群像2018年9月号(8月7日発売)
定価(税込):980円
創作160枚 西村賢太「羅針盤は壊れても」 | |
こんなに面白い“純文学”がこの世にあったのか。こんなのが“純文学”であってもいいのか。『田中英光全集』第七巻を手にし、蒙を啓かれた北町貫多。やがて彼は自ら小説を書き始める――。西村賢太の創作160枚「羅針盤は壊れても」 |
特別対談 三浦雅士×柴田元幸「世界を俯瞰する眼と翻訳的存在」 | |
人間の言語はどこからきたのか。俯瞰する眼は言語を成立させ、立場の交換を可能にする。あらゆる認識、思考から翻訳論まで、言語現象の本質に迫る大型対談。『孤独の発明または言語の政治学』を刊行したばかりの三浦雅士と柴田元幸による特別対談「世界を俯瞰する眼と翻訳的存在」 |
シンポジウム 高橋源一郎×平野啓一郎×尾崎真理子「大江文学の面白さをとことん語りつくす!」 | |
『大江健三郎全小説』の刊行を記念して行われた公開シンポジウムには350人もの参加者が詰めかけた。討議は熱気にあふれ、大江文学の全貌に迫る。高橋源一郎、平野啓一郎、尾崎真理子による特別シンポジウム「大江文学の面白さをとことん語りつくす!」 |
中篇160枚 四元康祐「わが神曲・放射線」 | |
病院のガラスの自動扉がゆっくりと開く。その扉を潜るたびに巡礼者ダンテが「地獄の門」を通り抜ける場面を詩人は思い出す。四元康祐の中篇160枚「わが神曲・放射線」 |
連作 藤野可織「ピエタとトランジ〈完全版〉」(11) | |
親友の名前はトランジで、私はピエタ。本名は書かない。私たちはだいたいそう呼ばれてきたし、しっくりくるあだ名だから――。六十四歳になった私は、「彼」の眉間を小型拳銃で、撃ち抜き……。藤野可織の連作第11回目「ピエタとトランジ〈完全版〉」 |
〈創作160枚〉西村賢太「羅針盤は壊れても」〈特別対談〉三浦雅士×柴田元幸「世界を俯瞰する眼と翻訳的存在」〈シンポジウム〉高橋源一郎×平野啓一郎×尾崎真理子「大江文学の面白さをとことん語りつくす!」〈中篇160枚〉四元康祐「わが神曲・放射線」〈連作〉藤野可織「ピエタとトランジ〈完全版〉」(11)〈連載〉その日まで〔2〕 瀬戸内寂聴 湘南夫人〔2〕 石原慎太郎 鉄の胡蝶は記憶の歳月に夢を彫るか〔2〕 保坂和志 帝国の黄昏〔4〕 花村萬月 御社のチャラ男〔5〕 絲山秋子 おおきな森〔9〕 古川日出男 人外(にんがい)〔10〕 松浦寿輝 二月のつぎに七月が〔17〕 堀江敏幸 ブロークン・ブリテンに聞け〔7〕 ブレイディみかこ レンマ学〔8〕 中沢新一 出雲神話論〔12〕 三浦佑之 | 人間とは何か ──フランス文学による感情教育──〔14〕中条省平 たましいを旅するひと──河合隼雄〔19〕 若松英輔 〈世界史〉の哲学〔107〕 大澤真幸 現代短歌ノート〔100〕 穂村 弘 〈随筆〉神は土俵のどこにいる? 内館牧子 あの街、この街 柴崎友香、相米慎二 濱口竜介 部屋と文体 町屋良平 それでいいのだ 爪切男 〈書評〉絶望はキャラメル箱の底で光る(『絶望キャラメル』島田雅彦) 海猫沢めろん 匂いとふるえ(『TIMELESS』いしいしんじ) 朝吹真理子 純粋な観察者――芥川龍之介と高橋弘希(高橋弘希『送り火』) 岩川ありさ リーグ三部、だがサポーターは熱い(水原涼『蹴爪』) 陣野俊史 「少女」を奪い返す言葉のつらなり(『ガール・イン・ザ・ダーク 少女のためのゴシック文学館』高原英理編著) 倉本さおり 安藤礼二×蜂飼 耳×小澤英実 「うみまち」太田靖久(すばる2018年8月号) 「永遠のあとに来る最初の一日」福嶋伸洋(すばる2018年8月号) 「波に幾月」藤代 泉(文藝2018年秋季号) |