群像2016年9月号(8月6日発売)
定価(税別):907円
群像新人文学賞受賞第一作! 乗代雄介「本物の読書家」 | |
川端康成の手紙を持つという読書家の大叔父。年老いた彼を高萩の老人ホームに送る役割を押し付けられた「わたし」は、電車で怪しげな大阪弁の男と出会う。やはり大変な読書家らしい彼にのせられ、大叔父が明かした驚くべき秘密とは……。「本物の読書家」、『十七八より』で第58回群像新人文学賞を受賞した乗代雄介による待望の受賞第一作です! |
俊英が描く盲人マラソンの真実 浅生 鴨「伴走者」 | |
盲人ランナーの目となり頭脳となり、共に長距離を走り抜く“化け物”、伴走者。「早いが勝てない」と言われ続けた男は傲慢な盲人ランナーと組み、パラリンピック出場を賭け南国のマラソン大会で金メダルを狙う――。「伴走者」、話題の著者・浅生鴨が盲人マラソンの真実を生き生きと描きます。 |
シンポジウム「作家と翻訳家」 小川洋子、堀江敏幸、松浦寿輝ほか | |
小川洋子、堀江敏幸、松浦寿輝と、それぞれの作品を翻訳しているスティーブン・スナイダー、アンヌ・バヤール=坂井、辛島デイヴィッドが、沼野充義の司会で、創作と翻訳の楽しさ、苦しさを語り合います。シンポジウム「作家と翻訳家」、必読です。 |
連作評論第2回 安藤礼二「大拙」 | |
20代後半から30代前半をアメリカで過した大拙。彼が心を傾けていたのは、「大乗仏教」であり、「スエデンボルグ」であった――。安藤礼二による連作評論「大拙」、第2回を掲載です。 |
名探偵に宿敵登場!? 藤野可織「ピエタとトランジ〈完全版〉」 | |
無事に医学部に入学した“名探偵の助手”ピエタは、古い女子寮に入る。どうせ“名探偵”トランジの部屋に入り浸りになるだろうと予想したからなのに、医学生というのは意外に忙しくてそうもいかない。停電の夜、同級生でトランジと同じくらい頭のいい森ちゃんと過していたピエタは……。藤野可織「ピエタとトランジ〈完全版〉」第2回、名探偵に宿敵登場!? |
〈群像新人文学賞受賞第一作 中篇170枚〉本物の読書家 乗代雄介〈中篇160枚〉伴走者 浅生 鴨〈シンポジウム〉「作家と翻訳家」 沼野充義(司会)小川洋子×スティーブン・スナイダー堀江敏幸×アンヌ・バヤール=坂井松浦寿輝×辛島デイヴィッド〈連作評論〉〔2〕大拙 安藤礼二〈連作〉〔2〕ピエタとトランジ〈完全版〉 藤野可織〈連載〉九十八歳になった私〔3〕 橋本 治 山海記〔5〕 佐伯一麦 いのち〔6〕 瀬戸内寂聴 鳥獣戯画〔8〕 磯﨑憲一郎 コンテクスト・オブ・ザ・デッド〔8〕 羽田圭介 〈連載評論〉言語の政治学〔3〕 三浦雅士 新・私小説論〔8〕 佐々木 敦 美と倫理とのはざまで カントの世界像をめぐって〔11〕 熊野純彦 〈世界史〉の哲学〔85〕 大澤真幸 | 〈連載〉モンテーニュの書斎〔11〕 保苅瑞穂 現代短歌ノート〔77〕 穂村 弘 〈随筆〉「針の穴」の奇妙な世界 宇野亞喜良 ゆうゆうたる人生 山下洋輔 「人生の光芒」ノート カニエ・ナハ クリオネ事件 黒木 渚 〈私のベスト3〉三つの「終の栖」 石川義正 上海で16年暮らして 宮田将士 女体化してほしい滝 宮城公博 〈書評〉私であることの/文学であることの責務(『私の消滅』中村文則)上田岳弘 海と山のあなた(『海と山のピアノ』いしいしんじ)佐藤康智 三つの密室は何に似ているか(『伯爵夫人』蓮實重彦)高原 到 GOZO――器官なき「音楽体」(『GOZOノート 1 コジキの思想』吉増剛造)諏訪哲史 〈創作合評〉奥泉 光+大澤信亮+滝口悠生 「アジアの純真」横山悠太(群像2016年8月号) 「スイミングスクール」高橋弘希(新潮2016年8月号) 「野良ビトたちの燃え上がる肖像」木村友祐(新潮2016年8月号) |