群像2016年5月号(4月7日発売)
定価(税別):1204円
カラー保存版 絵本 グリム童話 | |
好評特別企画第二弾「絵本 グリム童話」! 村田喜代子、長野まゆみ、松浦寿輝、多和田葉子、千早茜、穂村弘の豪華執筆陣が大胆に解釈した、残酷で愉快な“大人の童話”。酒井駒子、田中健太郎、及川賢治(100%ORANGE)、牧野千穂、宇野亞喜良、ささめやゆきによる美しく鮮やかな絵とともにお送りします。 |
村田喜代子×酒井駒子 長野まゆみ×田中健太郎 | |
今日は年に一度、世界各国の”手なし娘”たちが集まる日。美しく気立てがよい故に手を切られ家を追われた娘たちは、とある理由から今はみな手があって……。村田喜代子「手なし娘協会」、酒井駒子による端正で美しい絵も必見です。 その塔には魔物が住み着いていて、夜になると人間を捕まえ殺してしまう。日が落ちるとすぐ人々が戸を閉じる中、街を訪れた腕自慢の盗人3兄弟は……。長野まゆみが妄想たっぷりに描く「あめふらし」の世界を、田中健太郎が妖しく彩ります。 |
松浦寿輝×及川賢治(100%ORANGE) 多和田葉子×牧野千穂 | |
老年に差し掛かり女を殺すのにも飽き飽きしてきた男は、自分に相応しい完璧なパートナーを求め美しいアンドロイドを注文する。おれは青ひげ”Blue Beard”、そして女は紫の……!? 「BB/PP」、松浦寿輝が描く残酷でエロティックな新しい青ひげの物語を、及川賢治(100%ORANGE)がポップに飾ります。 お菓子の家の魔女は、果たしてどんな人物だったのか? 多和田葉子が魔女狩りという新たな側面から描き出す「ヘンゼルとグレーテル」、牧野千穂の可愛らしくも毒のあるイラストとともにお楽しみください。 |
千早 茜×宇野亞喜良 穂村 弘×ささめやゆき | |
売れっ子の音楽家は、好い声でうたう”小鳥”を手に入れた。長い髪をしたその美しい声の少女は、高い部屋に閉じ込められ……。千早茜が少女のめざめを繊細に描く「ラプンツェル」、宇野亞喜良のイラストが魅惑的な世界をさらに広げます。 その小さな女の子は、重い鉄の服を着せられていました。がんばってその服から解放された彼女は、赤いずきんがよく似合いました――。穂村弘が語り直す変てこでどこか恐ろしい「赤ずきん」、ささめやゆきのユーモラスなイラストもピッタリです。 |
連作 町田 康「ホサナ」 完結 髙樹のぶ子「オライオン飛行」 | |
町田康の連作「ホサナ」は第15回。ようやく奇天烈な世界のことも分かり始めた私だったが、自分を救ってくれた女が、実は抜け作ではないかと気づき愕然とする。美しく、姿もきりっとしているから、すっかり騙されていた……! 髙樹のぶ子の連載「オライオン飛行」が最終回を迎えました。フランス人のパイロットと、日本人の看護師の間に芽生えた愛の結末は――? |
〈カラー保存版 絵本 グリム童話〉手なし娘協会 村田喜代子 絵:酒井駒子あめふらし 長野まゆみ 絵:田中健太郎BB/PP 松浦寿輝 絵:及川賢治(100%ORANGE)ヘンゼルとグレーテル 多和田葉子 絵:牧野千穂ラプンツェル 千早 茜 絵:宇野亞喜良赤ずきん 穂村 弘 絵:ささめやゆき〈連作〉ホサナ(15) 町田 康〈連載〉オライオン飛行 最終回 髙樹のぶ子 いのち〔2〕 瀬戸内寂聴 山海記〔2〕 佐伯一麦 鳥獣戯画〔4〕 磯﨑憲一郎 コンテクスト・オブ・ザ・デッド〔4〕 羽田圭介 〈連載評論〉美と倫理とのはざまで カントの世界像をめぐって〔7〕 熊野純彦 〈世界史〉の哲学〔82〕 大澤真幸 〈連載〉現代短歌ノート〔73〕 穂村 弘 | 〈随筆〉ゴムひも 丁海玉 指摘されなければ精神 岩井秀人 アレクサンドル・ブロークの童心 奈倉有里 ヤクザとダジャレ 圡方宏史 〈私のベスト3〉ゴダイゴの海外公演 タケカワユキヒデ 東京、四月、花ごよみ 池田利道 宮沢賢治の「オト」マノペ 鈴木加成太 〈書評〉あれは私のことだったのか(『大きな鳥にさらわれないよう』川上弘美)本谷有希子 いとうせいこうの世界性(『我々の恋愛』いとうせいこう)小野正嗣 我が身を焦がして残れる灰の底深く(『焼野まで』村田喜代子)坂口 周 半ダースの忘失(『フランダースの帽子』長野まゆみ)佐藤康智 アウトサイダーたちは震災後の世界を希望に反転させる(『あるいは修羅の十億年』古川日出男)仲俣暁生 〈創作合評〉吉村萬壱+苅部 直+福嶋亮大 「伯爵夫人」蓮實重彦(新潮2016年4月号) 「宝石」小林エリカ(すばる2016年4月号) 「地鳴き、小鳥みたいな」保坂和志(群像2016年4月号) |