
群像2017年6月号(5月6日発売)
定価(税込):980円
中篇200枚 高橋弘希「日曜日の人々(サンデー・ピープル)」 | |
亡くなった従姉から届けられた紙の束。意味不明の文面から浮かびあがるのは、彼女が生前出入りしていたサークル──REMの存在だった。抑えきれない衝動を抱える若者たちの傷を描く、渾身の意欲作! 高橋弘希「日曜日の人々(サンデー・ピープル)」 |
第60回群像新人文学賞発表 優秀作 「天袋」上原智美 優秀作 「独舞」李 琴峰 | |
優秀作 「天袋」上原智美 〈あの人〉に棄てられ、行き所を失い、かつて学生時代にすんでいたアパートの一室に忍び込んだ主人公。その部屋の天袋に潜んで暮らし始め、住人亜美に知られることなく寄生した奇妙な3ヵ月。 優秀作 「独舞」李 琴峰 台湾で育ち、日本の企業で働く趙迎梅。彼女はレズビアンであることを隠して暮らしていた。友人の死、レイプ、恋人からの非情な仕打ち──。二つの言語のあいだをさまよう、性的マイノリティの壮絶な半生。 |
新連載第2回 堀江敏幸「二月のつぎに七月が」 | |
堀江敏幸の新連載「二月のつぎに七月が」は第2回。「いちば食堂」の常連、阿見さんの父親は従軍中に亡くなった。父が遺した八冊の文庫本。それをコートのポケットに忍ばせ、阿見さんはいつも持ち歩いていた……。 |
多和田葉子、橋本 治、佐々木 敦 | |
多和田葉子「地球にちりばめられて」は第7回。HIrukoたちがいるオスローに向かうはずのクヌートだったが、母親もオスローに行くと言い出して……。橋本治「九十九歳になった私」は第9回。いつのまにか九十九歳になってしまった私。退屈な日々は変わらないようで……。佐々木敦「新・私小説論」はいよいよ佳境の第15回。前回から引き続き、柴崎友香と山下澄人を論じます。 |
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〈中篇200枚〉日曜日の人々(サンデー・ピープル)高橋弘希〈第60回群像新人文学賞発表〉〈優秀作〉 天袋 上原智美独舞 李 琴峰受賞のことば 選評 青山七恵 高橋源一郎 多和田葉子 辻原 登 野崎 歓 〈連載〉二月のつぎに七月が〔2〕 堀江敏幸 地球にちりばめられて〔7〕 多和田葉子 九十九歳になった私〔9〕 橋本 治 鳥獣戯画〔16〕 磯﨑憲一郎 〈連載評論〉たましいを旅するひと──河合隼雄〔5〕 若松英輔 言語の政治学〔11〕 三浦雅士 新・私小説論〔15〕 佐々木 敦 〈連載〉現代短歌ノート〔85〕 穂村 弘 | 〈随筆〉その夏のジュジュ 福嶋伸洋 音楽離れ脱却のヒント 蔦谷好位置 ダニーと紺碧の海、演出ノート 藤田俊太郎 妹の話 高田かや 〈私のベスト3〉心の栄養 ご当地食 菅原佳己 歯ブラシは毛先を直角に 斉藤斎藤 ディズニーアニメのなかの親子 鴻池留衣 〈書評〉ハードボイルド探偵の冒険(『百年の散歩』多和田葉子)阿部公彦 介護の現実とサーガ(『どんぶらこ』いとうせいこう)瀧井朝世 ことばに心を染める(『R.S.ヴィラセニョール』乙川優三郎)倉本さおり 光が丘の子ども(『彼女は鏡の中を覗きこむ』小林エリカ)佐藤康智 〈創作合評〉辻原 登+中条省平+谷崎由依 「アフリカの愛人」旦 敬介(新潮2017年5月号) 「リバーサイド」太田靖久(群像2017年5月号) 「意識のリボン」綿矢りさ(すばる2017年5月号) |