群像2011年7月号(6月7日発売)
定価(税込):920円
彼は未来を変えられるのか 伊坂幸太郎「超人」 | |
未来が予知できるようになってしまった青年は、出会うはずのなかった大物政治家と対峙し、大きな選択を迫られる。彼はスーパーマンになれるのか? 今、読まれるべき作家・伊坂幸太郎の作品が5月号に続き「群像」に登場です。 |
越境する俊英の衝撃作 円城塔「道化師の蝶」 | |
他人の着想を集める旅と、世界中に文章を残す旅。旅人たちが出会うとき、誰も見たことのない蝶が飛び立つ――。昨年、野間文芸新人賞を受賞し、ジャンルを易々と越境する俊英・円城塔の衝撃作。 |
創作は丹下健太、原田ひ香、岡崎祥久 | |
「突然の鶏の訪問にクラスは騒然となった。」追い出されても教室に通い続ける鶏、身代わりのように登校しなくなった少年。不可解で切なくて可笑しい、丹下健太の短篇「ぱんぱんぱん」。 |
第5回大江賞記念対談 大江健三郎×星野智幸 | |
作家に必要な「小説的思考力」と「小説的想像力」とは何か、大江健三郎と第5回大江賞受賞者の星野智幸が語り合います。受賞作『俺俺』はいかにしてリアリティーを獲得したのか? 会場からの質問を巻き込んで、白熱した小説談義をお楽しみ下さい。 |
映画とフィクションの臨界点に迫る 青山真治×蓮實重彦 | |
フィルムからデジタルへ。中上健次から谷崎潤一郎へ。ムルナウに近づき、小津を修正し、同時の透明さを手に入れた――青山真治監督の4年ぶりの長編映画「東京公園」 を、「映画時評」連載中の蓮實重彦が解き明かす! |
〈創作〉超人 伊坂幸太郎 道化師の蝶 円城塔 ぱんぱんぱん 丹下健太 あめよび 原田ひ香 青空 岡崎祥久 〈第五回大江健三郎賞記念対談〉危険に際して、異質な個人が声を合わせる 大江健三郎×星野智幸 〈対談〉「混沌」から「透明」へ 青山真治×蓮實重彦 〈特別寄稿〉被災地までの距離 平野啓一郎 〈連載小説〉雲をつかむ話〔7〕 多和田葉子 燃える家〔9〕 田中慎弥 昼田とハッコウ〔17〕 山崎ナオコーラ 日本文学盛衰史 戦後文学篇〔19〕 高橋源一郎 未明の闘争〔21〕 保坂和志 〈連載評論〉安部公房を読む〔7〕 苅部直 〈世界史〉の哲学〔29〕 大澤真幸 | 〈連載〉会社員小説をめぐって〔13〕 伊井直行 現代短歌ノート〔16〕 穂村 弘 「生」の日ばかり〔28〕 秋山 駿 映画時評〔31〕 蓮實重彦 〈随筆〉「平凡」な「道草」 古屋健三 言葉が無力になったとき 熊谷達也 わたしの中の原発 堀川惠子 お金がないから体で 木村紅美 〈私のベスト3〉ポストt.A.T.u(タトゥー)のロシアン・ポップス 沼野恭子 好きな「女」の部位 吉村萬壱 避難袋の中の三冊 藤谷 治 〈書評〉「肉体」としての私小説(『肉体について』三浦哲郎) 富岡幸一郎 時間のひと粒ひと粒を描く(『なずな』堀江敏幸) 鴻巣友季子 「ポルトレ」作家としての関川夏央(『子規、最後の八年』関川夏央) 内田 樹 〈創作合評〉島田雅彦+安藤礼二+田中弥生 「群魚のすみか」米田夕歌里(すばる2011年6月号) |