群像2012年11月号(10月6日発売)
定価(税込):950円
新連載小説 津村節子「三陸の海」 | |
津村節子による新連載小説「三陸の海」が始まりました。夫、吉村昭と共に長年訪れてきた村を襲った津波――。三陸への思いはとめどなく溢れ、作家を突き動かす。 |
中篇210枚 小野正嗣「獅子渡り鼻」 | |
その海辺の小さな集落で、少年は生き直す。哀しみを包む大きな力に導かれて――。子どもの心の傷を濃密な文章で描いた「獅子渡り鼻」、小野正嗣の最新作です。 |
短篇 長野まゆみ、日和聡子、古谷利裕、吉田知子 | |
葬儀社に勤める主人公のもとにやって来た若い女性客。自殺するので部屋の後片付けを頼みたいと言うが……長野まゆみ「×(閉じる)」。決してついて行ってはいけない、そう知りながら彼女は影に導かれ海辺の小屋に辿り着く――新鋭・日和聡子の短篇「行方」。古谷利裕「セザンヌの犬」は、セザンヌの静物画に想を得た実験小説。見知らぬ人から突然「拝ませてください」と請われた主婦の、奇妙な日々を描いた吉田知子「拝む人」も必読です。 |
対談 関川夏央×苅部 直 | |
ともに「群像」で連載された作品、『東と西 横光利一の旅愁』と『安部公房の都市』をめぐって、関川夏央と苅部直が対談。横光と安部、二人の作家が生きた時代は、作品にどう刻まれているのでしょうか。 |
特集「群像的文体練習」 穂村 弘×鴻巣友季子×福永 信 | |
「文体」の正体とは? 「文章」や「書き方」とは何が違うのか? 歌人・穂村弘、翻訳家・鴻巣友季子、作家・福永信が、「文体」の謎を語り尽くします。三人が試みた、面白くって奇想天外な<8つの文体練習>も必読です! |
〈新連載小説〉三陸の海 津村節子〈中篇210枚〉獅子渡り鼻 小野正嗣〈創作〉行方 日和聡子セザンヌの犬 古谷利裕拝む人 吉田知子〈特集 群像的文体練習〉穂村 弘×鴻巣友季子×福永 信〈連作短篇〉〔7〕×(閉じる) 長野まゆみ〈連作評論〉〔3〕折口信夫の古代 安藤礼二〈連載小説〉屋根屋〔4〕 村田喜代子 地上生活者 第五部 邂逅と思索〔9〕 李 恢成 晩年様式集(イン・レイト・スタイル)〔10〕 大江健三郎 夜は終わらない〔15〕 星野智幸 燃える家〔25〕 田中慎弥 未明の闘争〔37〕 保坂和志 〈連載評論〉皇后考〔3〕 原 武史 フランス文学と愛〔10〕 野崎 歓 〈世界史〉の哲学〔44〕 大澤真幸 | 〈連載〉現代短歌ノート〔32〕 穂村 弘 「生」の日ばかり〔44〕 秋山 駿 映画時評〔47〕 蓮實重彦 〈随筆〉余計なお世話 池田清彦 氷枕 平松洋子 牛窓の夢うつつ 想田和弘 三十五歳、問題 樺山三英 〈私のベスト3〉日本語に導入しなくてもいい英語表現 マイケル・エメリック ウェブ記事と本 木下古栗 誤読 能町みね子 〈書評〉見出された痛み(『奇貨』松浦理英子) 津村記久子 「神秘的な部分」の現在的表現(『スリリングな女たち』田中弥生) 富岡幸一郎 渋面で描く近代日本像(『東と西――横光利一の旅愁』関川夏央) 片山杜秀 〈創作合評〉高橋源一郎+富岡幸一郎+海猫沢めろん 「ファンタズマゴーリア」岡崎祥久(群像2012年10月号) 「jiufenの村は九つぶん」谷崎由依(すばる2012年10月号) |