群像2011年6月号(5月7日発売)
定価(税込):920円
第54回 群像新人文学賞発表 | |
第54回群像新人文学賞の受賞作が決定! 小説部門は中納直子「美しい私の顔」、評論部門は彌榮浩樹「1%の俳句――一挙性・露呈性・写生」 が当選作に決まりました。ホームページ限定・受賞者からのメッセージはこちらです! |
川上弘美 「神様 2011」 | |
珠玉の川上弘美デビュー作「神様」から18年を経て届けられた物語「神様 2011」。「あのこと」が起きた世界で、わたしはくまにさそわれ、川原へ再び散歩に出る――。「神様」も併録。 |
創作は古井由吉、戌井昭人 | |
風の音が聞こえる古井由吉の短篇「枯木の林」。あの一夜、若いながらに男女の年月を尽してしまった……。娘を産み、夫と別れ、一人きりになった部屋で女は振り返る。 戌井昭人の独特な世界が炸裂する「ぴんぞろ」。酉の市の浅草で開かれるチンチロリンの賭場でイカサマに巻き込まれた男は、流れ流れてひなびた温泉街へ行く羽目に。 |
台湾映画界の牽引者が語る 侯孝賢×蓮實重彦 | |
「悲情城市」や「童年往事 時の流れ」「恋恋風塵」の名シーンたちは如何にして生まれたのか? 台湾を代表する世界的映画監督・侯孝賢(ホウ・シャオシェン)に、本誌で「映画時評」連載中の蓮實重彦が迫る必読の対談。 |
未来の作家に向けて 花村萬月×豊崎由美 | |
「群像」編集部で働く女性編集者と才能溢れる青年の関係を通して、新人賞の内幕を描いた『裂』から、未来の作家が読み取るべき核心とは何か。新人賞でデビューし、今では各賞の選考委員を務める花村萬月と、『文学賞メッタ斬り!』シリーズで活躍中の豊崎由美が赤裸々に語り合います。 |
〈第54回群像新人文学賞発表〉〈小説当選作〉美しい私の顔 中納直子〈評論当選作〉1%の俳句――一挙性・露呈性・写生 彌榮浩樹受賞の言葉 選評 伊藤たかみ 絲山秋子 田中和生 長嶋 有 松浦寿輝 〈創作〉神様 2011 川上弘美 神様(再録) あとがき 枯木の林 古井由吉 ぴんぞろ 戌井昭人 〈対談〉過ぎ去った時をまた呼び戻す 侯孝賢(ホウ・シャオシェン)×蓮實重彦 才能ある一人に届け 花村萬月×豊崎由美 〈連載小説〉雲をつかむ話〔6〕 多和田葉子 燃える家〔8〕 田中慎弥 昼田とハッコウ〔16〕 山崎ナオコーラ 日本文学盛衰史 戦後文学篇〔18〕 高橋源一郎 未明の闘争〔20〕 保坂和志 〈連載評論〉孤独の発明 最終回 三浦雅士 安部公房を読む〔6〕 苅部 直 〈世界史〉の哲学〔28〕 大澤真幸 | 〈連載〉会社員小説をめぐって〔12〕 伊井直行 現代短歌ノート〔15〕 穂村 弘 「生」の日ばかり〔27〕 秋山 駿 映画時評〔30〕 蓮實重彦 〈随筆〉ただそれだけを見つめている 堀江敏幸 トイレの話 楊逸 震災に遭って 望月あんね いつも怒れる男 東山彰良 〈私のベスト3〉海の愉快な仲間たち 青山 潤 ヴェネツィアらしさベスト3 大島真寿美 神楽坂ベスト3 秋草俊一郎 〈書評〉泥の中の“愛と死を見つめて”(『心はあなたのもとに』村上 龍) 川村 湊 くにゃりと曲がって溶ける(『赤の他人の瓜二つ』磯崎憲一郎) 中島京子 年輩者への教養小説(『三十光年の星たち』宮本 輝) 伊藤氏貴 いたわって、励ます。そして苦い。(『ワーカーズ・ダイジェスト』津村記久子) 千野帽子 新しい時代のための魯迅ガイドブック(『魯迅――東アジアを生きる文学』藤井省三) 青木純一 〈創作合評〉島田雅彦+安藤礼二+田中弥生 「いこぼれのむし」小山田浩子(新潮2011年5月号) 「王国」中村文則(文藝2011年夏号) 「PK」伊坂幸太郎(群像2011年5月号 |