群像2018年11月号(10月6日発売)
定価(税込):980円
歳時創作シリーズ 捌 季・憶 Ki-Oku 8 松浦寿輝「地始凍」 柳 美里「朔風払葉」 堀江敏幸「熊蟄穴」 | |
樹木は葉を落とし、地上の視界は奥行きを増す。冬の静けさは空のはて、宇宙と時間の広がりを夢想させる。作家の想像力で繫ぐひととせ――二十四節気七十二候――の季節の記憶。一年をとおした好評読み切り掌篇大特集、堂々完結。松浦寿輝「地始凍」(ちはじめてこおる)、柳美里「朔風払葉」(きたかぜこのはをはらう)、堀江敏幸「熊蟄穴」(くまあなにこもる) |
創作 金子薫「壺中に天あり獣あり」 | |
言葉によって造られる迷宮のなか、光は当て所なく歩き続けていた――迷宮に幽閉された登場人物たちは外に憧れ、模倣し、想像力を頼りに自らの世界を築こうとする。本誌初登場の気鋭、小説とは何かを問う野心作。金子薫「壺中に天あり獣あり」(220枚) |
新連載 佐々木敦「全体論と有限 ーひとつの「小説」論ー」 | |
今すでにここには何もかもの全てがあり、「全て」がある――これは来たるべき「小説」のプログラム。『新しい小説のために』をさらに深化させる批評家の新たな試み。小説の、思考の可能性を広げる、佐々木敦の渾身の新連載評論「全体論と有限 ―ひとつの「小説」論―」 |
特別対談 高橋源一郎×平田オリザ「滅びゆく文学、しぶとい文学」 | |
戦後文学はなぜかくも読まれなくなったのか。戦後文学のような道を、純文学も進むのか。『今夜はひとりぼっちかい? 日本文学盛衰史 戦後文学篇』をめぐって、演劇と小説の両岸から、日本社会の問題をも包括した刺激的な対話が始まる。高橋源一郎×平田オリザの特別対談「滅びゆく文学、しぶとい文学」 |
連続対談完結 いとうせいこう「今夜、笑いの数を数えましょう」(第六回 きたろう) | |
笑いとは何か? をテーマに、毎回各界で活躍するゲストを招き、トークバトルを繰り広げるいとうせいこうの連載対談シリーズ「今夜、笑いの数を数えましょう」がついに最終回。ゲストは「師匠」である、きたろう。お互いの笑いの体験遍歴を軸に、新たな「笑いの定義」の策定に挑む! |
〈歳時創作シリーズ 捌〉季・憶 Ki-Oku地始凍(ちはじめてこおる) 松浦寿輝朔風払葉(きたかぜこのはをはらう) 柳 美里熊蟄穴(くまあなにこもる) 堀江敏幸〈創作220枚〉壺中に天あり獣あり 金子 薫〈新連載評論〉全体論と有限 ーひとつの「小説」論ー 佐々木 敦〈特別対談〉滅びゆく文学、しぶとい文学 高橋源一郎×平田オリザ〈連続対談完結〉今夜、笑いの数を数えましょういとうせいこう 第六回 きたろう〈連載完結〉人外(にんがい) 松浦寿輝〈連載〉その日まで〔4〕 瀬戸内寂聴 湘南夫人〔4〕 石原慎太郎 鉄の胡蝶は歳月に夢に記憶を彫るか〔4〕 保坂和志 帝国の黄昏〔6〕 花村萬月 御社のチャラ男〔7〕 絲山秋子 おおきな森〔11〕 古川日出男 ブロークン・ブリテンに聞け〔9〕 ブレイディみかこ | レンマ学〔10〕 中沢新一 出雲神話論〔14〕 三浦佑之 人間とは何か ──フランス文学による感情教育──〔16〕中条省平 〈世界史〉の哲学〔109〕 大澤真幸 現代短歌ノート〔102〕 穂村 弘 〈随筆〉KY園芸百科 伊藤比呂美 くぐる 藤代 泉 前橋での読書会 上原 隆 流され 渡辺恭彦 〈書評〉文学の「言葉」の生まれる所(『今夜はひとりぼっちかい? 日本文学盛衰史 戦後文学篇』高橋源一郎) 富岡幸一郎 おとぎ話が跳ねる経験とレトロ未来(『ハレルヤ』保坂和志) 古谷利裕 ポハピピンポボピア星人は恋するか(『地球星人』村田沙耶香) 加藤典洋 「秘密の花園」にたどり着くために(『ブルーハワイ』青山七恵) 安藤礼二 〈創作合評〉大竹昭子×清水良典×岩川ありさ 「鳥居」石田 千(文學界2018年10月号) 「象牛」石井遊佳(新潮2018年10月号) 「春、死なん」紗倉まな(群像2018年10月号) |