群像2020年3月号(2月7日発売)
1300円
新鋭一挙 崔実「pray human」 | |
最も耳を傾けるべき瞬間なのかもしれないね――。心に傷を負い精神病棟で過ごした日々を見つめ直す恢復の記録。瑞々しい文章で綴る著者の飛翔作! 崔実の一挙掲載「pray human」 |
芥川賞受賞後第一作 古川真人「生活は座らない」 | |
人が沈黙している時こそ、久しぶりに知人と会って、酒を飲みつつ、骨組みだけが残ったような会話を続ける三十代の男たち。会話から想起する記憶と記憶がつながって……。意識の流れをリアルに描く傑作短篇。古川真人の芥川賞受賞後第一作「生活は座らない 」 |
新連載続々 鷲田清一 いとうせいこう 石戸諭 皆川博子 | |
ロック、ルソー以来、近代を通底する難題(アポリア)に挑む鷲田清一の新連載「所有について」、アメリカとイランの緊張状態が続くなか、「世界の今」を届ける短期集中ルポルタージュいとうせいこう「ガザ、西岸地区、アンマン――「国境なき医師団」を見に行く」、気鋭のジャーナリストが真摯な視線で描き出す「震災後の世界」――石戸諭「2011―2021 視えない線の上で 」、人気連載が「群像」に転位出現、皆川博子「辺境図書館」 |
批評 『マルクスその可能性の中心』英語版序文 柄谷行人 | |
『世界史の実験』、『世界史の構造』、『トランスクリティーク』へとつながる、世界的思想家による思考の原点。3月に英語版が刊行されるマルクス論の序文を掲載、柄谷行人「『マルクスその可能性の中心』英語版序文 」 |
批評 絓秀実「小説家・大江健三郎――その天皇制と戦後民主主義」 | |
大江健三郎には「父」がいない――「政治少年死す」をはじめとする初期作品から『水死』までの作品をつらぬくプロブレマティークを解読する鋭利な批評。絓秀実「小説家・大江健三郎――その天皇制と戦後民主主義」 |
〈新鋭一挙〉pray human 崔 実〈芥川賞受賞後第一作〉生活は座らない 古川真人〈新連載〉所有について 鷲田清一ガザ、西岸地区、アンマン――「国境なき医師団」を見に行く いとうせいこう2011―2021 視えない線の上で 石戸諭辺境図書館 皆川博子〈批評〉『マルクスその可能性の中心』英語版序文 柄谷行人小説家・大江健三郎――その天皇制と戦後民主主義 絓秀実〈シンポジウム〉寂聴サミット「いま、瀬戸内寂聴の文学に立ち向かう」 伊藤比呂美×尾崎真理子×高橋源一郎×平野啓一郎〈論点〉失われた三〇年――なぜアメリカ文学研究者は現代文学を読まなくなったのか 諏訪部浩一ぼくが『ロンゴ』を訳したわけ 高橋源一郎北朝鮮「帰還」船は新潟を出て、どこに到着したか 四方田犬彦〈追悼 坪内祐三〉水了軒の汽車辨 橋本倫史〈滞在記〉文芸ピープル ブリテン諸島出版見聞録中篇 辛島デイヴィッド〈連続対談〉近代日本150年を読み解く 大正篇 富岡幸一郎×佐藤優 | 〈連載〉ゴッホの犬と耳とひまわり〔3〕 長野まゆみ チーム・オベリベリ〔16〕 乃南アサ 鉄の胡蝶は記憶の夢に歳月の彫るか〔19〕 保坂和志 ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain〔25〕 ブレイディみかこ 国家と批評〔2〕 大澤聡 LA・フード・ダイアリー〔6〕 三浦哲哉 〈世界史〉の哲学〔123〕 大澤真幸 現代短歌ノート〔118〕 穂村 弘 私の文芸文庫〔3〕 佐伯一麦 極私的雑誌デザイン考〔2〕 川名潤 〈随筆〉印度支那のこと 園健 泣いた青ひげ 青木耕平 フォースの覚醒 岩本薫 私とアメリカ文学 カナイフユキ 第七七官界彷徨 遠藤薫 〈書評〉魂を魂として語らない清潔さ(『迷宮と宇宙』安藤礼二) 三輪太郎 語りの原動力としての映し手(『御社のチャラ男』絲山秋子) 榎本正樹 友人の探し方(『古くてあたらしい仕事』島田潤一郎) 滝口悠生 女たちの領分(『遠の眠りの』谷崎由依) 早助よう子 〈創作合評〉阿部公彦×小川公代×上田岳弘 「アウア・エイジ(Our Age)」岡本学(群像2020年2月号) 「クロス」山下紘加(文藝2020年春季号) 「神様以上」杉本裕孝(文學界2020年2月号) |