群像2017年11月号(10月7日発売)
定価(税込):980円
新連載 松浦寿輝「人外(にんがい)」 | |
アラカシの巨木から、地面にぽとりと落ちた「わたしたち」。過去を想起し未来を予見しながらこの世界を横切っていく。そうするほかはないと心にきめてしまう。わたしたちはひとでなしであり人外なのだった──。松浦寿輝の新連載「人外」 |
特別対談 東 浩紀×加藤典洋「私と公、文学と政治について」 | |
私から公は生まれるのか、文学から政治は語れるのか。中間項のフィールドとしての社会=世間がなくなった今、我々は何を指標に生きるべきか。『現代日本の批評 1975-2001』刊行を前に行われた哲学的示唆に富んだ大型対談。東 浩紀×加藤典洋の特別対談「私と公、文学と政治について」 |
中篇120枚 松波太郎「故郷」 | |
音が言葉になり、言葉が意味になる世界で、クィには言えない語があった――。言葉のない世界に生きてたらどんなによかったか。それでも、書くことでは自由になれるかもしれない。言葉と生と書くことの意味を問う、松波太郎の中篇120枚「故郷」 |
短篇90枚 石田 千「母とユニクロ」 | |
これって、なじょだと思う──。故郷に帰った娘は父母と暮らしはじめる。仕立屋人生五十余年の老いた母は、女優がつけるブラジャーのチラシに興味を持ち、娘とともにバスを乗り継ぎ、ユニクロへ。亡くなった人たちとの忘れられない思い出が胸を打つ。石田千の短編90枚「母とユニクロ」 |
短篇80枚 李 琴峰「流光」 | |
縛ることと縛られることによって、私たちは―心同体になってゆく。光が流れるように、すべては移り行くとしても、闇夜の花たちは、何かを求め彷徨する。生=性を描いたデビュー作「独舞」で第60回群像新人文学賞(優秀作)を受賞した新人の待望の受賞第一作、李 琴峰の中篇80枚「流光」 |
〈新連載〉人外(にんがい) 松浦寿輝〈特別対談〉私と公、文学と政治について 東浩紀×加藤典洋〈中篇120枚〉故郷 松波太郎〈短篇90枚〉母とユニクロ 石田 千〈短篇80枚〉流光 李 琴峰〈長篇評論〉上演の想像力 ──戯曲に見る三島由紀夫の生と劇〈後篇〉青木純一〈リレーエッセイ「私と大江健三郎」〉巨人という存在 中村文則〈連載小説〉二月のつぎに七月が〔7〕 堀江敏幸 山海記〔14〕 佐伯一麦 〈連載評論〉出雲神話論〔2〕 三浦佑之 人間とは何か ──フランス文学による感情教育──〔4〕中条省平 たましいを旅するひと──河合隼雄〔9〕 若松英輔 〈世界史〉の哲学〔97〕 大澤真幸 | 〈連載〉現代短歌ノート〔90〕 穂村 弘 〈随筆〉ヒトラーの顔 池内 紀 エモジがエモくなさすぎて ブレイディみかこ わたしの楽園 沼田真佑 不得意な旅2017 鳥飼 茜 〈私のベスト3〉いま聴きたい落語家 中村 計 文体に囲まれて生きている 菊池 良 映画にとって本質的な問題 入江哲朗 〈書評〉各駅停車の電車と木造アパートの二階の部屋 (『高架線』滝口悠生)片岡義男 半径六三七八キロメートルの孤独 (『通りすがりのあなた』はあちゅう)岩川ありさ 近未来のホログラム(『R帝国』中村文則)藤沢 周 壮大なる空振りの記録 (『岩塩の女王』諏訪哲史)高原 到 〈創作合評〉佐々木 敦+木村紅美+佐藤康智 「木になった亜沙」今村夏子 (文學界2017年10月号) 「市民相談家」早助よう子(文學界2017年10月号) 「きみはコラージュ」春見朔子 (すばる2017年10月号) |