼耳、保坂和志、堀江敏幸、町田康、松浦寿輝、見田宗介、山城むつみ、吉増剛造による追悼文、富岡幸一郎による評論「古井由吉と現代世界 文学の衝撃力」を掲載。 |
インタビューズ 佐野元春「時代を切り拓いた都市の詩」(聞き手・文 石戸諭) | |
ロック界を牽引してきた孤高の詩人がデビュー40周年を機に、ダイアローグで自らの見つめ直す。佐野元春「時代を切り拓いた都市の詩」(聞き手・文 石戸諭) |
小特集 『おおきな森』 古川日出男インタビュー(聞き手 波戸岡景太) | |
唯一無二の作家・古川日出男が持てる力を出し切った超大作「おおきな森」。時空を越え、世界の殻を破った先に見えるものは何か。小説作法を語り尽くす。古川日出男インタビュー(聞き手 波戸岡景太)。そして波戸岡景太による評論「われは満洲のみやこに、けふも犬のごとく逍へり」。 |
〈創作〉レコーダー定置網漁 津村記久子使者の夜 牧田真有子〈新連載〉ショットとは何か 蓮實重彦歴史の屑拾い 藤原辰史〈追悼 古井由吉〉奥泉光 角田光代 黒井千次 中村文則 蓮實重彦 蜂飼耳 保坂和志 堀江敏幸 町田康 松浦寿輝 見田宗介 山城むつみ 吉増剛造古井由吉と現代世界――文学の衝撃力 富岡幸一郎〈インタビューズ〉佐野元春「時代を切り拓いた都市の詩」(聞き手・文 石戸諭)〈特別対談〉つげ義春を読み直す 川上弘美×長嶋有〈小特集〉古川日出男「内側へ、内側へ、おおきな森のおくにあるもの」インタビュー(聞き手 波戸岡景太)われは満洲のみやこに、けふも犬のごとく逍へり 波戸岡景太〈論点〉人間と動物の「誘う・誘われる」関係 濱野ちひろジャック・デリダの「死後の生」――ポストヒューマンと不死の行方 宮﨑裕助〈短期集中ルポ〉ガザ、西岸地区、アンマン――「国境なき医師団」を見に行く〔3〕 いとうせいこう〈鼎談シリーズ〉徹底討議 二〇世紀の思想・文学・芸術 第4回「無意識とセクシュアリティ」 松浦寿輝×沼野充義×田中純〈最終回〉〈世界史〉の哲学〔125〕 大澤真幸〈連載〉その日まで〔16〕 瀬戸内寂聴 ゴッホの犬と耳とひまわり〔5〕 長野まゆみ | チーム・オベリベリ〔18〕 乃南アサ 鉄の胡蝶は歳月は記憶は夢の彫るか〔21〕 保坂和志 二月のつぎに七月が〔26〕 堀江敏幸 ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain〔27〕 ブレイディみかこ 「近過去」としての平成〔2〕 武田砂鉄 「ヤッター」の雰囲気〔2〕 星野概念 星占い的思考〔2〕 石井ゆかり 所有について〔3〕 鷲田清一 辺境図書館〔3〕 皆川博子 LA・フード・ダイアリー〔8〕 三浦哲哉 現代短歌ノート〔120〕 穂村 弘 私の文芸文庫〔5〕 熊野純彦 極私的雑誌デザイン考〔4〕 川名潤 〈随筆〉ガム工場は眠らない 青羊 犬と猫と、そのほかの種について 小椋彩 蠅を食む 野上志学 根無しの憂鬱 林道郎 遠野の本田健さん 山本浩貴 〈書評〉疎外はのりこえられたか(『政治的動物』石川義正) 中島一夫 二〇一〇年代は誰の声が聞こえてきたのか(『2010s』宇野維正、田中宗一郎) 矢野利裕 家父長制を殺しに来た(『ピエタとトランジ〈完全版〉』藤野可織) 山内マリコ 「在日」として、書かねばならない小説(『地上生活者 第6部最後の試み』李恢成) 金ヨンロン 〈創作合評〉亀山郁夫×安藤礼二×日和聡子 「臆病な都市」砂川文次(群像2020年4月号) 「ほんとうのこといって」松原俊太郎(群像2020年4月号) 「半睡」佐々木敦(新潮2020年4月号) |