群像2018年10月号(9月7日発売)
定価(税込):980円
歳時創作シリーズ 漆 季・憶 Ki-Oku 7 山下澄人「水始涸」 川上弘美「蟋蟀在戸」 藤野千夜「霎時施」 | |
空は澄みわたり、月夜に明るみを見る。深みゆく秋の際に至り、時の巡りを肌で感じる。作家の想像力で繫ぐひととせ――二十四節気七十二候――の季節の記憶。一年をとおした好評読み切り掌篇大特集。第7弾は山下澄人「水始涸」(みずはじめてかるる)、川上弘美「蟋蟀在戸」(きりぎりすとにあり)、藤野千夜「霎時施」(こさめときどきふる) |
創作 小山田浩子「ヒヨドリ」 | |
台所で弁当を作っていると夫が「ヒナがいる!」と叫んだ。「ヒナ?」「うちのベランダに、ヒナがいる!」夫は慌てたように立ち上がる――。濃密な文章で綴る夫婦の日常に潜む現実と幻想のあわい。小山田浩子の創作「ヒヨドリ」(50枚) |
創作 紗倉まな「春、死なん」 | |
七十歳の身体から、傍目には既に抜け落ちたと思われている性欲。それが枯渇どころか、実際には持て余すようにしている――。高齢者の性をえがく鮮烈な文芸誌デビュー作。紗倉まなの創作「春、死なん」(120枚) |
新連続対談 富岡幸一郎×佐藤 優「「危機の時代」を読み解く Ⅰ」 | |
社会システムが崩壊し、目に見えないものが〈世界〉を動かす今、我々はどう生き抜くのか。〈文学〉と〈神学〉の視点から現代を縦横に語り合う。富岡幸一郎×佐藤 優「「危機の時代」を読み解く Ⅰ」 |
映画評論 蓮實重彦「大震災で映画と出会った男 ―プロデューサー城戸四郎―」 | |
一九二八年のモスクワの街に、日本人が大挙して現れる。歌舞伎の初海外公演がソ連邦の首都で行われる。そのなかに松竹の名プロデューサーがいた。蓮實重彦の評論「大震災で映画と出会った男 ―プロデューサー城戸四郎―」 |
〈歳時創作シリーズ 漆〉季・憶 Ki-Oku水始涸(みずはじめてかるる) 山下澄人蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり) 川上弘美霎時施(こさめときどきふる) 藤野千夜〈創作50枚〉ヒヨドリ 小山田浩子〈創作120枚〉春、死なん 紗倉まな〈新連続対談〉「危機の時代」を読み解くⅠ 富岡幸一郎×佐藤 優〈映画評論〉大震災で映画と出会った男ープロデューサー城戸四郎ー 蓮實重彦〈連作〉行方知れず 古井由吉〈連載〉その日まで〔3〕 瀬戸内寂聴 湘南夫人〔3〕 石原慎太郎 鉄の胡蝶は歳月に夢の記憶を彫るか〔3〕 保坂和志 帝国の黄昏〔5〕 花村萬月 御社のチャラ男〔6〕 絲山秋子 おおきな森〔10〕 古川日出男 人外(にんがい)〔11〕 松浦寿輝 二月のつぎに七月が〔18〕 堀江敏幸 山海記〔20〕 佐伯一麦 ブロークン・ブリテンに聞け〔8〕 ブレイディみかこ | レンマ学〔9〕 中沢新一 出雲神話論〔13〕 三浦佑之 人間とは何か ──フランス文学による感情教育──〔15〕中条省平 たましいを旅するひと──河合隼雄〔20〕 若松英輔 〈世界史〉の哲学〔108〕 大澤真幸 現代短歌ノート〔101〕 穂村 弘 〈随筆〉禁煙なる日常 青木淳悟 私もあなたも、どっか少数者 飯間浩明 近道は回り道 千木良悠子 ぷくぷくぷくが鳴らなくなった日 高橋久美子 引っ越しの夏、缶チューハイ パリッコ 〈書評〉SNSに居場所を求める人々(『静かに、ねぇ、静かに』本谷有希子) 瀧井朝世 グラマトロジーについて(『文字渦』円城塔) 佐々木敦 「ずれる人」のアメリカ紀行(『公園へ行かないか? 火曜日に』柴崎友香) 阿部公彦 二匹の魚を尊ぶ井伏論(『水の匂いがするようだ 井伏鱒二のほうへ』野崎歓) 佐藤康智 ブラック企業小説の旗手が描く最低最悪男(『サーラレーオ』新庄耕) 石井千湖 〈創作合評〉安藤礼二×蜂飼 耳×小澤英実 「ジャップ・ン・ロール・ヒーロー」鴻池留衣(新潮2018年9月号) 「ウラミズモ奴隷選挙」笙野頼子(文藝2018年秋季号) |