群像2018年1月号(12月7日発売)
定価(税込):980円
新連載 古川日出男「おおきな森」 | |
「京都は三つある」とのフレーズ。兼業探偵として失踪の謎を追う坂口安吾。満洲に勤務した伯父のことを書かねばならない私――。疾駆する言葉と圧倒的な想像力で世界を溶解させる交響曲(シンフォニー)。かつてない壮大なスケールで繰り広げられる文学の冒険が始まる。古川日出男の巨篇新連載「おおきな森」 |
歳時創作シリーズ 壱 季・憶 Ki-Oku 瀬戸内寂聴「麋角解」 絲山秋子「雉始雊」 伊坂幸太郎「鶏始乳」 | |
時の揺らめき、大気の手ざわり、絶え間なき生の運動。作家の想像力で繫ぐひととせ――二十四節気七十二候――の季節の記憶。一年をとおした読み切り掌篇大特集。歳時創作シリーズ 「季・憶 Ki-Oku」。第1弾は瀬戸内寂聴「麋角解(さわしかのつのおつる)」、絲山秋子「雉始雊(きじはじめてなく)」、伊坂幸太郎「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」 |
短篇 西村賢太 陋劣夜曲 | |
北町貫太の肉慾の希求は、何やら最高潮に達していた――。二十歳台となって最初に味わう年末。下腹部の悶々たるうねりを持て余す貫多は、青果市場での夜間勤務の日払いの仕事を探し当てるが……。西村賢太の短篇「陋劣夜曲」 |
特別対談 瀬戸内寂聴×佐藤愛子「愛情がないと書けない」 | |
「七十年も書いてきましたからね。もうやめられない」。九十五歳で長篇小説『いのち』を刊行した瀬戸内寂聴氏と、エッセイ『九十歳。何がめでたい』が大好評の佐藤愛子氏。敬慕する作家や文学、男の話から死についてまで縦横に語り合う。瀬戸内寂聴×佐藤愛子の特別対談「愛情がないと書けない」 |
特別対談 吉増剛造×ヴァレリー・アフェナシエフ「不完全の美しさ」 | |
本物の芸術家とは自身の裡にあるハーモニー自体ですべてが十分である――。詩人とピアニスト、二人の巨匠の邂逅。ニーチェ、カフカ、シューベルト……様々な固有名をめぐって交わされる哲学的対話に、芸術の深淵を覗き見る。吉増剛造×ヴァレリー・アファナシエフの特別対談「不完全の美しさ」 |
〈新連載〉第1回300枚おおきな森 古川日出男〈歳時創作シリーズ 壱〉季・憶 Ki-Oku麋角解(さわしかのつのおつる) 瀬戸内寂聴雉始雊(きじはじめてなく) 絲山秋子鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく) 伊坂幸太郎〈短篇〉陋劣夜曲 西村賢太〈特別対談〉瀬戸内寂聴×佐藤愛子「愛情がないと書けない」吉増剛造×ヴァレリー・アフェナシエフ「不完全の美しさ」〈野間文芸賞・野間文芸新人賞発表〉第70回野間文芸賞受賞作「土の記」(上・下) 髙村 薫受賞のことば/選評(奥泉 光 佐伯一麦 多和田葉子 町田 康 三浦雅士) 第39回野間文芸新人賞受賞作「星の子」 今村夏子「日曜日の人々(サンデー・ピープル)」高橋弘希受賞のことば/選評(小川洋子 島田雅彦 高橋源一郎 長嶋 有 保坂和志 星野智幸) 〈連作〉ピエタとトランジ〈完全版〉〔8〕藤野可織〈リレーエッセイ「私と大江健三郎」〉失神するほど好きな人 朝吹真理子〈連載小説〉人外(にんがい)〔3〕 松浦寿輝 二月のつぎに七月が〔9〕 堀江敏幸 | 〈連載評論〉出雲神話論〔4〕 三浦佑之 人間とは何か ──フランス文学による感情教育──〔6〕中条省平 たましいを旅するひと──河合隼雄〔11〕 若松英輔 〈世界史〉の哲学〔99〕 大澤真幸 現代短歌ノート〔92〕 穂村 弘 〈随筆〉パンダと憲法 蓮實重彦 九月の白い薔薇──ヘイトカウンター 笙野頼子 玄冬小説の書き手を目指す 若竹千佐子 芸術祭が偉大であった時代 佐藤雄一 名付けたがり 佐藤文香 願わくば、来世も人間で 紗倉まな 突然の告白 松本花奈 〈書評〉浸食する物語(『踊る星座』青山七恵) 千早 茜 森は、果てしなく (『森へ行きましょう』川上弘美) 酒井順子 歴史の本質に迫った団地小説 (『千の扉』柴崎友香) 原 武史 「にもかかわらず」の挑戦 (『本物の読書家』乗代雄介) 大澤 聡 〈創作合評〉佐々木 敦+木村紅美+佐藤康友 「ブルーハーツを聴いた夜、君とキスしてさようなら」ふくだももこ(すばる2017年12月号) 「神がかり」佐藤友哉(新潮2017年12月号) 「愛が挟み撃ち」前田司郎(文學界2017年12月号) |