群像2019年10月号(9月6日発売)
定価(税込):1000円
巻頭特集 大江健三郎の〈現代性〉Ⅰ | |
「大江健三郎全小説」がついに完結。さまざまな著者による大江文学の「読み直し」は、現代社会のリ・マッピングにつながっていた。未来に読み継ぐための指針となる論考を、ふた月にわたりお届けする。巻頭特集 大江健三郎の〈現代性〉Ⅰ 安藤礼二「純粋天皇の胎水」 宇野重規「祈り、テキスト、習慣――大江健三郎と現代日本の精神性」 尾崎真理子「予言者としての大江――「全小説」解説を書き終えて」 |
創作 石原慎太郎「愛の迷路」 | |
僕にはあれしかありはしない。『太陽の季節』『亀裂』『若い獣』に列する、作家の中核をなす”拳闘”――そして”恋愛”小説の最前線。石原慎太郎の創作「愛の迷路」 |
創作 倉数茂「百の剣(つるぎ)」 太田靖久「アフロディーテの足」 | |
「真希」のことばかり考えるようになってから半年くらいになる。会ったことはないし、どんな顔をしているのかもわからない。ネットの「手記」を手がかりに、「わたし」は夢想する――。倉数茂の創作「百の剣(つるぎ)」。彼女の幸せを祝える男でいたい――。冴えない中年男の悲哀をスピーディな文体で描きだす。太田靖久の創作「アフロディーテの足」 |
新連載評論 三浦哲哉「LA・フード・ダイアリー」 | |
サバティカルのため、家族とともにアメリカに降り立った私を待ち受けた現実――気鋭の映画研究者・批評家による、アメリカ・レポート。三浦哲哉の新連載評論「LA・フード・ダイアリー」 |
論点 保阪正康 吉田徹 小田原のどか | |
今月の「群像」の論点として、保阪正康「天皇の歴史意識」、吉田徹「ポピュリズムとなかまたち――山本太郎はひとりなのか」、小田原のどか「彫刻とはなにか――「あいちトリエンナーレ2009」が示した分断をめぐって」を掲載。 |
〈巻頭特集〉大江健三郎の〈現代性〉Ⅰ純粋天皇の胎水 安藤礼二祈り、テキスト、習慣――大江健三郎と現代日本の精神性 宇野重規予言者としての大江――「全小説」解説を書き終えて 尾崎真理子〈創作〉愛の迷路 石原慎太郎百の剣 倉数 茂アフロディーテの足 太田靖久〈新連載評論〉LA・フード・ダイアリー 三浦哲哉〈論点〉天皇の歴史意識 保阪正康ポピュリズムとなかまたち――山本太郎はひとりなのか 吉田 徹彫刻とはなにか――「あいちトリエンナーレ2019」が示した分断をめぐって 小田原のどか〈連載完結〉星に仄めかされて〔10〕 多和田葉子〈鼎談シリーズ〉徹底討議 二〇世紀の思想・文学・芸術 第二回「世界内戦1.0」 松浦寿輝×沼野充義×田中 純〈連載〉その日まで〔13〕 瀬戸内寂聴 チーム・オベリベリ〔11〕 乃南アサ 鉄の胡蝶は記憶に歳月の夢に彫るか〔15〕 保坂和志 | 帝国の黄昏〔15〕 花村萬月 おおきな森〔22〕 古川日出男 ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain〔20〕ブレイディみかこ 愚行の賦〔3〕 四方田犬彦 全体論と有限 ーひとつの「小説」論ー〔11〕 佐々木 敦 人間とは何か──フランス文学による感情教育──〔27〕 中条省平 〈世界史〉の哲学〔119〕 大澤真幸 現代短歌ノート〔113〕 穂村 弘 〈随筆〉「フェイクニュースは私だ」 瀬戸夏子 生産性に抗するラディカルな生 木澤佐登志 お腹を空かせた子どもたち 渡辺由美子 フォーク並びとポピュリズム 綿野恵太 〈書評〉幼年期と山のむこう(『いかれころ』三国美千子) 長﨑健吾 ジキルとハイドの肌触り(『生のみ生のままで』綿矢りさ) 阿部公彦 私はいかにして私で在り続けるか(『緋の河』桜木紫乃) 武田砂鉄 静謐なる狂気――虚構と身体性のリアル(『窓の外を見てください』片岡義男) 諏訪哲史 〈創作合評〉藤野千夜×大澤 聡×矢野利裕 「夜の底の兎」木村紅美(「群像」2019年9月号) 「語り手たち」間宮 緑(「群像」2019年9月号) 「音に聞く」高尾長良(「文學界」2019年9月号) |