群像2017年3月号(2月7日発売)
定価(税込):980円
長篇一挙掲載350枚 滝口悠生「高架線」 | |
西武池袋線・東長崎。うらぶれたぼろアパート「かたばみ荘」に関わった人々が語る奇妙な出会いと別れの物語。芥川賞作家が満を持して発表する初の長篇350枚。「高架線」滝口悠生 |
新発見 自決九ヵ月前の未公開インタビュー 三島由紀夫 素顔の告白 | |
TBS社内から発見された三島由紀夫の未発表肉声テープ。翻訳者の故ジョン・ベスター氏による取材を受けるかたちで、歌舞伎と演劇、三島文学の欠点、ピエロである人間と自分自身、日本の偽善と平和憲法など、多岐にわたるテーマについて語った80分。まさに死の九ヵ月前の三島の内面を赤裸々に伝えるインタビューを抜粋掲載。また、このインタビューの意義について解説した日本文学研究者・山中剛史氏「四十七年後の三島の声」、テープ発見の経緯を明かすTBSプロデューサー・小島英人氏「雪解のとき~「発見」のこと」をそれぞれ掲載します。 |
特別掲載 最後の自伝的長篇評論 三島由紀夫「太陽と鉄」 | |
未公開インタビューで三島がたびたび言及した「太陽と鉄」。冷徹な自己批評から自らの死を見つめる自伝的長篇評論の全文掲載。 |
保苅瑞穂、黒井千次、多和田葉子、若松英輔 | |
保苅瑞穂「モンテーニュの書斎」はいよいよ最終回。「経験について」の章から、著者が読者のためにとっておいた二つの言葉を取り上げた、『エセー』をめぐる長い旅のクライマックス! 連作第10回黒井千次「黒い鳥影」。ゆるやかな傾斜の坂に彼は佇む。古い名刺を手に、偶然出会ったあの女性を探して……。 多和田葉子「地球にちりばめられて」は連載第4回。「ウマミ・フェスティバル」の主催者である私が、テンゾと出会った顛末とは? 新連載評論第2回若松英輔「たましいを旅するひと──河合隼雄」。人間に関する根本問題を、自己の固有な問いとして主体的に引き受けた河合の言葉・語る態度に注目。 |
〈長篇一挙掲載350枚〉高架線 滝口悠生〈新発見 自決九ヵ月前の未公開インタビュー〉三島由紀夫 素顔の告白(聞き手/ジョン・ベスター) 〈解説〉四十七年後の三島の声 山中剛史雪解のとき~「発見」のこと~ 小島英人〈特別掲載 最後の自伝的長篇評論〉太陽と鉄 三島由紀夫〈連作〉黒い鳥影 黒井千次〈連作〉黒い鳥影〔4〕 黒井千次〈連載〉地球にちりばめられて〔4〕 多和田葉子 九十八歳になった私〔6〕 橋本 治 いのち〔10〕 瀬戸内寂聴 鳥獣戯画〔13〕 磯﨑憲一郎 〈連載評論〉たましいを旅するひと──河合隼雄〔2〕 若松英輔 言語の政治学〔8〕 三浦雅士 新・私小説論〔13〕 佐々木 敦 〈世界史〉の哲学〔90〕 大澤真幸 〈連載〉モンテーニュの書斎〔最終回〕 保苅瑞穂 現代短歌ノート〔82〕 穂村 弘 | 〈随筆〉叫べ「ん」と 白崎映美 年越しのマキノ次郎長祭り 小山太一 あの頃の鍵、今の駒 古谷田奈月 僕の年末年始に関しましてご報告 二宮敦人 〈私のベスト3〉マアグリとコチック、そして雪 本山賢司 映画史上ベストカップル 大根 仁 『3DS 三國志』の使える武将たち 中川淳一郎 〈書評〉天空の詩仙、地上の文仙(『天空の詩人 李白』陳 舜臣)田中芳樹 自然は人間に目くばせしている(『カント 美と倫理とのはざまで』熊野純彦)大澤真幸 ほむらさんと二種類の幸福(『野良猫を尊敬した日』穂村 弘)雪舟えま 恋愛という関係性にある何かは、何か、が。(『私をくいとめて』綿矢りさ)吉田大助 〈創作合評〉小池昌代+鴻巣友季子+武田将明 「双子は驢馬に跨がって」金子 薫(文藝春季号) 「蹴爪(ボラン)」水原 涼(群像2017年2月号) 「愛すること、理解すること、愛されること」李徳龍(文藝春季号) |