群像2010年6月号

第53回群像新人文学賞発表!!

昨年に引き続き2000通を超えるご応募をいただいた、第53回群像新人文学賞の受賞作が決まりました。小説部門は淺川継太「朝が止まる」と野水陽介「後悔さきにたたず」の2本が当選作に、評論部門は飯塚数人「福田恒存VS武智鉄二――西洋か伝統か、それが問題だ!」が優秀作に決定。ホームページ限定・受賞者からのメッセージはこちら!


期待の新鋭・牧田真有子

創作は2007年にデビューした 牧田真有子の最新作「予言残像」。人殺しの感覚を抱えた女が、死を予言された同級生と再会したことがきっかけで、ある暗号の謎を追い始めます。果たして予知夢の通りに殺人は行われるのか――!?


「寂聴まんだら対談」に豪華ゲスト

ともに作家生活が半世紀を超えるベテラン2人の対談が実現いたしました。今月、
瀬戸内寂聴がゲストに迎えるのは、実に58年の付き合いだという河野多惠子。同人誌「文学者」での修業時代から、谷崎潤一郎、平林たい子、円地文子らとの交流まで、赤裸々に語っています。


「映画時評」はジョニー・トー

今月の蓮實重彦「映画時評」は、香港映画界の鬼才ジョニー・トーの最新作「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」!


もくじ

〈第53回群像新人文学賞発表〉

〈小説当選作〉  朝が止まる  淺川継太

後悔さきにたたず  野水陽介

〈評論優秀作〉  福田恒存VS武智鉄二――西洋か伝統か、それが問題だ!  飯塚数人

受賞の言葉

選評伊藤たかみ  絲山秋子  田中和生  長嶋有  松浦寿輝

〈創作〉

予言残像  牧田真有子

〈寂聴まんだら対談〔5〕〉

ふたりが歩んだ戦後文学史  瀬戸内寂聴×河野多惠子

〈連載小説〉

昼田とハッコウ〔4〕  山崎ナオコーラ

わたしの彼氏〔6〕  青山七恵

裂〔7〕  花村萬月

未明の闘争〔8〕  保坂和志

日本文学盛衰史 戦後文学篇〔9〕  高橋源一郎

末裔〔10〕  絲山秋子

地上生活者 第四部〔22〕  李恢成

〈連載評論〉

孤独の発明〔6〕  三浦雅士

村上春樹の短編を英語で読む〔10〕  加藤典洋

〈世界史〉の哲学〔16〕  大澤真幸

東と西――横光利一の旅愁〔23〕  関川夏央

〈連載〉

現代短歌ノート〔3〕  穂村 弘

「生」の日ばかり〔15〕  秋山 駿

映画時評〔18〕  蓮實重彦

〈随筆〉

風薫る五月に  石川公彌子

ふたつの日本喪失  藤谷 治

バージンパンケーキ国分寺  雪舟えま

噛む噛むカミングス  松本圭二

〈私のベスト3〉

大阪の見所  玄月

食えない旅  谷崎由依

溢れんばかりの楽器愛  広小路尚祈

〈書評〉

音と匂いがただ響く(『やすらい花』古井由吉)  町田 康

「老年」に広がる人生の地平(『高く手を振る日』黒井千次)  稲葉真弓

狂おしい影を滲ませた陽光の旅の記録へ(『異邦の香り』野崎 歓)  佐々木 中

壮大なる「黙示」文学の誕生(『弱い神』小川国夫)  富岡幸一郎

孤独な魂が目を覚ますとき(『怪訝山』小池昌代)  東 直子

〈創作合評〉

川村 湊+野崎 歓+村田沙耶香

「寝ても覚めても」柴崎友香(文藝2010年夏号)

「望みの彼方」喜多ふあり(群像2010年5月号)