群像2014年2月号(1月7日発売)
定価(税別):905円
岸本佐知子 編 アンソロジー「変愛小説集」 | |
ふつうの恋愛の美的基準から大きくはみ出した、変てこな愛の物語――「変愛(ヘンアイ)小説」。『変愛小説集』、『変愛小説集Ⅱ』の編者でもある翻訳家・岸本佐知子が考える、日本の「変愛小説」の名手12人が豪華共演! グロテスクで、極端で、けれどとても純粋な愛の物語をお楽しみください。 川上弘美「形見」、多和田葉子「韋駄天どこまでも」、本谷有希子「藁の夫」、村田沙耶香「トリプル」、吉田知子「ほくろ毛」、深堀 骨「逆毛のトメ」、木下古栗「天使たちの野合」、安藤モモ子「カウンターイルミネーション」、吉田篤弘「梯子の上から世界は何度だって生まれ変わる」、小池昌代「男鹿」、星野智幸「クエルボ」、津島佑子「ニューヨーク、ニューヨーク」 |
『舞台』刊行記念対談 西 加奈子×古市憲寿 | |
「生きてるだけで恥ずかしい」――。自意識過剰な青年・葉太の初めてのニューヨーク一人旅を、ユーモラスにそして切実に描いた西加奈子の感動長篇『舞台』。刊行を記念し、『誰も戦争を教えてくれなかった』などで知られる気鋭の社会学者・古市憲寿と対談を行いました。 「恥ずかしいという苦しさ」を描きたかったという西加奈子。「自意識」や「本当の自分」という観念を、作品を通して語り合います。 |
連作評論 完結 安藤礼二「折口信夫の宇宙」 | |
安藤礼二による折口信夫論がついに完結。森羅万象の「発生」をつかさどる神として「たましひ」が存在していたという折口。彼が到達した、本居宣長とも平田篤胤とも異なる「宇宙」の概念とは、果たして――!? |
好評の連載第二回! 奥泉 光、片山杜秀 | |
近未来を舞台にした奥泉光の新連載「ビビビ・ビ・バップ」。第二回では、ジャズピアニスト兼音響設計士のフォギーが、ケープタウンにある超巨大企業モリキテックの本社に到着。そこで待ち受けていたのは、和服を着た二人の男のアンドロイドで……。 両親を熱病で亡くした赤毛の少女アンの成長を描いた名作「赤毛のアン」。1979年にテレビ・アニメとして放映された際、オープニングとエンディングの歌を作曲したのは、天才・三善晃だった。その音楽の暴力的な凄まじさときたら――!? 片山杜秀の音楽評論「鬼子の歌」、作曲家・三善晃の「超弩級」の音楽に迫ります。 |
〈特集 岸本佐知子編「変愛小説集」〉形見 川上弘美韋駄天どこまでも 多和田葉子藁の夫 本谷有希子トリプル 村田沙耶香ほくろ毛 吉田知子逆毛のトメ 深堀 骨天使たちの野合 木下古栗カウンターイルミネーション 安藤モモ子梯子の上から世界は何度だって生まれ変わる 吉田篤弘男鹿 小池昌代クエルボ 星野智幸ニューヨーク、ニューヨーク 津島佑子〈対談〉終わりなき「自意識」との闘い 西 加奈子×古市憲寿〈連作評論 完結〉安藤礼二 折口信夫の宇宙〈連載小説〉ビビビ・ビ・バップ〔2〕 奥泉 光 時穴みみか〔5〕 藤野千夜 死に支度〔7〕 瀬戸内寂聴 パノララ〔11〕 柴崎友香 地上生活者 第五部 邂逅と思索〔24〕 李 恢成 〈連載評論〉鬼子の歌 近現代日本音楽名作手帖〔2〕 片山杜秀 皇后考〔17〕 原 武史 〈世界史〉の哲学〔58〕 大澤真幸 | 〈連載〉現代短歌ノート〔47〕 穂村 弘 映画時評〔62〕 蓮實重彦 〈随筆〉物言い 竹西寛子 漂流通訳 青山七恵 見捨てられた場所から見えた景色は 山田 航 この社会の「体力」 白井 聡 〈私のベスト3〉未だに夢か現実かわからない光景 鴻巣友季子 進化にかんする誤解 更科 功 身近においてながめたい虫 増井 元 〈書評〉舞台を降りたとき人は(『舞台』西 加奈子) 瀧井朝世 アイロニーのなかの英雄(『Deluxe Edition』阿部和重) 池田雄一 ウロボロスとしての「私」(『私のなかの彼女』角田光代) 富岡幸一郎 〈創作合評〉稲葉真弓+苅部 直+藤野可織 「ボラード病」吉村萬壱(文學界2014年1月号) 「どろにやいと」戌井昭人(群像2014年1月号) 「夏、そして冬」三木 卓(群像2014年1月号) |