群像2016年12月号(11月7日発売)
定価(税別):907円
新連載 多和田葉子「地球にちりばめられて」 | |
突然テレビから聞こえてきた「不思議なほど理解できる」言葉。それは彼女が「作り出した」言語だった――。その正体は奇跡か、未来か? 若手言語学者と消滅した島国の生き残りによる、不思議な冒険が始まった! 新連載、多和田葉子「地球にちりばめられて」。著者が果てしない想像力で描く“新しい神話”です。 |
中篇110枚 舞城王太郎「トロフィーワイフ」 | |
完全無欠の姉が突然家出した。原因は、夫が「真実の愛」に気づいたから……って? 望んでトロフィーワイフになっているような姉に潜む狂気とは。気鋭が暴く「幸福」の罠、舞城王太郎「トロフィーワイフ」。 |
優秀作に川口好美、宮澤隆義 | |
第60回群像新人評論賞が、選考委員・大澤真幸、熊野純彦、鷲田清一によって決定しました。当選作は出ませんでしたが、川口好美「不幸と共存――シモーヌ・ヴェイユ試論」、宮澤隆義「新たな「方法序説」へ――大江健三郎をめぐって」が優秀作に選ばれました。新しい才能の誕生をぜひご確認ください。 |
連作評論「小説の機能」最終回 武田将明「『トム・ジョウンズ』と僭名の時空」 | |
武田将明による連作評論「小説の機能」がついに最終回を迎えました。ラストを飾るのは、フイールディングの『トム・ジョウンズ』。『パメラ』の辛辣なパロディ『シャミラ』を書いたことでも知られるこの作家の代表作から見えてくるものは……? |
連作評論 安藤礼二「大拙」 評論 佐藤康智「水槽としてのコンビニ――『コンビニ人間』論」 | |
安藤礼二の連作評論「大拙」は第三回。大拙のスエデンボルグへの熱狂をさらに深く読んでいきます。 評論家・佐藤康智が、群像新人賞の同期にあたる村田沙耶香を徹底解剖。評論「水槽としてのコンビニ――『コンビニ人間』論」。自身もコンビニ定員として長く勤めた経験のある筆者が読み解きます。 |
〈新連載〉地球にちりばめられて 多和田葉子〈中篇110枚〉トロフィーワイフ 舞城王太郎〈第60回群像新人評論賞発表〉〈優秀作〉 不幸と共存――シモーヌ・ヴェイユ試論 川口好美新たな「方法序説」へ――大江健三郎をめぐって 宮澤隆義受賞のことば 選評 大澤真幸 熊野純彦 鷲田清一 予選通過作品発表 〈連作評論〉 最終回『トム・ジョウンズ』と僭名の時空 武田将明〈連作評論〉〔3〕大拙 安藤礼二〈評論〉水槽としてのコンビニ――『コンビニ人間』論 佐藤康智〈連載〉九十八歳になった私〔4〕 橋本 治 いのち〔8〕 瀬戸内寂聴 鳥獣戯画〔10〕 磯﨑憲一郎 〈連載評論〉言語の政治学〔5〕 三浦雅士 新・私小説論〔10〕 佐々木 敦 〈世界史〉の哲学〔87〕 大澤真幸 | 〈連載〉モンテーニュの書斎〔13〕 保苅瑞穂 現代短歌ノート〔79〕 穂村 弘 〈随筆〉町の消滅 小林信彦 新しいこと 武田 花 鳥と暮らす 稲垣えみ子 「日本SF映画零年」のために 入江 悠 〈私のベスト3〉未来のエネルギー 大平貴之 耳以外で聞いた三つの音の話 関口涼子 文学をめぐる励ましのマキシム 坂口 周 〈書評〉ゾンビとは誰か?(『コンテクスト・オブ・ザ・デッド』羽田圭介)佐々木 敦 消尽していないもの(『地鳴き、小鳥みたいな』保坂和志)山城むつみ 燃えつきた地図(『籠の鸚鵡』辻原 登)高原 到 越境する日本語(『日本語のために』池澤夏樹編)富岡幸一郎 〈創作合評〉片岡義男+野崎 歓+石田 千 「再起動」岡本 学(群像2016年11月号) 「弔い」杉本裕孝(文学界2016年11月号) 「囚われの島」谷崎由依(文藝2016年冬季号) |