群像2010年11月号

注目の大型新連載!田中慎弥「燃える家」

海峡の街、夏の終わり。高校二年生の徹が足を踏み入れるのは輝ける未来か、それとも地の果てか――。三島賞・川端賞作家の田中慎弥による、待望の新連載です!


創作は楊逸「陽だまり幻想曲」、広小路尚祈「きんぴら」

芥川賞作家・楊逸が描く家族小説「陽だまり幻想曲」。夫と息子との生活を一新する ために、パートを始めて千葉に引っ越した主婦は、隣人一家が気になり始めて――。
広小路尚祈「きんぴら」は、わが子の誕生が迫ってきた男が、「よいとうちゃん」 になるべく孤軍奮闘します。


追悼三浦哲郎


豪華鼎談「世界同時革命」
柄谷行人×島田雅彦×奥泉 光

「世界同時革命」はどこからきて、どこへ向かうのか。柄谷行人が9年ぶりに「群像」に登場!『悪貨』島田雅彦と、『シューマンの指』奥泉光という、ともに最新作が話題の二人の小説家が、未だ語られていない『世界史の構造』の魅力を導き出します。


蓮實重彦「映画時評」は『ナイト&デイ』


もくじ

〈新連載〉

燃える家〔1〕  田中慎弥

〈創作〉

陽だまり幻想曲  楊逸

きんぴら  広小路尚祈

〈鼎談〉

世界同時革命―その可能性の中心  柄谷行人×島田雅彦×奥泉 光

〈追悼 三浦哲郎〉

坂上 弘 佐伯一麦 長部日出雄 大村彦次郎 富岡幸一郎

〈連載小説〉

昼田とハッコウ〔9〕  山崎ナオコーラ

わたしの彼氏〔11〕  青山七恵

裂〔12〕  花村萬月

日本文学盛衰史 戦後文学篇〔12〕  高橋源一郎

未明の闘争〔13〕  保坂和志

地上生活者 第四部〔25〕  李恢成

〈連載評論〉

孤独の発明〔11〕  三浦雅士

村上春樹の短編を英語で読む〔15〕  加藤典洋

〈世界史〉の哲学〔21〕  大澤真幸

東と西――横光利一の旅愁〔28〕  関川夏央

〈連載〉

会社員小説をめぐって〔5〕  伊井直行

現代短歌ノート〔8〕  穂村 弘

「生」の日ばかり〔20〕  秋山 駿

映画時評〔23〕  蓮實重彦

〈随筆〉

遺産と誤算  吉村萬壱

ビバ、サンプラザ  平田俊子

カーニバルと墓地  久野量一

〈私のベスト3〉

沖縄の食べ物  鴻上尚史

睡魔さんといっしょ  藤野可織

脳内聖地  松井 周

〈書評〉

「恩寵」として存在する書物(『随想』蓮實重彦)  安藤礼二

ブルースは取り憑く(『西方之魂』花村萬月)  湯浅 学

向こう岸へ心を投げる(『願い』藤野千夜)  東 直子

考えたことの持つ力(『いちばんここに似合う人』ミランダ・ジュライ 岸本佐知子/訳 )  柴崎友香

〈創作合評〉

藤沢 周+小池昌代+山城むつみ

「蜩の声」古井由吉(群像2010年10月号)

「野いちごを煮る」木村紅美(群像2010年10月号)

「ハコブネ」村田沙耶香(すばる2010年10月号)