群像2014年1月号(12月7日発売)
定価(税別):905円
隔月新連載スタート! 古井由吉「躁がしい徒然」 | |
職を退いてひさしい男は、あるとき暮れかけた表の路に、人影が生垣の外に立って庭をのぞきこんでいるのに気づいたという。ところが我に返ると、それは見えるわけもない光景で――。自分ももう何年かすれば、道に、時に、迷うようになるのか。遙か時空を往還する古井文学の新たなる頂点、古井由吉「躁がしい徒然」、隔月で連載開始です。 |
近未来を舞台にした新連載 奥泉 光「ビビビ・ビ・バップ」 | |
時は近未来。ジャズピアニスト兼音響設計士のフォギーは、超巨大企業(スーパーメガファーム)の重役である山萩氏に依頼され、彼の架空墓(ヴァーチャルトゥーム)の音響をデザインしている。あるとき山萩氏に求められ、ケープタウンの研究所に向かったフォギーは……。彼女が巻き込まれる「地球規模」の事件とはなんなのか。奥泉光「ビビビ・ビ・バップ」、スタートです! |
音楽評論の鬼才による新連載 片山杜秀「鬼子の歌」 | |
文明化の象徴として、黒船来航以来、熱心に輸入されてきた西洋クラシック。日々演奏の技術が向上する一方、創作は必ずしも望まれていなかった!? 新連載「鬼子の歌――近現代日本音楽名作手帖」、『音盤考現学』『音盤博物誌』『未完のファシズム』で注目の片山杜秀が、扱いに困る「鬼子」として発展してきた、日本人による西洋クラシックの歴史をたどります。 |
対談 野崎 歓×大澤真幸 評論 中沢新一 | |
群像で連載された『フランス文学と愛』の刊行を記念し、野崎歓が大澤真幸と対談! なぜフランス文学はこんなにも「愛」に執念を燃やすのか? 文学、哲学、社会学……、さまざまな側面から世界の恋愛文学を読み解きます。 芸術や科学の領域で特別な才能を発揮した人物が、日常的な世界ではなんらかの精神的な「症候(シントム)」の持ち主とみなされていたことがある――。芸術的創造=シントムと、精神的症候=シン(プ)トムを分析する、中沢新一の評論「南方熊楠のシントム」、必読です。 |
〈隔月新連載〉躁がしい徒然 古井由吉〈新連載小説〉ビビビ・ビ・バップ 奥泉 光〈新連載〉鬼子の歌――近現代日本音楽名作手帖 片山杜秀〈創作〉どろにやいと 戌井昭人夏、そして冬 三木 卓〈評論〉南方熊楠のシントム 中沢新一〈対談〉文学と愛、哲学と愛 野崎 歓×大澤真幸〈野間文芸賞・野間文芸新人賞発表〉第66回野間文芸賞受賞作「未明の闘争」 保坂和志受賞の言葉/選評(奥泉 光 佐伯一麦 坂上 弘 高橋源一郎 津島佑子 町田 康) 第35回野間文芸新人賞受賞作「想像ラジオ」 いとうせいこう受賞の言葉/選評(島田雅彦 多和田葉子 星野智幸 堀江敏幸 松浦理英子) 〈記念対談〉 小説の自由と寛容 保坂和志×高橋源一郎想像力で世界に立ち向かう いとうせいこう×星野智幸〈連載小説〉時穴みみか〔4〕 藤野千夜 死に支度〔6〕 瀬戸内寂聴 パノララ〔10〕 柴崎友香 地上生活者 第五部 邂逅と思索〔23〕 李 恢成 | 〈連載評論〉皇后考〔16〕 原 武史 〈連載〉現代短歌ノート〔46〕 穂村 弘 映画時評〔61〕 蓮實重彦 〈随筆〉「出来事」の話 大江健三郎 今ひとたび三陸へ 津村節子 ゲルニカに一輪の花 髙樹のぶ子 〈私のベスト3〉T・ハンターの視界からの消滅 蓮實重彦 自分の中にある 横尾忠則 私の好きな三足の靴 綿矢りさ 〈書評〉存在しない編者へ(『存在しない小説』いとうせいこう編) 野谷文昭 別れても別れられない(『マリーについての本当の話』ジャン=フィリップ・トゥーサン、野崎 歓訳) 平田俊子 空虚なる欲望の果てに(『去年の冬、きみと別れ』中村文則) 中条省平 なぜふたりは、この地に結びつけられたのか(『三陸の海』津村節子) 木村紅美 〈創作合評〉小池昌代+阿部公彦+中村文則 「鼻に挟み撃ち」いとうせいこう(すばる2013年12月号) 「宦官への授業」荻世いをら(文學界2013年12月号) 「じい」広小路尚祈(群像2013年12月号) |