群像2012年6月号(5月7日発売)
定価(税込):950円
第55回群像新人文学賞 受賞作発表! | |
第55回群像新人文学賞の受賞作が決定! 小説部門は岡本 学「架空列車」が当選作、片瀬チヲル「泡をたたき割る人魚は」と藤崎和男「グッバイ、こおろぎ君。」が優秀作に決まりました。評論部門は受賞作なしでした。 |
連作完結「旅人」長嶋 有 短篇「/Y」長野まゆみ | |
長嶋 有の連作小説が「旅人」でいよいよ完結。「私」はフェリーで佐渡へ向かい、弟たちと島で合流した。「ダブル納骨」をするために……。 長野まゆみの連作短篇の第2回は「/Y」。認知症が進んでいる志津先生を連れて、「わたし」は風変わりな形をした「三つ又の橋」に出かける。 |
岸本佐知子の翻訳小説 豪華二本立て | |
地球上のスペースが手狭になったので、人類は他の生物を体に寄生させなければならなくなった(「アリの巣」)。葬儀場で働いている友人ギズモは、ときどき遺体の髪をタバコのように吸う(「亡骸スモーカー」)。岸本佐知子の翻訳で、アメリカの新鋭アリッサ・ナッティングの二つの短篇をお届けします。 |
特集「戦後文学を読む」 最終回は大江健三郎 | |
9回目にしていよいよ最終回を迎える特集「戦後文学を読む」は、大江健三郎を特集します。連帯か、孤独か? 初期の代表作「芽むしり仔撃ち」を読み解きながら、奥泉 光、野崎 歓、町田 康が大江文学の原点に迫ります。 |
ついに完結! 高橋源一郎、佐藤友哉 | |
高橋源一郎の「日本文学盛衰史 戦後文学篇」がついに最終回。四十年前の「ぼく」にとって、「戦後」と「ことば」は否定すべき対象だったのかもしれない。「戦後文学」の果ての果てにあるものは――? 佐藤友哉の連作小説も「ライ麦畑でつかまえてくれ」でいよいよ完結です! サリンジャーは6500万部以上売れている本を書いた。作家はどうしたら歴史に残れるんだろう? |
〈第55回群像新人文学賞発表〉〈小説当選作〉 架空列車 岡本 学〈小説優秀作〉 泡をたたき割る人魚は 片瀬チヲルグッバイ、こおろぎ君。 藤崎和男受賞のことば 選評 阿部和重 安藤礼二 絲山秋子 奥泉 光 松浦寿輝 〈連作小説 完結〉旅人 長嶋 有〈連作短篇〉[2]/Y 長野まゆみ〈翻訳小説〉アリの巣亡骸(なきがら)スモーカー アリッサ・ナッティング 岸本佐知子・訳〈特集 戦後文学を読む [9] 大江健三郎〉〈合評〉「芽むしり仔撃ち」 奥泉 光+野崎 歓+町田 康〈抄録〉「芽むしり仔撃ち」〈連作小説 完結〉ライ麦畑でつかまえてくれ 佐藤友哉〈連載小説〉日本文学盛衰史 戦後文学篇 最終回 高橋源一郎 地上生活者 第五部 邂逅と思索〔4〕 李恢成 晩年様式集(イン・レイト・スタイル)〔5〕 大江健三郎 夜は終わらない〔10〕 星野智幸 燃える家〔20〕 田中慎弥 未明の闘争〔32〕 保坂和志 | 〈連載評論〉フランス文学と愛〔5〕 野崎 歓 〈世界史〉の哲学〔39〕 大澤真幸 〈連載〉現代短歌ノート〔27〕 穂村 弘 「生」の日ばかり〔39〕 秋山 駿 映画時評〔42〕 蓮實重彦 〈随筆〉言葉のアイドリング 鷲田清一 彼へのおみやげ話 澁澤龍子 ある日のベトナム 蜂飼 耳 記憶 曽根圭介 〈私のベスト3〉頭痛文学 佐伯一麦 泥の建築 藤森輝信 昭和の名曲 星野博美 〈書評〉響遏行雲(『雲をつかむ話』多和田葉子) 円城 塔 氷のなかの「南」(『氷山の南』池澤夏樹) 苅部 直 言葉の渦中にある者は(『古井由吉自撰作品 一』古井由吉) 谷崎由依 「あの時代」の語り方(『マルセル』髙樹のぶ子) 田中弥生 小説家による方法の冒険譚(『会社員とは何者か? 会社員小説をめぐって』伊井直行) 富岡幸一郎 〈創作合評〉関川夏央+大竹昭子+羽田圭介 「夏の帽子」辻原 登(文藝2012年夏号) 「ひらいて」綿矢りさ(新潮2012年5月号) 「アイビー・ハウス」原田ひ香(群像2012年5月号) |