群像2011年3月号(2月7日発売)
定価(税込):920円
松浦寿輝が昭和を幻視する短篇 「ROMS」 | |
平岡は「悔悛した老人たちのクラブ」へ足を運んだ。隅田川のほとりで幻視する昭和の光景とは――。松浦寿輝による短篇連作、待望の最新作「ROMS」が登場です。 |
『苦海浄土』に先立つ初期作品発掘! 石牟礼道子「石飛山祭」 | |
人間の尊厳を描き、今もなお読み継がれている『苦海浄土』に先立つ、石牟礼道子の初期作品「石飛山祭」をお届けいたします。雨乞いの行列がうねる村で、二人の娘が籤を引いた……妖しき言葉の世界をご堪能下さい。 |
都市伝説に秘められた真実を描く 高原英理「記憶の暮方」 | |
自分の故郷に伝わる「影鬼」の都市伝説から浮かび上がる、記憶の底に隠されていた忌まわしい秘密とは。高原英理の力作中篇「記憶の暮方」230枚を一挙掲載! |
新鋭による鮮やかな中篇 原田ひ香「人生オークション」 | |
傷害事件を起こした叔母と、就職が決まらずアルバイトをする私。厄介者の二人が「気持ちの良いお取引」で売るのは、お荷物な過去だった。新鋭原田ひ香が人間模様を鮮やかに描いた中篇です。 |
日米を代表する翻訳者の対話 柴田元幸×マイケル・エメリック | |
ピンチョンの『メイスン&ディクスン』の翻訳が話題の柴田元幸と、『真鶴』や『親指Pの修業時代』など数々の日本文学の翻訳を手がけたマイケル・エメリックの対談が実現しました。翻訳者は透明な存在であるべきなのか? 翻訳で言語から解放されるとは? 日米を代表する翻訳者の対話をぜひお読み下さい。 |
〈創作〉ROMS 松浦寿輝 石飛山祭 石牟礼道子 記憶の暮方 高原英理 人生オークション 原田ひ香 〈対談〉翻訳は言語からの解放 柴田元幸×マイケル・エメリック 〈連載小説〉雲をつかむ話〔3〕 多和田葉子 燃える家〔5〕 田中慎弥 昼田とハッコウ〔13〕 山崎ナオコーラ 日本文学盛衰史 戦後文学篇〔15〕 高橋源一郎 未明の闘争〔17〕 保坂和志 〈連載評論〉安部公房を読む〔3〕 苅部 直 孤独の発明〔15〕 三浦雅士 村上春樹の短編を英語で読む〔19〕 加藤典洋 〈世界史〉の哲学〔25〕 大澤真幸 東と西――横光利一の旅愁〔32〕 関川夏央 | 〈連載〉会社員小説をめぐって〔9〕 伊井直行 現代短歌ノート〔12〕 穂村 弘 「生」の日ばかり〔24〕 秋山 駿 映画時評〔27〕 蓮實重彦 〈随筆〉からだがだんだん遠くなる 稲葉真弓 映画を集める情熱 山根貞男 信仰とヨーグルト 斎藤 環 永遠の手ざわり 永岡杜人 こだまの寂寞 三崎亜記 〈私のベスト3〉私のごちそう 長野まゆみ 僕の好きな工芸作家 白岩 玄 武闘派やくざベスト3 溝口 敦 〈書評〉「かたち」以上の何か(『かたちだけの愛』平野啓一郎) 陣野俊史 習慣と人生(『祝福』長嶋 有) 青木純一 一億二千万分のワタクシ(『「ワタクシハ」』羽田圭介) 藤代 泉 私を救ってくれるもの(『アンダスタンド・メイビー』島本理生) 鹿島田真希 見える瞬間(『CORONA』石川直樹) 角田光代 〈創作合評〉藤野千夜+佐々木 敦+阿部公彦 「あめりかむら」石田 千(新潮2011年2月号) 「距離、必需品」岡田利規(群像2011年2月号) 「私のいない高校」青木淳悟(群像2011年2月号) |