群像2013年5月号(4月6日発売)
定価(税込):950円
第7回大江健三郎賞 受賞作発表! | |
第7回大江健三郎賞が本谷有希子『嵐のピクニック』に決定しました! 2012年に刊行された「文学の言葉」を用いた作品の中から選ばれた受賞作は、英語、フランス語、ドイツ語のいずれかに翻訳されます。大江健三郎による選評「『奇妙な味』は文学たりうるか――本谷有希子の冒険」をぜひお読み下さい。 |
一挙掲載250枚 本谷有希子 「自分を好きになる方法」 | |
本谷有希子、1年ぶりの新作小説「自分を好きになる方法」が登場! 冴えない女友達と必死に関係を築こうとした10代。好きな人のおかげで生まれ変われる予感がした20代。彼への違和感に耐え切れなくなった30代。いつか出会うはずの“誰か”をあきらめた40代。やりたいことリストを1つずつ片付けていく60代。幾つもの後悔を抱え、彼女は今日もまた眠る――。女性の一生を「6日間」で鮮やかに切り取る飛躍作です。 |
中篇 川崎 徹「ヨシダ」 片岡義男「三人ゆかり高円寺」 | |
公園の野良猫たちの面倒を見るヘンなおじさんは、自転車に乗って現れ、猫たちの食事を用意し、その食べっぷりから体調を読み取りメモをする。「わたし」は彼から“はっちゃん”という名前を貰い、腐れ縁のカラスは“ヨシダ”と名づけられた――。川崎徹の「ヨシダ」、猫とカラスとおじさんの交流を描いた中篇です。 片岡義男の連作短篇、2作目の舞台は高円寺。才気あふれるカメラマン、女優でもあるラジオ・パーソナリティ、奇妙な人々が集まる喫茶店のウェイトレス。美しい三人の「ゆかり」と、五十代の作家が織り成す不思議な物語「三人ゆかり高円寺」をご堪能下さい。 |
連作小説 町田 康「ホサナ」 安藤礼二「折口信夫の乞食」 | |
正しいバーベキューは失敗に終わった。犬の真の幸せを実現したいという日本平から相談を受けた「私」は、なぜか400万という大金を要求され、話はいつしか慈悲の定義に及ぶ……。第5回を迎える町田康の連作小説「ホサナ」、必読です! 安藤礼二による折口論の第5弾「折口信夫の乞食」。折口が古代に到達するために要した「間歇遺伝(あたゐずむ)」と「懐郷心(のすたるぢい)」とは? |
『45°』刊行記念 長野まゆみインタビュー | |
最新短篇集『45°』を刊行したばかりの長野まゆみインタビューを掲載。数字やアルファベットで構成された、各短篇の奇妙なタイトルに秘められた思いとは? 聞き手の清水良典が、新たな長野まゆみワールドに様々な視点から迫ります。 |
〈第7回大江健三郎賞発表〉「奇妙な味」は文学たりうるか――本谷有希子の冒険 大江健三郎〈創作〉自分を好きになる方法 本谷有希子ヨシダ 川崎 徹〈3つの連作〔2〕〉三人ゆかり高円寺 片岡義男〈連作小説〉ホサナ〔5〕 町田 康〈連作評論〔5〕〉折口信夫の乞食 安藤礼二〈インタビュー〉記号が生み出す多義性――『45°』を巡って 長野まゆみ 聞き手・清水良典〈連載小説〉存在しない小説〔2〕 いとうせいこう パノララ〔3〕 柴崎友香 寂しい丘で狩りをする〔5〕 辻原 登 三陸の海〔7〕 津村節子 屋根屋〔8〕 村田喜代子 地上生活者 第五部 邂逅と思索〔15〕 李 恢成 夜は終わらない〔19〕 星野智幸 燃える家〔31〕 田中慎弥 未明の闘争〔43〕 保坂和志 | 〈連載評論〉皇后考〔8〕 原 武史 〈世界史〉の哲学〔50〕 大澤真幸 〈連載〉創作の極意と掟〔5〕 筒井康隆 現代短歌ノート〔38〕 穂村 弘 映画時評〔53〕 蓮實重彦 〈随筆〉ジャズを救う人 中山康樹 ガンディーだったらどう言うか? ――TPPとスワデーシー 中島岳志 亀を測る 荻世いをら 心理療法の現場とAKBの効能 岩宮恵子 〈私のベスト3〉君府で一献:お酒、詩、粗相 宮下 遼 津波痕で見た忘れられないもの 木村紅美 心に残る工作 久保田雅人 〈書評〉「認知」を認知するための一冊(『還れぬ家』佐伯一麦) 荻野アンナ 洪水以後の世界構造(『なめらかで熱くて甘苦しくて』川上弘美) 大澤 聡 遺された家族のつながり(『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』山田詠美) 松永美穂 〈創作合評〉島田雅彦+大澤信亮+谷崎由依 「爪と目」藤野可織(新潮2013年4月号) 特集「新鋭9人短篇競作」(群像2013年4月号) |