群像2011年12月号(11月7日発売)
定価(税込):950円
豪華執筆陣による特集「短篇小説」 池澤夏樹、稲葉真弓、岡田利規、髙村 薫、長野まゆみ、中村文則、岸本佐知子(訳)、久野量一(訳) | |
日本、アメリカ、キューバから集まった珠玉の作品たち。緊密の味わい、鋭利な読み口――「短篇」の真髄を堪能する8作品をぜひお楽しみ下さい! |
それは男の固執か、狂気か 墨谷 渉「今宵ダンスとともに」(130枚) | |
住設機器メーカーに勤める庄司くんは、工場の製造ラインのことばかり考えている。交際している中野理美さんとの結婚を考えていたが、彼女はマサという男と密会しているらしい。庄司くんはどうしても中野さんの自分に対する「本当の評価」が知りたくなり、ある行動に出るのだが――。フェティシズムや暴力、快楽を書き続けてきた墨谷 渉の新境地! |
劇作家の奇想が膨らみ迸る 松井 周「土産」(110枚) | |
私たちは畑から生まれ、髪を振りながら競い合って伸びていた。養分も感情も地下水路で伝えることができた。ところが黒髪を持つ「私」は抗えない力で引き抜かれてしまう。顔から下を他人に晒すのはタブーなのに…! 今年、『自慢の息子』で第55回岸田國士戯曲賞を受賞した松井 周が作り出す独特の世界。 |
特集「戦後文学を読む」 第7弾は藤枝静男 | |
独自の宇宙的感覚と言葉の物質性を併せ持つ藤枝静男の「悲しいだけ」を再録。知的かつ野蛮な藤枝文学の両極に、奥泉 光、堀江敏幸、桜庭一樹が迫ります。 佐藤友哉の連作小説は緊急特別企画「恋せよ原発」。「デカイ一発」を書くことへの羞恥心を文学者は持たないのか!? |
〈特集 短篇小説〉大聖堂 池澤夏樹エイを探しに 稲葉真弓問題の解決 岡田利規街宣車のある風景 髙村 薫テンモウカイカイソニシテモラサズ 長野まゆみ二年前のこと 中村文則赤いリボン ジョージ・ソーンダーズ 岸本佐知子・訳ハリケーン エナ・ルシーア・ポルテラ 久野量一・訳〈創作〉今宵ダンスとともに 墨谷 渉土産 松井 周〈特集 戦後文学を読む〔7〕藤枝静男〉〈合評〉「田紳有楽」「悲しいだけ」奥泉 光+堀江敏幸+桜庭一樹〈再録〉「悲しいだけ」〈小説〉緊急特別企画 恋せよ原発 東日本大震災・福島原発事故に対する文学者たちの模範解答予防集~あるいは『深夜の主演』 佐藤友哉〈対談〉『蜩の声』そして『不可能』――小説家が老いるということ 古井由吉+松浦寿輝〈評論〉本谷有希子の「荒事(あらごと)」的表現 田中弥生〈連載小説〉夜は終わらない〔4〕 星野智幸 雲をつかむ話〔11〕 多和田葉子 燃える家〔14〕 田中慎弥 昼田とハッコウ〔22〕 山崎ナオコーラ 未明の闘争〔26〕 保坂和志 | 〈連載評論〉安部公房を読む 最終回 苅部 直 〈世界史〉の哲学〔33〕 大澤真幸 〈連載〉会社員小説をめぐって 最終回 伊井直行 現代短歌ノート〔21〕 穂村 弘 「生」の日ばかり〔33〕 秋山 駿 映画時評〔36〕 蓮實重彦 〈随筆〉「たまがき」の手紙 関川夏央 永遠の火、ともる 千石英世 インテリゲンツァがやってくる! 大竹昭子 探検家の憂鬱 角幡唯介 〈私のベスト3〉二度と食べたくない料理 海猫沢めろん 女性を強く感じた瞬間 増田俊也 「のぼちゃん」っぽさ 太田靖久 〈書評〉「君だちも大抵蟹なんですよ」(『平成猿蟹合戦図』吉田修一) 清水良典 意図的すごろくの果て(『不愉快な本の続編』絲山秋子) 福永 信 思考のかたちをなぞるペン(『これはペンです』円城 塔) 若島 正 脚本ではできないこと(『人生オークション』原田ひ香) 中島たい子 〈創作合評〉三浦雅士+鹿島田真希+鴻巣有希子 「鎌倉へのカーブ」青木淳悟(文藝2011年冬号) 「隠し事」羽田圭介(文藝2011年冬号) 「Tシャツ」木下古栗(群像2011年11月号) |