群像2018年12月号(11月7日発売)
定価(税込):980円
創作200枚 上田岳弘「ニムロッド」 | |
お前が課長になって掘るんだよ、金を。社長に指示され、新設の採掘課でひとり業務を担う。酔いの回った僕の頭の中には、暗い穴倉でライト付きの黄色いヘルメットを被り、大きなツルハシを担いで立つスーツ姿の自分が浮かんでいた。欲望の渦で混沌とする世界の先に、何が待ち受けるのか。渾身の飛翔作。上田岳弘の創作「ニムロッド」(200枚) |
創作70枚 舞城王太郎「裏山の凄い猿」 | |
行方不明になった近所の四歳児の面倒を見ていたのは人語を喋る猿だった。近づきたくない。でも俺は優しさを発揮しなくてはならない。二十六歳の「俺」、冒険譚。舞城王太郎の創作「裏山の凄い猿」(70枚) |
新連載 乃南アサ「チーム・オベリベリ」 | |
宣教師たちが開いた横浜の女学校に学ぶカネは、兄と友人たちが日本の中の新天地へ向かう準備を進めていることを知る。明治期の先駆的女性と仲間の姿を描く大型長篇小説。乃南アサの新連載「チーム・オベリベリ」 |
第62回群像新人評論賞発表! 当選作「故郷と未来」長﨑健吾 | |
第62回群像新人評論賞が、選考委員・大澤真幸、熊野純彦、鷲田清一によって決定しました。当選作は長﨑健吾「故郷と未来」。柳田國男にとって「故郷」と「未来」はどういう意味を持つのか? 選考委員が絶賛する新しい才能の誕生をぜひご確認ください。 |
連続対談 富岡幸一郎×佐藤優「「危機の時代」を読み解くⅡ」 | |
社会システムが崩壊し、目に見えないものが〈世界〉を動かす今、我々はどう生き抜くのか。〈文学〉と〈神学〉の視点から現代を縦横に語り合う連続対談第二回。ニヒリズムが蔓延する現代の危機を問う。富岡幸一郎×佐藤 優の連続対談「「危機の時代」を読み解く Ⅱ」 |
〈創作200枚〉ニムロッド 上田岳弘〈創作70枚〉裏山の凄い猿 舞城王太郎〈新連載〉チーム・オベリベリ 乃南アサ〈第62回群像新人評論賞発表〉〈当選作〉故郷と未来 長﨑健吾〈連続対談〉「危機の時代」を読み解くⅡ 富岡幸一郎×佐藤 優〈連作〉
地上生活者〈第六部 最後の試み〉(10) 李 恢成〈連載〉その日まで〔5〕 瀬戸内寂聴 湘南夫人〔5〕 石原慎太郎 鉄の胡蝶は歳月の夢の日々に彫るか〔5〕 保坂和志 御社のチャラ男〔8〕 絲山秋子 おおきな森〔12〕 古川日出男 ブロークン・ブリテンに聞け〔10〕 ブレイディみかこ 全体論と有限 ーひとつの「小説」論ー〔2〕 佐々木 敦 レンマ学〔11〕 中沢新一 出雲神話論〔15〕 三浦佑之 人間とは何か ──フランス文学による感情教育──〔17〕 中条省平 | たましいを旅する人――河合隼雄〔21〕 若松英輔 〈世界史〉の哲学〔110〕 大澤真幸 現代短歌ノート〔103〕 穂村 弘 〈随筆〉ウィンター・ハズ・カム 高山羽根子 もどかし地獄 九螺ささら 桂枝雀——このふしぎな人 戸田 学 限界集落で撮影をした 瀬々敬久 〈書評〉言葉のはじまりにむかって(『本居宣長』熊野純彦) 苅部直 如来蔵の政治学ーその可能性と危険性(『大拙』安藤礼二) 中島岳志 読み終えた人が見に行くものは(『猫のエルは』町田 康 絵・ヒグチユウコ) 井上荒野 不在の穴を駆け抜ける(『穴あきエフの初恋祭り』多和田葉子) 谷崎由依 私の肩越しに私の背中を見守る私――成熟する分人主義 武田将明 〈創作合評〉大竹昭子×清水良典×岩川ありさ 「わたしの拾った男」木村紅美(文學界2018年11月号) 「居た場所」高山羽根子(文藝2018年冬季号) 「壺中に天あり獣あり」金子 薫(群像2018年11月号) |