群像2014年6月号(5月7日発売)
定価(税別):905円
群像新人文学賞発表! 小説当選作「吾輩ハ猫ニナル」 | |
第57回群像新人文学賞が決定いたしました。小説部門当選作は、選考委員絶賛の快作、横山悠太「吾輩ハ猫ニナル」。「日本語を学ぶ中国人を読者に想定して書かれた」新感覚小説です。中国育ちの日本人である主人公は、ビザの関係で一人日本に向かうことに。そこで珍事件が発生し……!? |
評論部門は優秀作2作 | |
評論部門は優秀作2作の受賞となりました。正岡子規の「写生論」を同時代に登場した新メディア「映画」の論理から探究する、坂口周「運動する写生――映画の時代の子規」。そして、町田作品の饒舌体を跳ね回る思考で捉えたスリリングな論考、矢野利裕「自分ならざる者を精一杯に生きる――町田康論」。新しい才能の誕生を、ぜひご確認ください。 |
デビュー小説論第2回 清水良典による村上春樹論 | |
デビュー当時、ポップカルチャーをベースにしたまったく新しい翻訳文体で、それまでの「日本小説」の伝統を軽々と打ち破ってみせた、村上春樹『風の歌を聴け』。村上春樹がこのような文体を発明するに至ったのには、「日本語的なものへの呪縛」があった――? 氏が両親について語った貴重な対談を取り上げつつ、清水良典が解析します。 |
連作批評 佐々木 敦「「小説」の上演(中)」 | |
佐々木敦の連作批評「新しい小説のために」、第五回は「「小説」の上演」(中)。前回から取り上げてきた小説と演劇の関係を、岡田利規の『三月の5日間』を中心に据え考えます。「小説的な演劇」を「(演劇的な?)小説」にトランスフォームすることの厄介さとは果たして。 |
『屋根屋』刊行記念対談 村田喜代子×池澤夏樹 | |
平凡な主婦と無口な屋根屋の「夢での逢瀬」を描いた村田喜代子『屋根屋』。刊行を記念し、池澤夏樹との対談が行われました。世界を駆け回る池澤夏樹が目の当たりにしてきた聖堂や寺院の魅力から、夢の世界の不思議さ、「飛ぶ」ことへの憧れと魔力まで、縦横無尽に語り合います。 |
〈第57回群像新人文学賞発表〉〈小説部門当選作〉 吾輩ハ猫ニナル 横山悠太〈評論部門優秀作〉 運動する写生――映画の時代の子規 坂口 周自分ならざる者を精一杯に生きる――町田康論 矢野利裕受賞のことば 選評 青山七恵 阿部和重 安藤礼二 奥泉 光 辻原 登 〈連作評論〉〔3〕書くという罪と、書かれない罪――村上春樹『風の歌を聴け』 清水良典〈連作批評〉〔5〕「小説」の上演(中) 佐々木 敦〈対談〉夢と冒険を読む 村田喜代子×池澤夏樹〈連載小説〉地上生活者 第五部 邂逅と思索 最終回 李 恢成 ビビビ・ビ・バップ〔6〕 奥泉 光 時穴みみか〔9〕 藤野千夜 死に支度〔11〕 瀬戸内寂聴 パノララ〔15〕 柴崎友香 〈連載評論〉チェ-ホフとロシアの世紀末〔2〕 沼野充義 鬼子の歌 近現代日本音楽名作手帖〔6〕 片山杜秀 皇后考〔21〕 原 武史 〈世界史〉の哲学〔62〕 大澤真幸 | 〈連載〉現代短歌ノート〔51〕 穂村 弘 映画時評〔66〕 蓮實重彦 〈随筆〉エジプト映画の想像力 池内 恵 こんな日がくるとは ヤンヨンヒ 死屍累々の季節に カレー沢 薫 フェティシズム 小田雅久仁 〈私のベスト3〉イギリスでの忘れられない一言 小田島恒志 日常の不思議 江原正士 旅を自分のものにするル-ル とみさわ昭仁 〈書評〉幼年という磁極(『鐘の渡り』古井由吉)中地義和 核と権力に抗う知的冒険(『アトミック・ボックス』池澤夏樹)松永美穂 快楽の湖面に溺れる者は、最後になにをみるのか(『ある日の結婚』淺川継太)池田雄一 〈創作合評〉堀江敏幸+諏訪哲史+平野啓一郎 「殺人出産」村田沙耶香(群像2014年5月号) 「ムラカミのホームラン」川崎 徹(群像2014年5月号) 「聖地Cs」木村友祐(新潮2014年5月号) |